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2011年1月13日 (木)

七転八倒なれど脱稿

昨夕、なんとかかんとか短編漫画を脱稿。ふぅ。
年末からかかって、正月なしになってしまった仕事が済んだ。
「ストライクウィッチーズ コミックアラカルト2」は2月下旬発売。

〆切日の朝、前の夜のうちに線画も総て出来あがって、
本格的なトーン作業に入るべく、アシスタントさんをいつもより1時間早く呼んで、
メイン、サブのPCを立ち上げて、その到着を待つばかりという時だった。
突然、家の電源が落ちる。
はて?ブレーカーが落ちるような電気の使い方はしていないのになと、
居間のサブPCを立ち上げなおして、自室のメインマシンの電源ボタンを押したら、
亡くなっていた。
昨夜まで(というか4時間前)あんなに元気だったのにっと
DELLのFAQが推奨する復帰の方法を複数試したが、冷たくなったPCは微動だにしない。
サポートに電話をかけて待つこと30分、やっと繋がった電話の相手は
「保障期間中ですし、回収修理いたしまーす」と明るく耳元で告げてくれた。
「明日、佐川便で伺いますけど、よろしいですかぁ」
あ~、明日は大丈夫ですよ、今日が〆切でダメなだけで。はははは。
(でもDELLのサポートは経験的にけっこう助かってる)
電話の呼び出し待ちの間に到着したアシさんが心配そうな顔をしているし、
今日の作業はマシン2台で夕方に完成という工程で組んであったから、
このままでは完成なんてできないって状況になっているのは判る。
この時点で朝の9時30分。
そこでぐるっと頭の中を一周見回して、
僕のデジタル漫画の師匠に電話をかける。
「たすけて、ドラえもん!」っと開口一番発した相手は野上武志さん。
彼の連載原稿の日程的には、月半ばはスタジオでPCを扱う作業は少ないはずなので、
「虚数霊」のフィニッシュで時折しているように
お借りできないか相談してみる。
野上さんのスタジオは乗継ぎが上手くいけば、ドアトゥドアで30数分で行ける距離。
作業する時間確保からロスが一番少ないし、僕自身が作業環境に慣れている。
そんな僕の勝手なお願いに、野上さんは快諾をしてくれる。

漫画を描くときいつもそうだけど、
今回ことさらに思ったのは、一人でこつこつ描いている様でいて、
実は多くの人の気持ちに支えられ、助けられていること。
作品を創るって、孤独で、身も心も削るようだし、
時折無神経にそういう心に追い討ちをかけるような事象もある。(風邪とかもね)
でも仲間の力添えに救われる。
凹みそうになる僕を心配して励ましや導きの電話やメールをくれた友人や読者さんの存在。
野上さんは今回の緊急のヘルプだけでなく、予め、SWの資料を貸してくれた。
長谷川竹光さんは、僕のネームに描かれたパースに合わせ、
自作の戦艦大和の3Dモデリングデータを参考にと送ってくれた。
深夜作業のフィニッシュの突然の依頼を引き受けてくれた海産物さん。
PC昇天のドタバタでも粛々と質の高い作業をこなしてくれた アシさん。
そういう厚意から僕の漫画はできている。
以前にも触れたけれど、ストライクウィッチーズは
考証や脚本に関っている友人の鈴木貴昭さんがとても大切にしている作品だ。
大勢の人が関るのがアニメだから、必ずしも彼の思惑通りではないことや物はあるんだろうけれど、
それでも身を削って作品を大きく育てようと愛情を注いでいるし、
そういう想いに、友人としては力添えがしたいと思う。
僕のできることは漫画しかないのだけれど、
漫画を描くときに支えてくれる皆んなの厚意に応える方法の一つとして、
漫画に関る何かで、創り手である誰かの気持ちを同じように想って上げたい。
「なんで、むらかわみちおがストパンなの?」って印象の人もきっと読者にはいると思うけど、
キャラの誰が好きとかパンツとかミリタリとかの前に
理由はそんなところにある。

野上さんのスタジオに到着する直前に
角川の編集部に状況を電話で説明する。
「はぁそうですか」といういささか緊張感のない対応を受けつつ、
連絡はメールなどではなく、携帯電話あてにということや
野上さんのメールアドレスからデータ入稿することになろうことを説明する。
到着後に作業を始め、
当初の入稿予定の18時を越えても編集部からの電話はなし。
こちらは1時間少々遅れて完成。
PCトラブルのロス時間が加算された感じ。
データを仕立てて、野上さんからメールで送信してもらっている間に、
お待たせした詫びと、データの確認をお願いしようと編集部に電話をしたら、
「担当はでかけています」だって。
そのあと自分の仕事を終えた野上さんたちと、遅まきながらの新年会を催したのだけれど、
担当編集者から落手の電話はとうとう無かった。
今回の仕事は編集者と一緒に仕事をしているという感覚が一番なかったな…。

「虚数霊」の連載はいよいよ大詰めなんだけれど、
まだ何にもしてない。
ぼやーっとしたイメージを取りまとめると
やけに沈静したお話になってしまうので、
そこをひねるポイントを模索している。
時間は刻々と過ぎているけれど、今日は休みをとろうと思う。
せめて年賀状をなんとかしたいんだ。
あ、でも賀状のイラストは壊れたPCに…。

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