2018年11月11日 (日)

新連載が始まります。

編集部Twitterアカウントからすでに告知がされていますが、
11月15日から新連載がスタートします。
タイトルは「ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女」。
雑誌ではなく角川のweb媒体での掲載になります。
Comicwalker https://comic-walker.com/
ニコニコ静画 https://seiga.nicovideo.jp/manga/official/flapper/?track=top_official
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今回は頁数が少なめ。すみません!
18日の「大洗あんこう祭」までに掲載したいというこちらの無理を編集部に聞いていただき、
そのために執筆日程がタイトになってしまって頁が稼げなかったという
自分で自分の首を絞めてしまった形に…。
戦車というかミリタリー全般にまったくの素人なので、
戦車の大きさや構造や仕組みもなにも分からず、
あまりに無知すぎてそもそも自分が何が分からないかも分かってないという
勉強ができない子が至っている無自覚ドンづまり状態で、
質問したくても質問すらできない。
ゆえに入門書を読んだりしてひたすらに調べたり、
詳しい人に手取り足取りご指導をいただきながらの有様。
その上、戦車がパースの塊みたいな形状であるがゆえに描くのが大変で、
想定していた以上に作画に時間が必要になってしまったのも大きな理由です。
ただ今回の第1話で、執筆の感覚は把握できたので、
2話からは増頁になります。
戦術構成の才谷屋さんは、そんな戦車のことをちっとも知らない僕のために
戦車戦のプロットを作ってくれたり、
資料類を提供していただいています。
ガルパンのコミックを描かれている漫画家さんによっては
3DCGを用いていらっしゃる方もいるようですが、
自分はソフトを扱えるかどうか以前に、
野上さんや才谷屋さんのように手描きで描かれた戦車の風合いを大切にしたいので、
定規なども使わないで描いています。
昨年の大洗あんこう祭で泊まった宿で見かけた
ガルパンのコミックスや同人誌とは雰囲気の異なる漫画になっているはず。
果たして読者はどんな印象を持たれるのか。
感想など聞かせていただけたらと思います。

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ということで、今年も17日から大洗町に入って、翌日のあんこう祭に参加します。
宿以外は特にあてがあるでなし、イベントや町中をふらふらしている予定です。
これまでは借りてきた猫のような感じでお邪魔をしていましたが、
これからは少しはお身内として見ていただけたら嬉しいなと思っています。

それと遡って15日には
新宿ピカデリーで催されるヤマトークへ登壇します。
最初は小説などの絵についてのお話でと聞いていたのですが
蓋を開けたら、来年に発刊予定の臨時復刊のヤマトOUTについてだそうな。
自分は1枚も絵を描く予定がないこの本に
なぜか編集的に参加していまして、
久々に編集者に戻った気がしていますw
ただ当時のOUT誌をそれほど読んでいたわけでもなく、
何を語れというのやら。
脚本の岡さんは大変造詣が深いので、
すっかりお任せモードのような。

あ、それと冬コミは落選しました。
以前からwebカタログでは毎回「お気に入り」登録が解除されて、
登録された方々からは、今回は参加していないのだろうと見なされる
雰囲気を作られてきましたが、
今回は検索しても「抽選もれ」の項目にもヒットしないような扱い。
準備会からの受付確認通知も届いており、
こちらには不備がないはずなのに
自分自身で自分のサークルが行方不明でした。
そして落選通知が郵便で届いて、やっと落選が判明。
コミケは90年から毎回参加してきましたが、
落選がショックというより、そのような邪険な扱いをされて、
連載も始まり、ヤマトの周辺の仕事もある中で、
12月はそれに集中して、
コミケとの付き合い方を今後は改めろということなのかもしれません。

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2018年9月26日 (水)

愛の舞台なのだ。

あ、どうもすっかりblogの日記はご無沙汰してしまってスミマセン。
遊びまわっているわけではなく、
コミケでKIYOCLUBのダミーサークルに成り下がったり、
2202第六章のモニター設定やったり、
日本酒呑んでたり、
秋からの新作ガルパン漫画の準備をしたり、
日本酒呑んでたり、
Instagramにイラストアップしたり、
日本酒呑んでたり、
と、忙しくしていたのであります。
で、先日は小劇場を借り切ったヤマトファンのオフ会に参加して
日本酒呑んできました。
というかそのオフ会の大幹事からしもべの星2号に任命されて活動してました。
劇場は京急「戸部」駅から徒歩数分の
シネマノヴェチエント。
http://cinema1900.wixsite.com/home
「エー!!映画館借りるんなら、ヤマトよ永遠にのワープディメンション完全再現をしようよ!!」
と主張したのですが、
映画館の機材などの条件的にあえなく断念w
ということで5.1ch再生は出来る劇場でしたので、
ではソフトは持っていても日本の住宅事情ではおそらくできない大音響と多チャンネルで
「ヤマト2199コンサート2015」のBDを観よう!ってことになりました。
そうしたら、しもべの星1号のAさんから、劇場に映写機もあるようだからと
ヤマトの8mmフィルム上映の案も立ち上がり、
 BD上映⇒宴会Part.1⇒8mm上映⇒宴会Part.2
という構成で、6時間ばっちりオフ会として企画がまとまりましたですのよ。
お酒や料理の持ち込み可。お料理のリクエストも可ということで、
オイラは日本酒調達担当となり、
「やまとしずく」純米吟醸ひやおろしなど1升ビン3本を調達しました。
https://www.igeta.jp/category/item/brand/yamatoshizuku/
もちろんヤマト合わせで!!(お馬鹿)
席数がさほど多くない小劇場での鑑賞会&宴会ですが、
大勢でなくても飲食店を借りての席とは大違い。
手作り手探りで企画を進めて当日に。81zk0hgek4l__sl1500_
このコンサートBD、ヤマトの公開イベントではよくカメラを構えている
大学時代からの友人の倉本が編集したもので、
普段はCDでばかり聴いているから、改めて今回の音量音場で触れてびっくりした。
ボリュームやスピーカーのバランス調整も自分たちでチェックして臨んだそれは、
昔はよくあったらしいけど、これは所謂フィルムコンサートだよね。
5.1ch再生で音量を与えられたそれは、
音の大きさの中に各楽器の粒立ちがしっかりして、
コンサート当日に観ていた自分でも分からない
奏者の息遣いやアクションの映像が、音に更に意味を与えていて、
CDで聞いていたのとは全然違う力を宿していた。
ただのコンサートBDだろと思っていた人がいたなら相当驚かされたはずだ。
本当に感激した。
観客席で涙ぐんでいる参加者もいた。
小澤征爾がコンサートの撮影と映像の演出編集をと常日頃指名していたのが
実相寺昭雄監督であったのは有名な話だけれど、
倉本の仕事はそれに負けない立派な仕事だったと改めて思った。
感動した!
そして宴会。呑んで食べて話して1時間
3升もの日本酒があれよあれよという間になくなっていく。
もう1本あってもよかったかも。
宴会で、オフ会の参加者でもあった湖川友謙大先輩から
「23日はギャラリーに来い!コミックス全部持って来い」という指令を受けた。
「東伏見は京都っすよね!」とギャグで返しておいたが、
その前日に近所の田無にあるXEBECで会議だったりするのよね。(二度手間)
しかも、「来る以上は厳しいこと言うから覚悟しておけよ」とか言ってた。
何する気やねん!歓迎モードじゃないじゃんwww
漫画家は絵が上手くなっちゃだめだ!とか煽りでアゴを描け!とか
色々ご指導もいただきました。
で、鑑賞会は第2部へ。
8mmのタイトルは「さらば宇宙戦艦ヤマト」。
2巻構成で各巻20分程度のもので、参加者の誰も観たことがないという時代品。
残念ながら前巻が発見できなかったので、後巻を2回鑑賞。
そこで2回目は湖川さんと しもべの星1号のAさんが舞台に上がって、
生コメンタリー上映に。
いや、2回とも凄く楽しかった。
というか8mmが2時間越えの作品を40分にしてるから超編集の超展開。
それでも「さらば」の温度がビンビン伝わってくるから凄い。
そこでふと思ったのは。
2015コンサートも78年の「さらば」も小林治さんと一緒に観てたんだよなということ。
コンサートは今回の上映会と同じ隣で。
「さらば」はまだ互いを知らないけど同じ映画館の初日徹夜組初回上映。
不思議な縁だ。
上映後はまた宴会。
劇場が横浜に近いということで、今度は月餅と紹興酒で乾杯。
そして駅前のイタリアンで二次会と
10時間くらいの長時間オフ会を過ごしたのでした。

そして23日。
大先輩の指令に従い、西東京の東伏見駅に近いギャラリーTSUKASAへ出向く。
http://24came.com/Gallery/g_map.htmlDnc6ecnvyaac2p
仕事もあって途中から。
どうやら震災チャリティイベントとのことで、
ギャラリーでは湖川さんとアートランドの社長さんの対談が行われていた。
大先輩は自ら役者として舞台に上がったりする人なので、
場の雰囲気を掴んで舵取りをする勘が冴えている。
たいしたものだ。
んで、その対談が済んだとたん、オイラの名が呼ばれて引っ張り出される。
来場のお客様にサインをしてさしあげろ!ということで、いきなりサイン会に。
いや、そもそも自分が何をするために呼ばれたのかも知らなかったので
焦りましたよ!
しかも大先輩から
「ここでは下書きをしてはいけない。いきなりペンで絵を描け」というお達しががが。
ということでサイン会という湖川地獄で~男を磨け~♪に。
なんだか描く絵の御所望のハードルがどんどん高くなっていって、
時間内に並んだ人全員にサインをして差し上げることができませんでした。
まさに湖川道場での修業。
短い時間で描けないオイラが悪いという結論になる場合もあるのですが、
絵を描くスピードは個人差があるので、
そこは許して欲しいと言うしかないのです。でもすみません。
それにしても、そうしてチャリティ活動の場を作った
大先輩の志とスタッフの方々は立派だなと思うのです。

オフ会とかチャリティイベントとかそれは
特別な人が特別な力でやっているというわけではなくて
志とか愛情とかそういうものを抱く人が集まって
皆で知恵と力を持ち寄って作るもの。
そういうイベントを組める人を特別視して
そういう機会がないと嘆いたり羨ましがることなどはなく、
自分たちでもできることなんだ。
お客様気分で身を任せるだけがイベントの参加ではない。
自分と仲間で作っていく。
すべてがそういう小さな愛情の持ち寄りなんだというのを
改めて感じる数日でありました。

ということで本日は誕生日。
今夜はそのオフ会の大幹事としもべの星たちが集まって
反省会兼慰労会です。
独り者ゆえ誕生日は一人で過ごすことが多いですが、
今夜はにぎやかに過ごせそうです。

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2018年7月19日 (木)

漫画を描こう!

本日19日にComicWalkerで更新されたガルパンのスピンオフ新連載の巻末に
僕の漫画の連載告知が掲載されました。
https://gyazo.com/91ca268a3311274fd7fcd24b2fc0c19c

おおまかなプロットは出来上がっていて、
現在は製作委員会の確認を待っているところなのですが、
今日のこのプラウダ校の漫画のスタートに合わせて
コミカライズのラインナップを発表したいというのも委員会の意向で
このようなお披露目になった次第。
最終章の公開などとからめた事情があって
当初の予定より遅いスタートになってしまいましたが、
鋭意準備を進めています。
というか、折に触れ言っていますが、
僕はミリタリーの素養が殆どない人間で、
宇宙戦艦以外にメカへ興味を持ったこともないものですから、
素人過ぎて、自分が何が分かっていないのかも分かってないという
よくある勉強できない子状態なのです。
なので今回の連載は
周囲の詳しい友人達からの手助けをいただきながら取り組んでます。
その場でも、僕が本当に何も知らないので、
こんなに知らない子だとは思わなかったと唖然とされてますw
今回の連載はそんな理由もあって
ガルパンのコミックではお馴染みの才谷屋龍一さんに
お話作りの協力や考証のアドバイスを頂いてます。
タイトルから、どこの高校が舞台になるか判ってしまう人もいることでしょう。

昨年、大洗を訪れたときに、ガルパンのコミックや同人誌に多く触れました。
それらを眺めつつ、自分のやりたい絵やお話は見当たらなかったので、
これは自分の居場所があるということなのか、
それともニーズがないから空いてるのか、
と、色々思案しましたが、
とりあえず毛色の違った漫画は描けそうに思います。

じゃあヤマトの漫画はどうなるの?
と思われる方もいらっしゃることでしょう。
ガルパンもヤマトも同じKADOKAWAのレーベル内のお仕事ですし、
編集部間の連携も出来ておりますので
ヤマトの連載再開を視野に入れながらのガルパンになります。
ヤマトはその再開時期について、すでに関係各所の確認もとれていますので、
コミックス9巻の発売も含め、近いうちにお知らせできると思います。
なので実作業的には、
ガルパンとヤマトの仕事が重なるタイミングもあろうかと思っています。
そこはまた編集部と執筆工程の在り方を検討していく予定です。

ヤマトの連載を中断させて、この1年半くらいは
アシスタントを手放して、一人で仕事をしていたので、
漫画を描くための体制も考えていかないといけません。
再起動には蹴飛ばしの力が要るのです。

今年になって親しかった人、顔見知りの人の訃報が続いていて、
自分の中でもっと描かないとっていう気持ちが高まってます。
笹井一個さん、
藤田香さん、
梶山浩くん、
みんな、もっと描いていたかったろうなと思うとやりきれない。
僕もヤマトの連載で身体を壊してしまったけれど、
体調に留意しながら、もっと絵を描こう。
漫画を描こうと思うのです。


あ、夏コミは出ます!
日曜日の西・り-36b です。

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2018年6月11日 (月)

エンディングイラスト

上映中の2202第五章、
劇場先行販売のブルーレイなどのパッケージ版では
今回エンディングに僕の描いた絵を使っていただいている。
そこに至るまでの話と、
執筆の技術的な側面について
いささか専門的かもだけれど触れてみようと思う。

第四章の公開を控えていた辺りの頃、
スタジオから第五章のEDイラストを描いてみる気はないかと打診があった。
自分でお役に立てるのであればよいのですがと、
まずは羽原監督とお会いして色々お話をうかがった。
そのタイミングで18話までの絵コンテはモニター設定の都合で
すでに目を通してあったので、なかなかに重い幕引きになるなと印象を思っていたのだが、
監督はそこへ子守唄のイメージで曲を発注してあるとのこと。
それに柔らかいタッチでの僕の絵を所望されていた。
お話をしていく中で、僕の中でも絵柄のイメージができてきたので、
お手伝いができそうと判断し、お話をお受けした。
監督がお考えになっていたことや、
ディスカッションで出てきた言葉を当時のメモを振り返ると
以下のようなものになる。
 柔らかいタッチの絵 水彩画的なものか
 命 優しさ 救い 和やかさ 
 艦内の日常 集団ドラマとしての場面
 古代ユキは控えめに
 フィルムにないシーン可
 翼と真琴 親子の交感
 艦内だけでなく、地球に残った者でもよい
 よって、百合亜もOK
 人物描写だけでなく、私物や写真など存在の痕跡
(肉親から贈られたもの 安心できるなにか)
 美しい瞬間
 ヤマトの現在だけでなく、遡った時間軸のイメージも。
 ×悲しみ ×戦闘 ×透子 
ここから、僕の方で多めにイメージラフを起して、
監督から選んでいただいたもので絵コンテに入り、
僕は彩色へと進んでいくという流れになった。

水彩画的なタッチで描かれたアニメのEDとして
自分の中で一番最初に思い浮かぶのは、
「君に届け 2ndシーズン」の映像。

これを見ると、水彩調で描かれた絵を一枚絵として打ち出さず
素材として巧みな撮影で重ねていって雰囲気を構成している。
羽原監督のEDイメージの自由度を上げていくには
僕の絵で限定していくというより、
素材として扱いやすい絵なり、描き方なりをしていく必要があると考えた。
なので紙に絵具で塗っていく方法ではなく、
データ上での彩色でということになる。
(素材の切り抜きやにじみ部分の透過性などは紙への彩色では難しい)
僕の描いたEDイラストというと「2199追憶の航海」がある。
自分としては色々反省点も多く、
特に筆致についてはもっと水彩画のタッチを強調したかったのに、
PC上でのスキルが足りずに、中途半端になってしまっていた。
今回の監督の求めるものは、
よりタッチを注視していかないとならないと受け取ったので、
ラフを描くだけでなく、技術の試行錯誤を始めていくことになる。

絵に関しての僕の使用ソフトは
Adobe Photoshop 6.0
PGN openCanvas 4.0
どちらもかなり古いバージョンだ。
Photoshopは2000年、openCanvasは2006年。
後者は水彩の滲みの筆致には弱く、
前者はフリーのブラシ素材で多様な水彩筆致を実現しているものの、
6.0ではその殆どを利用できない。
唯一見つけた使用できるブラシで塗ったのが「追憶」だったりする。
その反省に立ち、
今回は新しいソフトウェアの導入も検討した。
その最有力候補だったのが、Expresii。

水彩表現の再現では驚異的とも言えるソフトなのだけど、断念。
大きな理由はクレジットカード購入を自分はできないから。
以前に社長として会社を倒したときに、家や預貯金など全て手放し、
その上でなお金融機関に迷惑をかけたこともあり、
自分はカードを持てる身分ではなくなってしまったのだ。
従業員や取引先に誠実にむきあって働いても
人生に決定的な傷と責任を負うことはあるもの。
中小企業経営者は日大とか東芝とかのような大組織の卑怯で無責任な道はないのだ。
そういうことで、
では、Photoshopの機能を使って、自分で水彩ブラシを作ろう!
という基本といえば基本の方法で臨むことにした。

並行してラフを進めていく。
2月8日にヤマトークに出演の折に福井さんから、
パッケージ用の1分半の尺だけでなく、
劇場EDにも使うかもしれないというお話もいただいていたので、
ラフの数は少し多めに描いた。
結果的にはパッケージ版だけということにはなったが、
イメージが多いほど、羽原監督の選択肢は増えるので作品のためには良い。
途中、楽曲のデモや歌詞を頂戴しつつ
以下のような着想で絵を描いて、ここから選んでいただいた。
 眠る子。翼のようであり、島のようであり、女児のようでもある。象徴としての眠る子。
 在りし日の空間騎兵、桐生親子も入った集合写真・斉藤の私物
 ふざけあう航空隊の男連中
 ペンダントを見やる玲
 ウサギのぬいぐるみを抱きしめる西条
 内緒話を耳打ちする孫娘と徳川機関長
 作業卓で仮眠をとる真田
 ひそひそ話のヤマト女子部
 眠る島大介、O.Lする母ひざ枕の幼い島
 対局中の将棋の駒を失敬する太田と慌てる南部、気づく相原
 名もないヤマトクルー達
 艦長室で沖田を思う土方
 風になびくユリアの髪
 地球で短い休暇中の古代とユキ
 イリィのジャンプ
 加藤一家の団欒 翼と真琴の笑顔。父の贈ったファルコンの模型
 家族を懐かしむコクピットの加藤
 笑顔の翼(または眠る子の目覚め)
ラフのいくつかは止め絵ではなく、簡単な動きのあるイメージも混ぜてみた。
結果的には不採用だったけどw01_rough
ラフの提出では自分としての彩色の提案もしてみた。
水彩調で人物を塗った上で、
背景の「たらしこみの絵具の滲み」の部分だけその色が表示されるというもの。
この背景の滲みを浸透させるような広がりで
止まった絵にも動きが与えられるかなという発想。
この提案は監督の絵コンテに採用されていく。

02_test
では今回の技術的課題とどう向き合ったのか。
①水彩ブラシ作り
水彩絵具で紙に濃淡やにじみを大小にいくつも描き、それをスキャン。
それを濃淡を意識しながら色を除くグレイ化。
Photoshop6.0のブラシは実験したら縦横1000ピクセル未満なので、
その大きさに収まるようブラシとして登録。
水彩タッチの濃淡が生かされた不定形なブラシが出来る。
様々な形状で作成し、自分の筆致や狙いにあったものを最終的に登録。
近年のCSなどのバージョンに比べて6.0は
出来上がったブラシの筆圧や調子などを加減する機能がほぼないので、
あきらめと覚悟が大事。
②実験・出来たブラシで試し描き
ブラシを単純に利用して彩色をしてみた。
これがまったく思ったとおりに塗れずに大失敗。03_test
水彩の色調を出したいのにブラシの大きさや濃度をコントロールできず、
結果、筆先の曖昧さ不自由さをさらしながら、
僕の普段のアクリルっぽい色調やタッチに流れてしまう。
自分の最近の塗り方は、レイヤー数を極力減らし、
人物などは1枚だけで、隣り合わせた部位の混色をも即興的に取り込む
音楽的な勢いを大切にしていたのだけど、
自作水彩ブラシではそれがまだ制御できなかったのだ。
③彩色工程の見直し
その失敗の反省にたって工程を見直した。
EDの絵を例に示してみる。04_ed1
肌や髪、服などパーツごとに塗り分ける(マスク作り)。
マスクの色は白。ないしは薄いベージュなどベースの色に使いたい色に塗る。
僕の場合、目指している雰囲気が淡彩画なので、白。
そのマスクの領域を保護し
ブラシのサイズや筆圧を強弱しながら筆先を調節してスタンプのように色をおいていく。
これで白地が発色を保ち、塗りこみ過ぎを避けて
にじみや色むらを出しながら、必要な面積のみ塗れる。
ただ、この下地のマスクをかっちり作り過ぎると
パーツの境界に柔らかさを失い、紙に塗った水彩画の雰囲気から遠ざかる。
そのためにエッジは小さく不規則な水彩ブラシなどで曖昧に作っておく。
そうすることで隣の部位に色がにじんだり流れ出して、
程よい混色や即興性が生まれる。05_ed1
④線画
水彩的印象を強めるために、線画は普段より小さいサイズで描いた。
イラストの多くはA4サイズで600dpiの解像度にしているが、
今回はその半分のA5サイズで描いている。
これで線が太い印象になり、鉛筆のタッチもより強調される。
ハイビジョンの画質とは、印刷物を扱う自分達から見ると、
実はとても低かったりする。
それが秒30枚で連続されることで情報密度と目の残像の効果で高画質になる。
なのでA5サイズ600dpiでも十分に大画面に耐えるのだ。
昨今のアニメはHD画質を求められる中で線がどんどん細る傾向にあるけれど、
逆の発想もできるのだ。
ちなみにこの加藤一家の絵は各人を撮影処理で重ねたいという演出の要請があったので、
線画も彩色もそれぞれ別に描いてあったりする。

⑤背景
大きな水彩タッチの面が求められる背景素材は、
1000ピクセルがMAXのブラシでは表情やタッチに限界がある。
(ブラシ形状のパターンが気取られてしまう)
そのため、デジタルではなく、
やはり紙に実際にいくつも描いてスキャンし、
さらにそれを変形や変色、合成を重ねて作成している。
その素材にPhotoshopで「マジック消しゴムツール」を用いれば
白い部分を削除してくれる。
この背景素材に対して、彩色のレイヤーをグループ化してやれば、
素材の上だけ色が表示される。06_ed1

こうしてデータを作成し、スタジオに納める。
監督のコンテに従い、
撮影処理をされてEDの出来上がり。
自分としては、絵をそのままダイレクトに使用されると恥ずかしいので、
少しクッションというか、深みを出すために、
たとえばふわふわしたハレーションみたいな光が重なるとか
チラチラと光りながら舞うホコリとか粒子とか小さな花びらのような
撮影処理をリクエストしたのだけど、
かなりギリギリのスケジュールになってしまっていたので、
実現はしなかった。

BDなどのパッケージ版のみ観ることができる映像だし、
劇場先行で発売はされたものの、
正式のリリースはまだ先であるため、
評判や感想はあまり聞かれないけれど、
こんな絵が収録されているので、
見ていただければ嬉しい。

自分としては空間騎兵の絵が
気に入っているかな。Ed5_3_color

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2018年5月11日 (金)

ヤマト三昧のラジオでした

春から並行して抱えていた大仕事もようやっとその最後が納まった。ふぅ。
5月5日のヤマトの音楽だけのラジオ特番を聴いてくだすった皆さん、ありがとうございました。
興奮冷めやらぬではないですが、
放送後まで不思議な熱を帯びたような感じでありました。ずっと心臓ばくばく。
録音しておいた番組を聞き始めると、見知らぬ声をした自分が早口で喋ってて
何かとってもいけない感じがしてきます。

さて
備忘録的に番組ができるまでのことや、実際のスタジオでのことを書いておこうと思います。

そもそもは、今年の2月20日に
「クローバーラジオで4時間くらいのヤマト音楽の特集番組企画って通らないかなぁ。DJは林檎さんで、企画構成はアンドローさんや譜観さん。んでオイラが誰かゲストを探すような感じで(出演はしないw)。特番用スポンサーで、バンダイに声をかけて。んで徹底的にヤマト楽曲と関連曲だけかけるの」
って趣旨の話をしたところ、
その当該メンバーのアンドロー梅田さん、譜観さん、そして林檎さんが応じてくれたところからが
番組作りの始まりになったのだと振り返ります。
つまり2ヶ月半でこの4人でわーっと作った番組なのです。
(スタッフも出演者もこの4人だけ)
ということは僕が発起人ということになるのかも。

僕はJAZZの他に以前から色々な映画のサントラを聴きこんでいて、
FMの映画音楽番組などもよく聴いてました。
「映画のサントラは素晴らしい!」とむやみに言う人もいるけれど、
映像と一緒になって感動のバイアスがかかるから、
名画の名曲って言っても、それほどじゃない曲もかなりあります。
それでも映画のシーンを程よく忘れたようなサントラを買って聴いてると、
意外に良い曲があったりするのに気づいたりもします。
映画はポンコツや大コケでも、
サントラは巧みな構成と出色の出来の楽曲って名盤もたまにあります。
(コッポラの「ワン・フロム・ザ・ハート」とか)
クラシックのオペラや舞台のミュージカルから、映画やアニメに至るまで、
そのドラマ性の媒体を移しながら音楽の存在を担う意味で
サントラって現代においては、大きなツールなんだなとつくづく思います。
林檎さんのクーロバーラジオでの番組を普段聴いたり、
去年はアニソン特番に出演させていただいたりの中で感じたのは、
映画もアニメも主題歌は番組や特集が組まれるけれど、
サントラとか劇伴と呼ばれる映画音楽が流れる番組は本当に少なくなったなということ。
たまにあっても、ジョン・ウィリアムス特集とか
懐メロかよ!って定番ばっかり。
またはテーマ曲ばかりで、あのシーンに使われたLPのA面3曲目!ってのはない。
映画音楽への新しい扉を開く機会になってない。
なので、サントラにどっぷりひたるような番組ってできないかなって
ずっと待っていたのでした。
そんな気持ちが、前述の発起時の背景にあったりします。

そして今回の3人との出会いがやっぱり自分には大きかった。
皆さん、ヤマトやアニメ特撮の楽曲に本当に詳しく、
好きな日本酒を皆でいただきながら
そのお話に耳を傾けるのがとても楽しいのです。
媒体は異なるけれど、
1999年にヤマトのアンソロジー漫画の企画を出版社に持ち込んで、
その後、ヤマトの同人誌を仲間と集まって作っていた雰囲気に近い、
そんな人の縁の妙を今回も感じました。

実作業は数回、4人で集まって日本酒を呑みながら、
番組の方向性とかやりたい企画を練ったり、
番組制作に必要であろうプロセスを確認して行動へと進めるというもの。
その1回目は、秋葉原に集まって、
以前にも使わせていただいたスピーカーメーカーのショウルームをお借りして
ヤマトの楽曲をハイエンドオーディオで聴くということから始めました。
そこで時代に古びれることのないヤマトの音楽の魅力と底力を
改めて僕は実感したのです。

今回のラジオは、一応2202製作委員会のOKをいただいて作ってます。
会合の中で、できればスポンサードもいただけたらいいなという思惑もあり、
僕のほうから委員会を構成するバンダイビジュアル(当時)の宣伝部のヤマト担当の方へ
「こんな企画があるのですが~」
「自分は企画のお手伝いをする予定ですー」とお話をしたら、
そりゃウチ(委員会)の許可がないと番組作っちゃアカンやろ!って話になってしまい、
ラジオ局の一番組なのでJASRACに払うもの払えばいいもんだろと思っていたので、
ひょえー!ヤブヘビ!!っとそこでまずピンチに!
でもその宣伝部の方が委員会へ熱心に働きかけていただいて
許可を取ってくれたのです。感謝感謝。
「むらかわさんが出演する番組なので大丈夫です」
と許可とりましたのでと言われて、
んでは僕が内容にがっちり入らないと…という流れであんなに喋る立ち位置に。
本当はアンドローさん、譜観さん、林檎さんにお任せで
自分は気楽なゲストの予定だったのに!

んで、番組にお墨付きをいただいて、
元広告代理店マンの自分としては
記者クラブ的なものへ情報を送って記事にしてもらおう作戦をやってみました。
コミックナタリーとかアニメアニメ!とかそんな媒体へ
ラジオ局からプレスリリースとして文書資料などを送るのです。
うまくいけば記事として採用されネットのニュースになるというもの。
で、結果的に記事にしてくれたのは
僕がお仕事してる角川のwebNewtypeさんという流れ。ありがたや。
https://webnewtype.com/news/article/145702/
名の知れた媒体って東京中心っていうか、
埼玉のコミュニティFMの企画なんて見向きもしないのかもですね。
ところが今回は結果的に全国規模で話題になったので、
元編集者としてはそんな媒体の視野にガッカリ。
逆に僕のコネではあるけど、
「面白そうですねぇ」と言ってくれてNewtypeの担当につないでくれた
2202小説の担当編集さんの素直さが、
情報発信としてKADOKAWAが一歩抜け出して、
話題になったこのラジオを唯一発信し、
媒体が話題を掴む能力があることを示す結果を示せたのは
こちらも宣伝で助かったゆえに
恩返しになれたかしらと思うのです。
そして5月1日から配信いただいた記事は、
放送の翌日を過ぎてもランキング5位以内、
1位を何度もとる勢いでした。
最新のアニメ情報の中で、40年選手にとって快挙です。

そしてそもそものスポンサードのお話。
最初はどこかスポンサーがついてくれたらラッキー!という感じくらいだったのですが
僕が気づいていなかったことに番組の制作費のことがあって、
局から予算が出るもんだろうと思っていたら、地方局はそうでもなく、
林檎さんをはじめ我々の持ち出しで制作〜って事がのしかかってきた。
そこで、スポンサーを本気で募ろうと動いてみた次第。
僕がまず公認をくれた流れもあって
バンダイ社内のヤマト商品を扱うで部署でどこかないか尋ねてみました。
宣伝部の人がやはり動いてくれのですが、
関係各所からはフラれたというお返事。
そもそも今回の番組はネットを通じて全国で聴いてもらいたいから、
クローバー局の普段の地元スポンサーさんでは宣伝効果がマッチングしないので、
日本全国へ宣伝したい相手でないとならないという悩みもあって、
じゃあやはりここはオイラの社長仲間に!と考える。
荒川の社長会だけでも全国展開の会社はあるし!と思いつつ、
「まずはでもアニメと親和性のあるところが先だよね(広告効果も高いし)」
と考えて、
以前にヤマト2199の展示もしてくれた新潟市のアニメ情報館へおずおずとお願いを。
そうしたら一発返事でお受けいただき、
しかも単独スポンサーでというご厚意まで。
これで制作予算問題はギリギリでクリアしたのでした。

企画内容に関してはアンドローさん、譜観さんにお知恵拝借の状態で
内容はもうお聴きいただいた人ならご理解いただけるように
充実したものになっていきました。
珍しい音源も扱いたいとか
どの作品も分け隔てなく採り上げたいとか
若い新しいファンにも開かれた雰囲気にしたいというのは
その中で番組の支柱になっていったものです。
会合はそうしたフラットな議論ができる場でありました。
論議しながら感じたのは、番組構成って雑誌の企画構成に似ていること。
かつての僕の仕事での経験は役に立ちましたが、
気になったのはこの集まりで雑誌で言えば編集長が不在だったのです。
林檎さんは我々が楽しく作れればいいというスタンスで放任主義だし
(実際の放送番組では彼女がジャッジするのでその余裕なのでしょう)
最終的に、編集長というヒエラルキーではなく、
僕が事務局的に各人の企画や思いを預かって
編集者スキルとして構成を編んでみますという形になりました。
集まってきたリクエストのリストを林檎さんから随時いただき、
作品順、楽曲ごとにまとめるという
ラジオ局のバイト君のような作業をしたりもしました。
これがあるとリクエストに応えるときに便利なので。

会合の当初から番組内にゲストもお招きしたいねという話題があり、
僕はすでにゲスト枠じゃないのねw と思いつつ、
「こんな人呼べたら素敵リスト」を皆で作成してその第1番が庵野監督。
で、僕がお声がけをすることに。
そうしたらここでも一発返事で「よろこんで!」と。ありがたや。

この間に業界に詳しい友人からのアドバイスとか叱咤激励をいただきながら、
番組はだんだん体裁を整えて、
そして「ラジオ組曲(スイート) 宇宙戦艦ヤマト」はイスカンダルへ向かって行ったのでした。

そして当日、スタジオのある志木駅に集合。
駅前のデニーズでランチをいただきつつ
構成内容や進行の確認と番組パートごとの各人の考え方などを把握。
リクエストの選曲もそこで最終的に行いました。
なので譜観さんはヤマトの全CDを持参いただいたりして大変な荷物に!

実際に喋ると僕はやや早口になってしまって、
余裕のなさが出て恥ずかしいばかりです。
庵野さんのゲストコーナーは、
ヤマトの引き出しのインデックスが
庵野さんが話数で語り始めるのですが、
僕は話数ではなくドラマ内容で記憶してるので、
ああ、あのシーンかと繋がるまでにワンテンポあいてしまって、
そこから応じようとすると庵野さんの喋るタイミングとかち合っちゃって、
聴いている人はリズムというか呼吸が合ってないように感じたかも。
それも面白い発見でした。
74ヤマトに関してはいつになく多弁で情熱的で、圧倒されましたが、
それ以降は、スタジオに一緒にいるのに
黙って進行を眺めていらっしゃってて、
監督に監督されているようで更に緊張してました。

番組は予想以上の反響で、驚きました。
Twitterのトレンド1位になったとか。
埼玉のコミュニティFMが4時間もの間、
全国の人の耳に届いて話題になるなんてとても稀なケースだと思います。
スマホやPCでのネット配信が、FMという電波エリアの縛りを越えていく。
現代ならでのことだなぁと思うことしきり。
そして何よりヤマトファン凄い。

ヤマトのラジオのツイートのまとめができていました。
https://togetter.com/li/1224459
なんだか凄い頁数。
放送後すぐに出来ていたようで、それも凄い。
放送時の興奮が伝わるようで、楽しく読ませていただいています。

僕はけっこう一人でぽつりと心の中で長くヤマトファンをやっていて、
ファンジン作ったり同好の人と交流したりとは縁遠い者でした。
というか独りだとそもそもそういう情報や方法すら知らないのです。
そんな僕をたくさんのヤマトの仲間の場へ引き上げてくれたのは、
亡くなられたYUMIKOさんという女性のヤマトファンでした。
シリーズのどの作品も大好きだった彼女は、僕にとってのヤマトファンの鑑のような人。
今のファン活動ってSNSなどの様々なツールとコミュニティで楽しめる機会がある反面、
趣味や嗜好の違いで互いに弾き排他したり、
わざわざ敵認定をして排除するような側面もあるけれど、
ラジオという独特な距離の近い感覚の媒体のマジックと
ヤマトという作品の音楽が持つ魅力と奥深さが
そういう壁を越えてたくさんの人が楽しむ時間を作れていたなら素敵だなと思うのです。
そして今回のラジオをYUMIKOさんが聴いてくれたら
とても喜んでくれたろうなと5月9日の彼女の命日に思うのです。
ヤマトファンは凄いのだと。

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