2018年1月 5日 (金)

新春のご挨拶

明けましておめでとうございます。
年末は仕事に追われていて、年賀状の絵をようやっと描きました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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大晦日のコミケット93にお越しくださった皆様、ありがとうございました。
以前から温めていた蓄光塗料で印刷した夜間でも発行する丸メーターのステッカー。
https://gyazo.com/92f57f6b897e53e378e2bfdb51dc01b6
ありあわせのイラストで体裁を整えた冊子と一緒に発行することができました。
メーターステッカーの制作費がかかってしまって、やや高価な品になってしまいましたのに、
おかげさまで、というかびっくりするほどに手にとっていただいて、
随分大昔に、列ができて押せや押せやになった時以来のひっきりなしの状態で、
用意した数のほとんどがなくなってしまいました。
今月28日のガタケットと次回のヤマケット用に小部数は残がありますので、
ご興味のある方はそちらで。

コミケの後はKIYOさんや小林治さんたちと
ドキィ!男だらけの大晦日焼肉食べ砲台大会ー!!を催しまして、
ひたすらに肉を食べまくっておりました。
そしてその足で、今度は野上武志打ち上げ2次会に合流。
年明けのカウントダウンを過ごして帰宅。
例年どおり、年越しそばも紅白も初詣も自分には関係ありません。
酔ったまま冷たい寝床にもぐりこんで初日の出も逃しました。
自分のためにはもう頑張らないと決めたのは、
無様な自分が嫌いなことと、
それを証明するように自分の孤独な生活の虚しさが
己への罰であるかのように感じるからで、
であれば罰を受けることが至らない己の修練としての意味を見出せるようにも思うので。
ただ、人様の力になること、喜んでもらえることには努力をしたいし、
自分が自分でいることのプラスの意味は
漫画を描ける人であることなので、
あまり執筆ができなかった昨年のようにはせず、
今年は漫画を描いて精進に努めたいです。

今年は新連載を控えています。
一部では公言していますが、
ガールズアンドパンツァーのスピンオフになります。
現在公開中の最終章には絡まないお話です。
ヤマトの連載と同じ角川グループのメディアファクトリーの
コミックフラッパー誌の編集部になります。
実はオリジナルの企画で他の出版社の編集部ともお話をしていましたが、
ヤマトの連載再開までの連載期間をイメージしている僕と、
当然の話ながら、人気があるならヤマトをさしおいての継続をという考えがあって、
そこに悩んでいるときに、
たまたま大洗での散策中にばったりお会いしたガルパンの杉Pに
「じゃあガルパン描いてよ!」と言われて、
そのまま話が転がるように進んでこうなりました。
(杉Pは2199の初期のプロデューサーの一人でもあるのです)
角川内で、この連載はヤマト再開までという編集部間の確認が取れていることも
自分にはとてもありがたいことであります。

ガルパンは楽しくて大好きなアニメではありますが、
TVの最初期から、脚本や人物描写、物語の芯に納得していない部分があって、
ではそういう部分を自分なりに照らしていく漫画にしようかなと、
準備を進めています。
とはいえ、ミリタリーの素養が根本的にないし、
戦車は門外漢なので、
親しい人たちにおすがりしながら、作っていくことになりそうです。
お正月はアニメのモニター設定を仕上げて、
春には連載をスタートするべく、歩を強めていきます。

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2017年12月25日 (月)

心はどこへ

世間様はクリスマスだ。
24日はお誘いを受けて親しい人たちと目黒の五百羅漢寺で精進料理を食べてきた。
http://rakan.or.jp/
全然クリスマス気分じゃないけれど、美味しかったし楽しかった。
自分は茶道の茶会で懐石料理をいただく機会は多いけれど、精進料理は初めて。
この数ヶ月、ずーっと仕事に追われていて、
Instagramの更新がやっとという状況だったので、
息抜きのできた時間だった。
年内まだまだ仕事は山積しているので、引き続きがんばろう。

NHK-FMでクリスマスPOPSの企画で曲がかかっていた。
聴いていて、男性グループのダンサブルなものの歌詞って、
ベタベタとロマンチックなシチュエーションを男っぽく語るばかり。
ああ、女性の夢や憧れに訴えているだけなのね。
女性歌手は女性の理想や心情を語るばかり。
日本って 男 の 心 の た め の 歌 はどこへいったんだ?
男性グループの歌うベタベタなバラードも、
歌詞は俺様的な立ち位置から女性に向けて、
オマエのことが一番だって想ってやってる優しい俺(でもそれは俺がエライから)
って心の底では意地の悪いナルシズムに満ちた馬鹿男の浅はかさ全開。
男の歌ってこんなに独善的で他者に対して汚らしいエゴをなすりつけるものなのか?
番組の最後にかかった桑田佳祐の「白い恋人たち」はさすがに大人の歌詞で、
桑田は別に好きじゃないけど、姦夫姦婦へ向けた商売臭い甘い歌より100万倍はまし。
歌は、人生の伴走者だと思うので、なんだか虚しい。

来週末はコミックマーケット93だ。
年末だ。
僕は31日の日曜日、東4ホールの ヤ-54a で参加。
新刊を出す予定。
この数年のイラストをいくつか選んで補筆し、
原画とほぼ同サイズで収めたA4判フルカラーイラスト集。Ad1
KIYOCLUBで描いた、魔法使いサリーなども収録。
その冊子には、特製付録も同梱。
というか付録のためにいささか高価になってしまった。
蓄光印刷を用いて夜間でも発行する丸メーターのステッカー。
貼り直しのできる糊を使用しているので、
冷蔵庫とかノートPCに貼って楽しんで貰えたらいいなと思う。
https://gyazo.com/92f57f6b897e53e378e2bfdb51dc01b6

他にもいくつか寄稿などしている。
最近おなじみのKIYOCLUB(30 日 東と-11a)の新刊2種類のどちらにも参加している。
一つは横山光輝本。
もう一つはエロマンガ先生本で、
後者は緊急特命編集長をいつのまにか仰せつかっていたのはいいが、
エロかわいい小動物のような妹本を作ろうと思っていたのに、
集まってくる原稿が重量級のオッサン臭漂うくどいエロスにまみれていて、
下克上的に編集コンセプトの転換を迫られる結果に…orz

よしぞうおねえさまの伊太利堂(31日 東V11a )で発刊する
斎木先生の「フランス戦車本」にも寄稿。
こちらは本文掲載だけでなく、
コミケ会場での購入者特典にもイラストを採用していただいている。

そしてサークル甲冑娘(30 土 東A-74a)の
「激突!女子高生お色気戦車軍団10巻」へ寄稿。
以下は、ザクッと塗って、細部を整えていく前のもの。
https://gyazo.com/f666cd33c3ea15bca7b2f7af3465071e

最近の僕の彩色の方法は
ラフ画に大まかな彩色をして色調や大きなタッチをつけ、
それを清書した線画の上にどっこいしょって拡大して乗せてしまう。
それでちまちました筆先で見失うような大きな筆さばきを維持したり、
大胆な色使いを残して、詳細を仕上げる。
だからこの絵でもレイヤーは背景を入れて5枚。
しかも凄く早いw 
そしてパーツわけを細かく気にする絵にしていないことを利用し、
境界での混色などそういう偶然性の遊びをどんどん入れる。
アクリル絵の具で塗っていた時の感覚に近づけつつ、
細部を整えたあとで、効果を足していく方法。
解像度600dpiで塗ると、
どうしても相対的にブラシの筆先が小さくなってしまうので、
この拡大どっこいしょ方式はそうした筆先の大きい使い方が生きてくる。
デジタルゆえに出来る発想でやってみた、今の僕の彩色方法。

ガルパン最終章の上映がスタートしている。
僕は試写会で観た。すごく楽しい作品になっていた。
でも疑問や不満も散見されて、少々複雑な気持ち。
まず、戦車戦を前提にしたゆえに音響が試写室では大失敗してて、がっかりした。
戦車砲の音は低域の成分が多く、その迫力は左右の振り分けではなく、センターに定位される。
そこを強調しようとすると、必然的に真ん中の音が強くなる。
結果、OPの歌のボーカルが左右にある楽奏より前に出過ぎて、
気持ち悪いほど前にきてしまっていた。
まるで演歌歌手が目の前で歌謡ショーやっているようなクドさ。
OPの問題は、もう少しミックスダビングの段階でボーカルの成分を減らして
オケを前にこさせる配分があってしかるべきだろう。
前代未聞の酷いステレオ感だったよ。人生50年で最悪レベルのもの。
これが歌のレコードエンジニアの立場だったら逆上か号泣の酷さだ。
スケジュールの厳しさから、音響デザインで配慮を欠いてしまったのかな?
本当に驚いた。
そしてお話に関して。
大洗の面々がとった行動は悪手であって正義ではない。
それを認めるのではなく、反省がなくては、世の汚ならしい大人の馴れ合いと同じだなと思う。
ガルパンって、そもそものTVが高校廃校を阻む理由から、
生徒会が生徒をだましたり強制したりしてでもなんとかしようっていう悪手に出た話で、
でもそれは大儀になりえるものだったけど、
今度は一個人の便宜をはかるものだから、
それってコネとかズルとか裏で手を回すとか、替え玉受験と大差ない、
そういう汚らしい人間の馴れ合いだ。
やっぱり、戦車道ってものに劇中で基本的に芯がないからこうなるのかなぁ。
自分が正しいと信じることで、でもその実現に不正や悪手を行ったら、
それは悪の秘密結社と同じなんだよ。
この点について、苦言を言ってるのは結局僕だけで、
みんな、わーい たーのしー!なのかなぁ。目をつぶるのかなぁ。
TVの頃からガルパンの脚本の問題を述べたりはしてるけれど、
OVAを経て劇場版でやっと落ち着いたかなと思ったら、
また人間性としての存立に頓珍漢をかましてくれて、困惑してしまった。
願わくば、主人公達がそういう汚らしい手を使ったことで手酷い失敗をし、
正々堂々それを糾弾され、恥じ入り、それを悔いて
更生していく話であって欲しいな。
ハートフルタンクストーリーでこの汚さを出したのなら、
ハートフルに反省と償いをしてもらいたい。
それができれば素晴らしい最終章であり、その第1話だと思う。
この気持ちは先日お会いした総作画監督の杉本さんに話しておいた。
ともあれ、年内には今度は劇場で観たいなと思っている。

そういえば何かのファンド的なもので、
漫画家が対価と引き換えに直筆サイン入り年賀状を描くって企画を目にした。
アメリカは日本と印税や稿料のシステムと違うので、
サインや生原稿を売るのは収益の一つとして確立されてるし、認知もされている。
日本でもイベントで色紙に絵とサインを添えて売るのを見かけるようになったけど、
金くれれば年賀状描いてやるぜ的な企画を聞くと、
年始挨拶の厳かさを金目当てに摩り替えるいやらしさしか感じない。
僕は絵を商売にしているので、絵を描いて売るのは是とするが、
サインを売るのはどうかなと思う。
さらにここで気になるのは年賀状という年始の寿ぎは皆で分かち合うものであるのに、
そこに金銭要求するような商売の構図を持ち込む下品さだ。
清貧たれとは思わないが、
なんでも金がらみの商売にしてしまうのは、人品がえげつない。
人の心の持ち方が問われるのではなかろうか。

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2017年10月11日 (水)

高級オーディオと日本酒の夕べ

つい先日、特撮・アニメの歌やサントラが大好きで、
なおかつ日本酒も大好きな友達数人で
「高級オーディオと日本酒の夕べ」を楽しんできた。
というか企画してみた。

自分の過去の仕事の関係から、
オーディオメーカーのショールームや視聴室っていうものが、
意外に一般に開放されて貸してくれたりするのを知っていたので、
隣近所を意識したボリュームに気兼ねなく
好きな音楽をそういう場所で思い切り楽しむ機会を持てないかなぁと
以前から思っていた。
そもそもが、アニソンやサントラ好きな面子で飲もう!ってお話があって
その目当てのお店が秋葉原の日本酒の揃いのいい所ということで、
じゃあ、秋葉原のどこかのオーディオ視聴室を借りて、
持ち寄ったCDを高級オーディオで聞いちゃうもんね!ということに踏み出したのだった。

調べてみると、かつてと違って大手音響メーカーのショールームが
かなり減っていることが分かって淋しかったが、
それでも何軒かのショップで視聴室を貸してくれることが分かった。
でもそもそもショップは売ることを前提にした視聴室なので
いささか宣伝が絡んでしまうし、買わない者は居心地が悪かったりする。
リストに電話で問い合わせをして、こちらの思惑と日程が合致するという所を選択した。
それが㈱FALの試聴室
http://www.fal.gr.jp/index.html
秋葉原の万世橋を渡って左に入った所にあるスピーカーメーカー。
自社のスピーカーシステムを中心とした試聴室というか工房兼事務所兼視聴室。
1時間半ほどお借りして、
今回の参加メンバーは4人だから一人合計 15~20分程度の割り当てで
聴いてみたい音源を持参するという方法にしてみた。
CDのほかにPCオーディオ音源も対応可能。アナログレコードももちろんOK。
(PCオーディオは、USB端子及びライトニング端子)

僕の持ち込んだCDと演奏楽曲は以下のもの。
■宇宙海賊キャプテンハーロック ETERNAL EDITION 1&2
http://amzn.asia/fA8MlUr
1枚目2曲目の「序曲」


■黒蜥蜴 / 江戸川乱歩の陰獣 / RAMPO黛ヴァージョン サントラコレクション
http://amzn.asia/gnZwB50
富田勲作曲の「黒蜥蜴」から1曲目の松竹タイトルと2曲目の美輪明宏の歌う「黒蜥蜴の歌」
(2分10秒から)


■サンダーバード音楽集  広上淳一指揮 東京ガーデン・オーケストラ
http://amzn.asia/3lMST1L
1曲目のOPテーマ、6曲目のマーチ、24曲目の日本版主題歌


■赤毛のアン 想い出音楽館-完全版-
http://amzn.asia/5evaYCq
10曲目タイトルバックから11曲目の「きこえるかしら」TVサイズ、12曲目の前奏曲


■冬木透CONDUCTウルトラセブン
http://amzn.asia/iMxVwmY
5曲目「交響詩ウルトラセブン第1楽章」


■GALAXY EXPRESS 999 ETERNAL EDITION File No.1&2
http://amzn.asia/iGzZUWO
1枚目1曲目オープニング、2枚目2曲目「惑星メーテル」、5曲目「新たなる出発」


集まった各人の選曲で楽しみつつ、
メーカーの社長さんが自社のシステムの理解を深めてもらうための
マリンバ演奏やフラメンコの音源などもはさむ。
これも臨場感のある再生で愉しい。
黒蜥蜴はモノラル音源だったけれど、
奥行きと輪郭がはっきりして普段と違う聴き応えに驚き。
メーカーさんは冬木さんのセブンの楽曲が厚みや奥行き、録音的に優秀だと言っていた。
999の終曲はやっぱり涙ぐんでしまう。
普段聴けないような音量とハイエンドオーディオで聴くアニメサントラは最高!
(ヤマトも持っていっていたけど時間切れ)

そうして音楽を堪能した4人は、いざ日本酒飲み放題へ。
全国47都道府県の銘酒をよりどりみどり。
料理も美味しいしという、我々が密かに「K」と呼ぶ店。
(ちなみにレジにはオイラのサイン色紙が貼ってあるw)
酒盃をあおりながらもアニソンサントラ談義に花が咲く。
そこで話題になったのが、
コミュニティFM局でDJの林檎さんが受け持つ番組
「カミラジ~DJ.林檎の厨二病の部屋」。
http://fm767.net/fm/radio-program/kamiradi/
毎週繰り出される選曲の妙に唸る。
NHK-FMでもアニソン番組とか声優番組で認知はされてきたジャンルだけど、
サントラとかはまだ扱いが薄いし、
主題歌に関しても、同じ曲でもバージョンの差異と理由などまで触れていくような
探究的な考察やこだわりがない。
そういう部分の理解が林檎さんの番組の選曲に見え隠れしているところを
話題にしつつまたそれが酒を美味くする。
ということで飲み放題ゆえに酒は進み、
それぞれ終電で帰途についたのだった。

そして今週末14日はヤマト2202第三章の公開初日だ。
自分も新宿へ顔を出せたらと思っている。
そしてその日の午後にラジオ生出演が決まった。
埼玉県朝霞市を中心にしたコミュニティFMのアニメ特番。
http://fm767.net/fm/dosp/dosp-41754/
そう、実は前述のDJ林檎さんの受け持つ番組。
色々濃い内容の番組になりそう。

FM波は遠くまでの出力を持っていないけれど、
サイマルラジオでの配信もしているので、PCやスマホでも聴けるはず。
(オイラはガラケーなので)
聴き方は…
 ①インターネットにアクセスできるPCで聴く場合
 「サイマルラジオ」(http://www.simulradio.info/#kantou)にアクセス
 「すまいるエフエム」を見つけたら「放送を聴く」をクリック
 音楽再生ソフトからラジオが聴けます。
 ②スマホで聴く場合
 サイマルラジオは、インターネットにアクセスできるスマホなら聴けます。
 無料のサイマルラジオが聴けるアプリをDLして、アクセス。

ガルパンの公式コミカライズをしている友人の漫画家・才谷屋さんも一緒に出演する予定。
公開初日だし、僕はヤマトの話も少しはするかも。
初日舞台挨拶を追いかける移動中の人もいるかと思うので、
そんな合間にアニメ特番で楽しんでいただけたら嬉しいなと思う。

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2017年9月26日 (火)

Instagram始めてみた

前からやってみようと思っていたInstagramを始めた。
https://www.instagram.com/murakawa_michio/
異動前の角川の担当編集からは関係各所のOKが概ねとれていると聞いていたし、
今日が誕生日だったので、良い日かなと思って。

基本的な目論見は宇宙戦艦ヤマト2199、2202の応援で、
まぁ角川から僕の画集が出ることはないだろうし、
営利ではないし、
絵の全体を見せるのではなく、部分だけだし、
関係各位もあまりお怒りにはならないだろうとのことで。

イラストの部分とその執筆に関する注釈があるだけなので、
基本的に何かを主張したいわけではなく、
なので、コメント頂いてもあまり返事を返さない予定。

一週間に1枚くらい既存の絵を中心にアップしていくので、
このblogと並んで時折覗いていただければ嬉しいなと思うのです。

[追記]
少し誤解があるかもなので。
僕と角川との関係は良好です。
とんでもなく大変なスケジュールとか、こちらの気持ちを汲んでくれないとか、
そういうことは執筆のきったはったではありましたが、
2199のコミックはそれでも以前からずっと、2199製作委員会も含め、珍しいほど円満です。
2202が始動して、事情が色々変わってきた中で、
間に立って長い交渉をしてくれたのは角川と福井晴敏さんで、
ビジネスとして折り合いのつく道を見出していただけ、
今でもこうしてヤマトの仕事をしていることがそれを示しているものです。
先日の2202第3章試写会でお会いした福井さんと角川の編集長には、
そうした今を作っていただいたことにお礼を伝えておきました。
なので、一定の時期がきましたら、2199のコミックは再開しますよ!
それまで、お話を忘れないように、
10月は10巻に該当する部分のシナリオを書いておく予定です。

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2017年9月21日 (木)

自分の航路

不思議に忙しい。
相変わらず収入は乏しいのだが、忙しい。
まじめに貧しいのだが、自分はこれも不思議と慣れている。
それにわずかでも仕事があるので、そう儲けずとも、
一人こつこつと机に向かっているだけゆえ、出費もそうない。
そんな貧乏を心配して、
儲け話を持ちかけてくださる人もいるのだけど、
僕はそもそもお金儲けに興味がない。
「中国嫁日記」の井上純弌にも以前言ったけど、
僕が漫画や絵を描いている究極的な目的は、
友達が欲しいから。
こんな僕の絵とか言葉を理解してくれる人と巡り会えるように
そう思って描いているので、
つましく、雨風しのげる暮らしができれば、それが幸福。
描いた作品を見て人が喜んでくれるのが好き。
漫画を踏み台にしてお金とか所有とか、権威や名誉といった
井上君が求めるようなものを自分は欲してない。
もしそういうものが欲しかったら、
社長の時にもっと満たされていたはず。
でも自分と重ねられるものが何もなくて、人生で一番悲しい時間だった。
親しい友人なら知っていること。

ヤマト2199の連載も諸般の事情でしばらくお休みとなり、
身体を壊す結果になったような異常な忙しさからは解放されたけれど、
自分も若くはないし、
漫画を描く身体とリズムを維持していきたいと思う。
細かいお仕事で時間を使うばかりではなく、
自分はどこに行きたいかを見定めていかなければ。

夏からこっち、2202のモニター設定の作業を進めながら、
並行して、同作のノベライズの絵を描いていた。
第2章を試写会で見て、一番ショックだったのは
モニター表示が僕のデザインしたものとは
全然違うものに変わってしまって、
大げさで筋道の通らない形に多くがなってしまっていたこと。
あまりのことに、試写会では物語の内容が頭に入ってこなかったほど。
2202は前作と違って、細やかな考証が多くないので、
モニター設定の僕の段階で天文地理や物理化学、工業技術から組織管理まで調べ、
1つの表示に、それこそ漫画の何倍も手間と時間を費やして、
それをヤマトという作品の理解に立ってデザインをしているのに、
画面には派手なだけで意味も何もない表示が赤く点滅してる。
さすがに耐えられなくなって、
総監督には演出意図と合わないのなら、再デザインするから
せめて連絡を欲しいと告げてしまった。
大好きなヤマトへ公式に関わっているのに、自分の無力を感じる。

ノベライズの挿画もなんとか脱稿した。
皆川ゆかの文章は読んでいてとても楽しかった。
映像では汲み取れず淀んでいたものが、すっと道筋が出来て流れていく。
僕の描いた漫画のようなスタイルではなく、
堂々と2202の正道を歩む気概を感じる。
本として文芸の香りのある姿勢を感じたので、
カバー画も挿画も、昨今のラノベ風なタッチとは異なる考え方で臨んだ。
自分では頑張ってよいものに仕上げられたと思う。
大学時代からの友人の仕事に、今こうして助力できるのは嬉しい。
Fix
また、同時にこの挿画の仕事は、
スタッフとして関わりながらも抱いていた
2202という作品への自分の中の未消化な不満を
自覚とともに昇華する機会をいただけたように思う。
新しいヤマトの物語として楽しんでいるのに、
絵作りやデザインの端々に納得が出来てない。
2199のときも不満や問題を感じなかったわけではない。
前作も今作も僕は物語にはタッチする身分ではないから。
そうした気持ちに、出渕監督は、
不平や不満を口にするのではなく、
今、君は漫画を描いているのだから、
そういう手段を持つ人間は自分の筆で語ればいい。
好きなように描いていいから。
と笑顔で背中を押してくれた。
2202では今まで自分と相対化する手段を持ってなかったんだなと気づいた。
なんだかんだと自分の中でヤマトの存在はとても大きい。Novel01_00
もうすぐ第3章の試写会、そして来月の公開が控えている。
公開時にはノベライズも発売になるはず、
手にとっていただけたら、挿画を寄せている身としてはありがたい。

ヤマトの仕事の合間に
ディスクユニオンのフリーペーパー「レコードがある暮らし」からの依頼で
2頁ほど、アナログレコードとの出会いの寄稿をした。
拙作「虚数霊」のアナログ盤とオーディオを題材にしたエピソードを
担当者さんが読まれたことが依頼の発端らしい。
あのエピソードは幻冬舎版の連載時にはイメージはできていたけれど掲載できず
MF社のフラッパー誌での連載で実現できたもので、
自分でも好きなお話の一つ。
もうコミックスは在庫がなく、電子版なら読めるのかな。
「虚数霊」は未完のままなので、何かの形で続きを描きたい。
そう、虚数霊はさておき、寄稿はこのフリーペーパーのVol.3に掲載予定。
http://diskunion.net/recordlife/

ヤマト2199のコミック再開までの間、自分は何をするのか。
まずは続きの10巻のシナリオを早ければ10月には全部書いてしまうこと。
そして、どこかで漫画の仕事が出来るように、
いくつかの出版社とコンタクトを持っているところ。
前述のフラッパー誌からもお声がかかっている。
さあ、自分はどうしたい。
自分の航路は自分で決める。
それが自由業。

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