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2009年10月

2009年10月23日 (金)

いよいよ「虚数霊」新版1巻本日発売です

話題だけはついつい先行してましたが。今日やっと発売です。

Book1

単行本作業で妙なところに手をかけすぎまして、
連載原稿や旧版の原稿と今回の単行本の差異ってまるで
「まちがいさがし」じゃないの!
と言われるような感じでありますので。
比較されても楽しめます。
早速、届いた本を読んだら
連載時にはなかった誤植を1箇所見つけちゃったりしたけれど、
(版を作り直したから打ち変えたのかな?)
印刷はキレイに再現されていてひと安心。
カバー画の赤も印象的になっている。
面白かったのはデジタルとアナログの原稿の差。
今回混在しているから、よく解る。
アナログの方が情報量が多いのか線にふくよかさがある。
今、使用している原稿用紙はペンのタッチがシャープに描けるのもあろうけれど、
データ化の段階の2値化でさらに細るのだろう。
友人の米村孝一郎と話したとき、
デジタルにするとどんなにシャープに細い線を描いても
所詮は1ピクセルで、破線のようなドットになってしまう。
だから描き方の発想を変えたと言っていたけれど、
その感覚と同じものを感じる。
この差を勘案した原稿に仕上げないと。
で、線は細っているのだけど、
本文紙面はなんとも細ごました漫画で、暑苦しいなぁ。
先日、出渕裕さんと呑んだ時、「ヌキがない、コマ割りに緩急とリズムが足りない」
とご指導いただいたけど、ごもっともでございます。
読んでいると、執筆時にへろへろで手が廻らなかったスカスカなコマの頁の方が
イイカンジになっているんだもの。とほほ。

その反省に立って、現在手がけてる連載原稿は、と思えど
今回も細ごましています。描くのが大変なくらい。とほほほほ。
次回から!次回からやりますよ。
やればできる子なんだよ。多分、僕は。くすん…。

で、一部書店では書き下ろしのペーパーが同封されます。
ペーパーの配付店ですが、現在、確約いただけたのは、
○丸善お茶の水店
○コミックZIN 秋葉原店,新宿店
○ジュンク堂 コミック取り扱い全店
です。
この他にも順次増えると思います。
(例えば京都・長岡京バンビオの恵文社とか)

なお、連載原稿の脱稿後に丸善・御茶ノ水の在庫にはサインを入れる約束になってます。

Amazonでは当初予約できないなどというお話もありましたが、
なぜか今月発売のMFコミックスは全部、作者名がブランクで
名前では検索に引っかからない状況になっていました。
現在ではそれも訂正されております。

数年ぶり、漫画家として再スタートをきっての単行本です。
なんとかここまで漕ぎつけました。
また一歩ずつ進んで参ります。
漫画は1枚1枚の原稿からですので。
ということで、今夜も原稿を描きつつ。

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2009年10月19日 (月)

ヤマトの宴

まずはお忙しい中、ご参加いただいた寄稿者の皆様ありがとうございました。
楽しい時間を過ごせました。
朝まで宇宙戦艦ヤマトづくしの時間なんて、なんて幸せなんでしょう。
幹事を拝命し設営をさせていただきましたが、
宴席は幹事の手配ではなく、参加いただく人が場を作るものです。
幹事はお膳立てでしかありません。
楽しかったのは皆様のお気持ちゆえであります。

昨夜は所謂ヤマト本、この春に刊行した同人誌「YAMATO reactivate」の
打上げ謝恩会でありました。
上野不忍の畔、森鴎外の旧宅を借り切っての席。
http://www.ohgai.co.jp/
玄関先の受付を設け、参加者の皆様をお出迎え。
早めにお越しの方には天然温泉もつかっていただきながら、18時半に開宴。
冒頭は座興としてお願いをしておりました、
講談師・一龍斎春水さんをお迎えしての講談でありました。
春美さんは講談師としてのお名前で、実は森雪役の声優、麻上洋子さん。
あの頃とちっとも変わらない素敵な声と演技で
持ちネタの「ヤマト講談」や「金子みすゞ」のお話を拝聴。
みんなうっとりとした感じでありました。
今回の会場の選定は
いつか麻上さんの講談を聴く機会を持ちたいという想いと
たまたま前の仕事関係でこの鴎外の旧宅があるホテルの別室を使った折、
中庭にあるこの旧い佇まいの明治建築が宴席に利用できることを
知っていたことが結びついたのです。
日本家屋のしっとりとした落ち着きの中で、麻上さんの話芸を皆で聴くなんて素敵だなぁと。
幸い、麻上さんに出演をご快諾いただき、夢心地の時間が持てました。
そして、麻上さんの乾杯のご発声で酒宴になだれ込む。
(森雪の乾杯なんて、至福!)
あとは酒池肉林。
お料理もお酒も美味しいし、
お友達に作っていただいた「ツボ押しデスラー機雷」も好評。
ヤマトの絵をあしらったケーキも凄い再現で、その職人技に感嘆の声。
あれよあれよと時間は大オーバーで、
でも会場の方からは「気になさらずに」とのお言葉いただき、
ヤマトファンの大先輩・小牧"アニメック”雅伸さんの中〆で散会となりました。

続く二次会にはローレライのH監督も参加されて、またひたすらヤマト話。
A監督にはエヴァ破のマリの最初のプラグスーツは
ガミラスのスーツが元ネタですよねと尋ねたら
「あれは貞本の趣味」という貴重な証言もいただいたりして。
ちなみにA監督へ謹呈したヤマト本には麻上さんのサインを貰ってありました。へへへ。

そうして帰途についた頃には空は朝焼けでした。
朝焼けって久しぶりに空を仰いで見たのですが、
夕焼けと違うのは色よりも音。
風景がまだ寝静まっているこの静かさが不思議に静謐な空間を作っていて
昔、出張先の福島の山村で朝から散歩をしていて
自分の心臓の音しか聞こえない瞬間を体験したことを思い出しました。

麻上さんをお迎えして、控室でお話していたのですが、
僕らがヤマトと出会ったのは、あの時代がもっていた特有の
TVやラジオや文芸などとの濃密な関係を築ける
幸せな向き合いかたができたからだと思います。
娯楽とか少なくて、
僕らは一生懸命、ヤマトを見た。
作り手も作品のむこうに視聴者を描いて気概を持てた。
今は、大学生が集まっての飲み会で
みんな携帯をいじっていて会話すらない異様な姿を見かけます。
それはそれで幸福感や充足がどこかにあるのでしょうが、
僕らは朝までヤマトを語り合える、その幸福感を持っています。
ヤマトがあったから、今こうしている。
あの作品と出会っていなければ、違う自分になっていた。
そんなことを感じました。

ともあれ、幹事として頑張りましたが少々不十分な所もあり、恐縮です。
楽しい時間を過ごせましたのは
皆様のお心づかいのお蔭です。
麻上さんからもメッセージがまいっております。
******************
もう、昨日になってしまいましたが、
素晴らしいひと時をいただき、
ありがとうございました。
お洒落な会場、良いお客様、
私の新作講談を聞いて頂けて、感謝です。
皆様のお心に、どのように伝わったか心配ですが・・

とても心のこもった開催に、皆様のお人柄が偲ばれて、素敵な会だと感じました。
お役に立てていたら幸せです。
ありがとうございました。

また何時の日にか、巡り会えますように!!
お体、御大切にお過ごしくださいませ。
******************
で、あります。

ありがとうございました。

画像がないのは、デジカメを会場に忘れてきちゃったのです。 バカネ!orz

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2009年10月12日 (月)

「虚数霊」第1巻は10月23日発売です

郵便事故かなにかで未着だった今月号のフラッパーが
別途に編集部からの宅配便で届いたので手にとると、
オイラの単行本の宣伝がカバー画とともに載っているではありませんか。
ということで、もうオープンにしてもいいよね
と、判断して公開いたしまする。

Cover4

以前にも触れましたが、
肌色面積だけが漫画単行本の表紙画のウリじゃないだろ!
という発想から、こういう仕掛けにしました。
例によってなんちゃってパースで描いたから、
MF社の社長様から「パースが狂っとる」という熱いご指摘を受けて
部分修正でパースを取り繕いましたが、
(エッチな絵だからじゃないんだからね!)
担当氏からはなんだか雰囲気変わっちゃったねという感想をいただきました。
それはつまり僕は正しい構図やパースは二の次に
「見た印象」を優先で絵を描いているのでそうなるのでしょうね。
メアリー・ブレア展を観た時にも思いましたが
絵とはつくづく心の印象で描くものでありますね。

パースに重きをおくことが絵の印象に重要なら
僕もちゃんとパースをとりますよ。念のため。

ちなみに今回のカバー画で唯一流行を追ったというのも肌色。
島田フミカネさんの使っている肌色をピックして使ってみました。
いや、そんなこと判らない人が殆どでしょうが、
自分的なこだわりなのね。
ああいうカワイイ絵を描ける人にあやかりたいのですよ。

あっ、発売は今月23日予定であります。
今抱えている連載の原稿が済んだら、
丸善御茶ノ水店さんを始め、一部書店さんには
ペーパーを付けたいと思っております。

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2009年10月 5日 (月)

月の宴

昨夜は環望ちゃんのフラッパーでの連載、
「Dance in the Vampire Bund」のアニメ化を祝して
仲間が集ってゴハン会。
幹事さんが予約したお店はなかなかに凝った装いの店だったので、
http://r.gnavi.co.jp/g600164/
スーツに蝶ネクタイで出かけたら、
幹事さん以外はみんないつもの格好でやんの。(くぅぅ)
普段、幹事が染み付いちゃっている僕は
やっぱり幹事寄りに気持ちが働いて
その趣向を叶えるよう動いちゃうのだろうな。
(というかお客様になりきれません…)

環望ちゃんは漫画家としてもう20年選手。
高校の頃、僕に「自分は漫画家になる」と
夢というより目標として信念を語り、それを実現させた。
そしてなによりこの商売を続けてきたことの重さへ
このアニメ化は勲章のように感じる。

漫画家という商売のこれまでの収益性と利益構造というものが
ほぼ破綻したと言っていい時代になって、
この仕事を長く続けるために
多くの仲間が試行錯誤を繰り返してその術を探している。
それはPCで作業を軽減化させることだったり、
アウトソーシング費用とアウトプットする原稿量のバランス調整だったり、
自主的な海外への展開だったり、
同人誌との連携やwebでの連載だったり、携帯配信だったり。
(批判されたり失敗した事例もある)
漫画家は個人商店で、組織としての強さを持つところは極めて少ない。
事業主としてのスキルも情報も乏しい環境にあり、
とても弱い存在だ。
取引先である出版社等との良好なパートナーシップは欠かせない。
昨年の雷句さんの一件のように、
業界を見渡すと必ずしもそれは上手くはいっていないし、
僕も幻冬舎には不信をもたざるをえない対応をされたけれど、
それでも丁々発止だろうと渡り合っていく力と実績を備えて
事業パートナーとしての位置を作っていく意識も
弱い個人だからこそ、こちらも持たないといけない。
自作のアニメ化はそのパートナーがあって初めて実現することだし、
漫画家自身の積み上げと意識があればこそ
もたらされる機会に自分の仕事への付加価値を見出せる。
意識なきまま受け入れれば、いずれ季節は通りすぎて
手元の収穫など僅かで終わるのは、
ぬか喜びしたあげく、その後泣かず飛ばずの漫画家に見てとれる。
アニメ化が勲章と僕は例えたけれど、
環望はきっとそれを橋頭堡に明日を作っていくだろう。
困難はあろうとも、昨夜集まったような仲間もいる。
彼の勲章って本当はそういう周囲の存在なんだろうと思う。

17時から始まって、しこたま飲んで食べて、帰りは山手線の終電だった。
地下鉄はすでに終わっていて
西日暮里から歩く僕の背中には中秋の名月。
雲の切れ間に妖しくも神々しい。
ヴァンパイアと狼男の宴にはなかなかに良い晩ではないか。
そこまでは気づいていなかった。
幹事さん、旨い。

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