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2011年6月15日 (水)

ハズレ2本

近所の映画館が14日は1000円DAYということで、夕方から突進してきた。
もちろん仕事にキリがついたからである。
今回も微妙の呼び声高い邦画2本立てというコース。
ああ、でも最初に言ってしまうけど、ハズレだよ。
今年はそんなに映画観てないのに、こうも立て続けに地雷を踏むとは。
信じてないけど神様の意地悪。
映画は「GANTZ:Parfect answerhttp://www.gantz-movie.com/perfect-answer/
と「プリンセス トヨトミhttp://www.princess-toyotomi.com/
もうGANTZは終映だけど、どっちも皆んな観ちゃらめぇ!!!!!
1000円でも大後悔なんだから。

で、「GANTZ」の感想。
前編が原作のエピソードを上手く入れながら、独自の人間像を深め、
特撮もチープさが目立つ邦画の体たらくからは一線を画す出来で、
とても好印象だったのだけど、後編はだめだ。
原作から離れたオリジナルの展開が悪いとは思わないけれど、
今回は人物描写がどれも未消化。
山田孝之演じる、主人公たちGANTZの徒を追う男も、
結局はドラマに主体的に絡めないままで空振り。
伊藤歩演じるトップモデルも人間的な軸が覚醒後も曖昧。
吉高由里子の多恵も絵を描くという行為や履歴が印象的にドラマに結びつくには不十分。
「千手だ」って確信めいてつぶやいても実は「黒服星人」だったりするし。
黒服星人も「オマエ達が先に殺った」とか言う段階で、地球人を糾弾する裁定者の資格なんてないし、
そいつの論理を結局クロノは論破も克服もできないし。
前作でクロノが唱えた「人にはそれぞれ役割がある」っていうフレーズが
今回はまったく出てこない。
言葉にしないけれど、それを身に引き受けた苦渋の選択があれなのか、
あれが「Parfect Answer」なのか。
人の経験や記憶、そこからの想いという要素を大切にしないでロハでめでたしとは、
脚本的には随分と楽な方法をとったんだなと思う。
同じく世界を司る能力を得た「まどか☆マギカ」のまどかの選択の方が
よほど難しい橋を渡る勇気に満ちている。冒険的で野心的な姿勢が見える脚本だ。
映画人として自分の安易さが恥ずかしくないのかな。
カメラワークもアクションも特撮もかなり頑張ってるだけに脚本での惨敗感が悔やまれる。

プリンセス トヨトミ」 はTVの2時間ドラマ以下の酷い作品。
原作は未読だけど万城目さんの作品は風呂敷の広げ方が大胆かつユニークで、
それが妙にコンパクトな個人の中で動き回るこの微妙なスケール感の抑揚が楽しい。
今回も骨子はそうなんだけれど、
なんだか演出もカメラも脚本もTV的な気ぜわしいだけのこけおどしで、
映画的な風格がぜんぜんない。
ワイド画面なんだから1ショットで表現できるところを
コチョコチョ画面を意味不明にいじってカットを割って
今風なテンポでございと気取った様の浅はかさ。
ヤマト実写版でもそうだったけれど、光る死人を登場させて懐かしみ語り合う情景は
役者の演技も観客の解釈も信用しない、期待してないっていう
ダメダメでベタな馬鹿演出の典型でしょう!
しかも心情を最後にぺらぺらぺらぺら喋るのは、ドラマや行動や演技で示せてない証拠。
カメラも脚本も演出も最低だよ。
(笹野高史や中井貴一の演技は良いんだけどな)
映像的に見せ場っぽく使われるからっぽの大阪市内も特にカタルシスを感じないのは、
そこを徘徊する綾瀬はるかの演じる会計検査院の女子に存在価値が薄くて、重みがないからだ。
それに、単に人が大阪府庁へ集まっただけなのが分かるしね。
(消失でも停止でもない。ただの離席サボタージュ)
それを重く大変なことに見せることが演出なのに、
空っぽの街っていうビジョンにのみ頭がいってる感じ。
父親と息子という構図が軸の作品らしいのに、
この女子は人物設定の伏線としても心情的にもまったくドラマに絡まないのに、
中途半端に展開に関わるからお話のベクトルが散漫になってしまう。
そういう男達の外にいる女達との相関構図がもっと明確なら
女性も立場があったけど、これじゃ綾瀬は笑えないボケた迷惑女だ。
しかも結局クライマックスになにも関わらない。
もしかして原作にはいなかったんじゃないかなと思うくらい。
最近は客ひきのためにわざわざ女性キャラを儲けることがあるから。
特撮もセットも安っぽかった。
無人の大阪の合成は綺麗だったけど、そこで息がきれたのだろう。
赤いオーラの大阪城は陳腐だし、
ペカペカのセットにパカパカの照明はまるで学芸会。
まぁイメージ専行だろうけど7月の富士山はあんなに冠雪はないから!
しかも富士山のふもとの十字は意味不明。
先日、「星を追う子ども」がパチもん臭くて、志も低いって書いたけど、
こういう三流以下の作品はパチもん以下だ。
鈴木雅之っていう似非監督の映画はもう二度と観たくないし
メガホンなんてとって欲しくない。

あー、なんか口直ししないとだめだー。
やっぱり「SUPER 8」http://www.super8-movie.jp/
か「スカイライン」http://skyline-movie.jp/
か「世界侵略:ロサンゼルス決戦」http://www.worldinvasionbattlela.net/
かなぁ。全部侵略ものでゲソ!

ところで予告編で7月16日封切りのジブリの「コクリコ坂から」が流れた。
絵はゲドよりもよほどジブリだし、
手嶌葵の歌は上手くはなさそうでしかし雰囲気はある。
「上を向いて歩こう。」って書かれたいつもの筆跡が
この書体を使えばジブリ的で情緒や威光が分かるだろ的な
手垢にまみれた下らない常套手段のようで、このルーチンを尊ぶ精神が不愉快。
また、宮崎御大は少女漫画をやっぱりぜんぜん読解できないんだなと思う。
http://kokurikozaka.jp/project.html
吾朗監督は、周囲の事情で業界では有名な親父の跡を継がされた背景が僕に重なるようで
二代目の悲哀と苦悩に同情を禁じえないが、
よそで「ゲド」よりよほど立派なパチもんが作られる時代に、
いつまでもこの不自由で惨めな状況を是とせず、 迷惑な父親と腐った組織を捨てて
早く自分で自分の人生を御せる場所に帰ることを薦めたい。

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