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2011年3月19日 (土)

アイスを買いに

終わらない地震の片づけにも飽き、夕食を済ませて、
アイスクリームでも買おうと家を出たら
停電のせいか、冷凍ものは店舗から消えている感じで、
捜しつつふらふらと駅前まで出てしまったものだから、
そのまま、行きつけの小料理屋に顔を出してしまった。
漫画を描いているとお酒は一切口にしないし、
懐に余裕があるわけでもないので、今では年に何回もいけないけれど、
地震のこともあり心配だったから、数ヶ月ぶりに覗いてみた。
時節柄、地震の話題などを常連さんとしつつ、
芋焼酎を2、3杯(いや4杯5杯?)いただく。
警察の放水車が放射線被爆の恐れから距離を近づけず、水が届かなかった
という話題になったら、
お隣の席のおとうさん(工事会社経営)が、
「根性が足りない」
「決死隊を募って突入する根性もないのか」
「情けない奴らだ」
とか言い始めたので、
「死ね」と命令する上官など間違っている
現場の人は皆、精一杯頑張っているし情けないことなんてないと
丁寧に全部否定してあげたら、
「上官の命令を無視してでも国難に身を捧げるのが男だ」
「俺の若い頃の男はみんなそういう魂をもって戦争に臨んだ」とロマンを語られるので
他に方法があるうちにわざわざ身を捧げる意味なんてないし
そういう思想は組織を統率する人間として狂ってると
丁寧にお話したら
怒りだして、店を出て行ってしまった。
命をかけてなにかをやり遂げる覚悟ってものを否定したいのではない。
現場で死と隣りあわせで活動している人を
安全な場所から酒とタバコをやりながら情けない奴と罵倒し
国のために死ねと放言する肥ったオヤジを
僕は最悪だと思うので、つい…。
仮にも常連さんを出て行かせてしまい、お店のママさんに詫びたら
「あの人はいつも興奮するとああだから」
と他のお客さんの防波堤と言うか、応対した僕をねぎらってくれた。
なんだか死んだ父親と言っていることが同じなので(年齢も近い)
いささか「ちゃんと」言い過ぎたかもしれない。
いかんいかん。
ママさんは
「だったら自分が決死隊で行けばいいのよ」
「戦争で死んだ人のお陰でのうのうと歳をとっていてよく言う」
とつぶやかれて、人生の先輩の言葉にまた頭が下がる。
(ちなみにママさんの出身は福島県相馬市)
件のおとうさんも酔って勢いがつかなければ困った人でもないので、
花見のときに会ったら、また笑って盃を酌み交わせるだろう。

店の隅に『コミック・アーススター』の創刊号があったので
http://comic-earthstar.jp/
いよいよ発刊かと手にとって眺めてみた。
読んでいて編集方針的に色々と気になるところもあり、
その辺りを常連さんと話題にしていたところへ、
当該誌の編集長さんが顔をだしたので、
そのまま午前3時まで話し込むことに。
(アイスを買うつもりだったのだがっ)

なぜ漫画誌の創刊号が声優ユニットの表紙なのか。
雑誌の柱はいったいどう考えてるのか。
この先をどうしていきたいのか。
他にも各掲載作品のスタンスや表現についての疑問や不満などを
ぶつけてみた。
(もともと飲み仲間なので無礼講)
まぁその疑問への回答はここでは触れないでおくけれど、
編集長としての気概だとか、仕事への目線、作家への姿勢は
意思と信念と目標がしっかりしていて、
以前聞いていたものより全然すっきりと定まっていた。
その中で色々判断をして進んできたことも
彼の考えとしてはぶれてなかった。
漫画のことは詳しくない人なんだけれど、
その芯は職業人としては首肯できるものだったので、安心した。
「毎号が勝負」「ここからどんどん良くしたい」と
それまでのキャリアとは異なる仕事なれど
その大きな楕円軌道をイメージしつつ商機を狙っていた。
漫画家としては
僕が描かなかろうと、漫画を描く場をこの出版不況のご時勢に設けてくれることは
大変ありがたいことで
成功を願っているし、友達として協力もしますと気持ちを伝えた。
編集長は僕が紹介した(ことになっているらしい)
お友達の女性漫画家さんの予定されている新連載にとても期待していて、
僕もたまたまお話の内容を知っていたから
彼女の作家性を生かして物語を飛躍させるアイディアなどを
二人であれこれ楽しく話し合った。
まだまだ隙のある雑誌だけれど
ゆえに伸びシロがあるとも言える。
色んなことがしたいと話していたので、期待をしていきたい。

オイラも描かせて貰えたら短編を描きたいな。



追:11日の日記に追記をしました。

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