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2011年11月19日 (土)

ヤマトとスターデルタ

昨夜は出渕監督、氷川さんの出演で「宇宙戦艦ヤマト2199」の特集が
バンダイナムコライブTVhttp://www.bandainamcolive.tv/ で配信された。
監督、風邪をひかれていたので、途中咳をしたりとお疲れを見せつつも、
でも旧作の裏話など饒舌に語ってらした。
僕も知らないような話題がいっぱいで、
あの世代の視聴者としてはとても楽しい時間をすごすことが出来た。
新作2199の話題は緘口令があって、むずむずされてる様子が分かってこれも楽しい。
それでもwebなどではまだ触れてない情報も漏れ語っているので、
そのチラ見感もまた新作への期待と話題性が募っていいなと思う。
再放送が本日19日16:30、明日15:15とあと2回だけ配信されるようなので、
見逃した人は是非。

最近、仕事の調べものをしていて、
始動器について資料を当っていた。
始動器とは簡単に言えばエンジンモーターや発電機などを
緩やかに効率よく起動する機械だ。
こうした駆動系の始動は「蹴っ飛ばし」と例えられる
(バイクではキックってのがある)
始動時に大きな力でぶん回す必要がある。
電気で言えば通常運転の倍くらいも大きな量が必要だったりする。
これを全電圧始動という。
(映画「アポロ13」でもこれに苦労してシミュレーションするシーンが印象的)
その電力量を抑えて緩やかかつ速やかに100%の稼動状態に持っていくのが
始動器(スターター)であり、
同時にそれは、機械への負担も減らすので長寿命化も実現する。
日本でこの機械を作っているメーカーは実はもう3社ほどしかなく、
そのうちの1社が電光工業という。
http://www.denkoh.com/
実はそこの社長さんとは社長時代から親しくさせていただいていて、
あとから知ったのは僕の従兄の大学のゼミの先輩で親交が深かったりと意外な縁もあった。
僕が会社を倒したときに、社員を3人も引き受けてくれたのもこの社長さんだ。
始動器の話に戻ろう。
この少ない電力で効率よく始動するっていう方法は
回路的にも試みられてきていて、
その一つがスターデルタという結線方法による始動だ。
星型と三角型に見える結線のためこう呼ばれる。
ちなみにこの方式は三相三線の交流による送電。
大電力を効率よく送るには適した方法で、
電柱など見ると電線が3本単位になってるのがわかるはず。
そこでヤマトの話に戻る。
旧作Part.1で初めて波動エンジンを稼動させるシーンだ。
駆動音が増してきたところで、島がコンタクトすると
それまでの回転音が急に減じてしまう。
古代がいきり立ち、それを沖田艦長がたしなめた途端、
エンジン音が立ち上がってくる。
この意味がずっと分からないでいたのだけれど、
これってスターデルタ始動の典型的なものだということが
始動器を調べていて判明したのだ。

Stardelta_2
図を参照すると分かるように
スターで電圧を掛け始めて回転が上がった段階でデルタに切り替える際、
一旦、通電がなくなり、回転数が落ちるのだ。
そこからデルタ結線で100%の回転まで上げていく。
つまりあのシーンは
世界中から集まった僅かなエネルギーを、効率よく波動エンジンの始動に結びつけるという
筋道がしっかりした演出だったのだ。

いやはや大人になってから分かることがあるってのもヤマトの奥深いところ。
七色星団のネーミングが七色○ンツだったってのも昨夜初めて知りましたよ!
というか自分の知っていたヤマトっていつのまにか極私的になっていたというか、
当時のクリエイターが沢山集まって作ったものって
集約という言葉とは裏腹に、多様性と多義性に富み、
そもそももっと色んな方向に開かれた存在だったんだなと気づかされた。
昨晩の配信番組で出渕監督が今度の「2199」を作るにあたって
「やるからには最大公約数を目指したい」っていう言葉は
もともと開かれていたヤマトへもう一度整えてお返ししたいって意味だと受け取れた。
けっして作家性を否定し、大衆迎合な大味に還元するってことじゃない。

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