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2010年10月

2010年10月20日 (水)

半袖ですごす

今月の初めのことを少々振り返りつつ。
連載の原稿を脱稿して、数日は少しゆったりとして
家のことをしてみたり、友人との会食を楽しんだ。
皆河有伽と大きな目論見の話をしたり、
友人とBarger Kingでワッパーのお代わりをしてみたり、ジンギスカン鍋を囲んだり、
村田蓮爾ちゃんちで本の編集作業をしてみたり、
あびゅうきょ先生と松田未来さんからアメリカのエアレースの土産話を聞いたりしもした。
半袖で出かける10月の初めは、とても気持ちがいい。
周囲を見渡せばもう長袖をまとった姿があるのだけれど、
僕はこの風の抜ける薄着の心地よさを楽しんでいる。
夏は半袖で暑さをやり過ごす季節であって、けっしてその短い袖を楽しむ季節ではない。
いまこそがその時。

再び連載原稿に追われる今も、
時折、仕事の手をとめて、Tシャツのままで購入したてのコミックスを読んだりする。
窓からの風が冷たくて落ち着く。
「君に届け」の12巻をアニメのサントラを流しながら読み進める。
この巻は大きな物語の展開はないけれど、
積み上げてきたキャラクターの個性が活かされた話はとても巧みで素直で嫌味がない。
台詞の切り替えしや表情など上手いなぁと思う。
episode49の扉絵も滋味深い絵で、派手さはないけれど心に染みた。
椎名軽穂は絵も上手くなっていると思う。
以前より線のコントロールが堂に入った確実な意思を感じる。デッサンも堅実だ。
ただ少し気になっているのは、その上達が必ずしも作品の魅力に貢献しているかというと、
ちょっと違う印象を持ってしまうこと。
9巻くらいからなのだけれど、主人公・爽子の目や顔のバランスが変わってしまって、
簡単に言えば、「可愛く」なってしまった。
目が大きく描かれ、目元の睫毛は多く長く、
そして鼻とのバランスが縮まって、面長から、幼児的な丸顔へと流れている。
手馴れた線描も人物の精神性をより外向的に強いものへと変化させている気がする。
主人公も大きな精神的なステージを迎えて、そこでのドラマから求められるゆえ、
キャラの表情を変える演出があるのかもと思うけれど
風早しか気づかなかった爽子の内的な魅力を体現したような
素朴で飾らない表情の良さとは違ってきてしまっているのは、
少し残念でならない。
ちょうど封切りになった映画版のヒロインを演じた多部未華子に絵の表情が似てきているというのは、
偶然なのかもしれないが、そこはちょっと面白いのだけれど。
くしくも某アニメの劇場版のからみで配信されたスタッフコメントの映像から、
『○○君は「君に届け」の絵コンテを描いていて来れない』という内容の発言がでてしまって、
アニメの2期が動いていることが判明してしまったが、
先日オフィシャルにも2期が1月スタートであることが発表された。
できれば1期にあった表情の素朴さ活かしたキャラの造作で進めて欲しいなと思う。
ともあれ、12巻は夏休みに入る季節のエピソードで、
誰もが半袖に腕を通して涼やかで、秋の夜更けに楽しむには似合っていた。
もう下旬にさしかかり、11月も目の前だけど、僕は来月半ばくらいまではアロハシャツで過ごしている。
僕にとっての半袖の季節はまだもう少し続く。

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