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2010年11月 9日 (火)

チキチキマシンと金ピカ狼とそして

5日は夜にMF社の漫画賞小説賞の式典があったので
それにかこつけて午後から映画を二本ハシゴしてみた。
どちらも新宿のバルト9。
大黒屋でチケットを購入してから劇場窓口へ。

まずは「REDLINE」。http://red-line.jp/index.html
なんだかお客さんの入りが悪くて公開規模が縮小し続けているのに
周囲では好評価なこの作品。
高評価ではなく好評価。
なんとか間に合ったーという感じでやっと鑑賞にこぎ着けた。
お話は「チキチキマシン猛レース」だと言えば分かりやすい。
ただもうちょっとドラマがあって、
そのドラマはちょっと喰い足りなくて、
ユニークなキャラがたくさん出てくるけど、そいつの掘り下げも好い加減。
でもそんなことお構いなしでオバカにブッ飛ばしていく感じで痛快。
難しいことをいったら野暮ってものだろう。
キムタクの演技もなかなかに良い。
(ヤマトの予告編では下手糞なんだけど)
蒼井優の声も甘くて可愛いし、浅野忠信もダミ声も印象的。
青野武さんや郷里大輔さんの元気な声も聞けて嬉しく寂しい。
音楽もカッコイイ!!(僕の趣味じゃないからCDは買わないけど)
そしてやっぱり画面の力が凄い。
描線にも動画の演技にも、意思がみなぎっている。
CGじゃ出来ない、人間の思い描くイメージに根性入れた絵じゃないと出来ない
そんな力がある。
それはもう快感の世界。
劇場に何回も通いたくなる。
BDでソフト化されたら絶対買いの1枚になるだろう。
満足満足。

でそのまま10分のラグで9階から11階に上がって
「牙狼~REDREQUIEM~」(3D)を観る。http://www.garo-3dmovie.jp/index.html
で、全然つまんない。どこを見ても楽しめるところが僕にはなかった。
3Dも中途半端で、奥行きや立体感というよりレイヤーって表現が多いし、
どうやらシーンごとの3D感を変えているみたいに見えるんだけど、
その違いもかえって中途半端さにつながってしまっている感じ。
そもそも平常時と戦闘時・異空間のシーンが小刻みに入るのだから
こちょこちょ変えてたら、混乱するだけ。
殺陣は頑張っているけど、3D感を感じるようなカメラワークにはなっていない。
だけど効果などCGで作った部分だけ妙に立体感があるし、とにかくバランスが悪い。
これが最初から3D上映を目論見で撮られたものなのかと
驚くというか稚拙さにガッカリ。
あとXpanDの3D眼鏡のせいで、画面の色が全部灰色に濁る。
「アバター」を見た109シネマズ川崎のIMAX3D方式では
こんな濁りはなかったので、本当に酷い。
3D方式の違いでフィルムプリントを調整したほうがいいと思う。
お話も弱い。映画的なスケール感もないし、深みもない、演出の大きさも感じられない。
TVのブローアップ的な作劇と演出は本当に陳腐で醍醐味がない。
TVシリーズが好きな人はそれでいいのかもしれないけど、
劇場で開かれる本懐や発展みたいなものはない。
ロケーションも安っぽい。
なんか最近の仮面ライダーのロケ現場と似たような感じの場所ばかり。
ドラマも薄い。人物設計も薄っぺらで心象もあっさり単純。
キャラが泣こうが怒ろうが、ぽかーんとしらけてしまう。
設定も唐突で陳腐な上に、ドラマに活かされてもいない。
最後の対決も実写人物とCGモデル、実写素材とCG背景の馴染みがもう安っぽくって、薄っぺら。
観ていてげんなりしてしまった。
役者は主役ガロの小西遼生は頑張っていたと思う。
松山メアリは身体が動くだけで、演技は情感がない。
原紗央莉は下手糞な上に、ウエストが太くて裸身に鈍重感があるから、
闘う敵役としての神経質さとかキレみたいなものが、身体的に表現できてなかった。
(というか線の太い裸身が僕は苦手なだけ)
斎藤洋介は以前よりもろれつが悪くなって、何を喋っているか分からない。
とにかく劇場で観るに値しない作品。
VHSビデオで十分。
十分でももう観たくない。
プリキュアを観に行けば良かった。

その後、副都心線にのって渋谷に赴き、MF社の新人賞式典へ。
席としてはとても楽しい。
挨拶に登壇される方々のスピーチは
新人を叱咤する内容がほぼ恒例というか伝統になった感じで、
業界に入ってくる受賞者に皆んな厳しい現実と研鑽を呼びかける。
今回は友人の神野オキナさん、環望ちゃんも壇上に立ったが、
漫画家・環望の言葉は同業者としてズシンとくる良い話だった。
二次会にもいそいそ参加したのだけれど、
タバコの煙をよけてちょっと席をはずしたら、
お酒を飲んだ酔いもあって悪い癖が出て、
周囲で和気藹々の会話の中に入っていくタイミングが見つけられなくなり、
居場所がなくなってしまい、
貸切の店の隅で一人ぽつねんとお酒をすする時間になってしまった。
とにかく人に声をかけられない。
会話に入るときの自分の存在の違和感が苦しすぎて、
場を濁す自分が情けなくて、縮こまることしかできない。
僕が入らないことで、会話のノリも乱されず、皆楽しく過ごせるならいいか。
ならば一人でニコニコお酒を飲んでいればいいんだ。
みたいなことばかり考えていた。
そんな僕を見かねてか
柳原望先生が声をかけてくれて少しお話をしてくれた。
このblogも読んでいると、本当にありがたい気遣いをもらって、
内心泣きそうに嬉しかった。
それだけでもう本当に良い夜だった。

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