« 単行本作業完了 | トップページ | 「虚数霊」第1巻は10月23日発売です »

2009年10月 5日 (月)

月の宴

昨夜は環望ちゃんのフラッパーでの連載、
「Dance in the Vampire Bund」のアニメ化を祝して
仲間が集ってゴハン会。
幹事さんが予約したお店はなかなかに凝った装いの店だったので、
http://r.gnavi.co.jp/g600164/
スーツに蝶ネクタイで出かけたら、
幹事さん以外はみんないつもの格好でやんの。(くぅぅ)
普段、幹事が染み付いちゃっている僕は
やっぱり幹事寄りに気持ちが働いて
その趣向を叶えるよう動いちゃうのだろうな。
(というかお客様になりきれません…)

環望ちゃんは漫画家としてもう20年選手。
高校の頃、僕に「自分は漫画家になる」と
夢というより目標として信念を語り、それを実現させた。
そしてなによりこの商売を続けてきたことの重さへ
このアニメ化は勲章のように感じる。

漫画家という商売のこれまでの収益性と利益構造というものが
ほぼ破綻したと言っていい時代になって、
この仕事を長く続けるために
多くの仲間が試行錯誤を繰り返してその術を探している。
それはPCで作業を軽減化させることだったり、
アウトソーシング費用とアウトプットする原稿量のバランス調整だったり、
自主的な海外への展開だったり、
同人誌との連携やwebでの連載だったり、携帯配信だったり。
(批判されたり失敗した事例もある)
漫画家は個人商店で、組織としての強さを持つところは極めて少ない。
事業主としてのスキルも情報も乏しい環境にあり、
とても弱い存在だ。
取引先である出版社等との良好なパートナーシップは欠かせない。
昨年の雷句さんの一件のように、
業界を見渡すと必ずしもそれは上手くはいっていないし、
僕も幻冬舎には不信をもたざるをえない対応をされたけれど、
それでも丁々発止だろうと渡り合っていく力と実績を備えて
事業パートナーとしての位置を作っていく意識も
弱い個人だからこそ、こちらも持たないといけない。
自作のアニメ化はそのパートナーがあって初めて実現することだし、
漫画家自身の積み上げと意識があればこそ
もたらされる機会に自分の仕事への付加価値を見出せる。
意識なきまま受け入れれば、いずれ季節は通りすぎて
手元の収穫など僅かで終わるのは、
ぬか喜びしたあげく、その後泣かず飛ばずの漫画家に見てとれる。
アニメ化が勲章と僕は例えたけれど、
環望はきっとそれを橋頭堡に明日を作っていくだろう。
困難はあろうとも、昨夜集まったような仲間もいる。
彼の勲章って本当はそういう周囲の存在なんだろうと思う。

17時から始まって、しこたま飲んで食べて、帰りは山手線の終電だった。
地下鉄はすでに終わっていて
西日暮里から歩く僕の背中には中秋の名月。
雲の切れ間に妖しくも神々しい。
ヴァンパイアと狼男の宴にはなかなかに良い晩ではないか。
そこまでは気づいていなかった。
幹事さん、旨い。

|

« 単行本作業完了 | トップページ | 「虚数霊」第1巻は10月23日発売です »