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2012年4月 6日 (金)

瀕死でも石でもなく

なぜか食中毒になり、ヘロヘロになって過ごした。
以前にかかったときはチベットの小国・ブータンのロッジだったのだけれど
あのときほど「このままだと死ぬかも」って感じがなかったのは
あのときよりやや楽だったのと(歩けたし)、さすがに日本国内だったから。
早々に病院で診断を受けて、そのまま数日グロッキー。
まだ復調してはいないが、少しは起き上がれるようになったので、
なにかそろそろ食べられるものを調達してこようと思う。
(ゼリー飲料とスポーツドリンクだけではね)
この3日間で3kg痩せてしまった。
今月はGW進行で連載の〆切も早く、
早々にプロットは送ってOKはもらっていたのに、ダウンして脚本にかかれず、
編集部に相談したら
頁数を含め相談にのってくれそうでありがたい。
来月号でもしページ数が少ないとか
中途半端なところでお話が終わっていたら
それは読者の皆さんにはひたすらにゴメンナサイ。

まもなく発売の連載2回目では、まだヤマトは発進しない。
ボリューム的に1回分30数ページではたどり着けなかった。
しかも2回目用に書いた脚本も消化できずに
6頁分ほどは第3回に持ち越し。
(つまり40ページ分の脚本だったのね)
工程への自分の算段、スケジュールと仕事量の管理の甘さだと反省。
それでも2回目のラストシーンは
それなりにかっこよくは出来たかなと思う。
この辺りは編集部とのやりとりに助けられていることが多い。
「ヤマト2199」の冒頭のお話は
旧作と大きく変わるところは少なく、
ドラマ部分のみが細やかにかつ筋道を通された形になっているので、
筋書きを話してもネタバレ的な部分はまだ少ないから
この連載2回目のラストについて、勢い触れてしまおうと思う。

ヤマトファンの中で恐らく昔から話題になっていたと思うのだけれど、
ヤマトの発進前の2話、波動エンジンがまだ始動していない段階で
ガミラスの空爆を受けるシーンにある沖田艦長の台詞
エンジンの動かない我々は**の狸だ」というもの。
ここの音が不安定で**の部分がよく聴き取れず、
また記録集などの脚本にも記載されていないから、
なんと言っているのか、色々解釈を生んでいた。
庵野監督はその自作の中でオマージュ的にこれを引用されていて、
「トップをねらえ!」では「艤装のすんでいない戦艦など『石』の狸」、
「ナディア」では「瀕死の狸」と言っている。
でも自分はこの二つはどうも日本語的にというか
意味的にしっくりこない印象を持っていた。
僕は長くヤマトファンではあるのだけど、
基本的には寒村で育った為に同好の士がおらず、一人ファンだったので
もしかしたらとっくにヤマトファンの中では
この**への正解が導かれているのかもしれないことを覚悟したうえで、
今回、自分なりの解答を敢えて提示してみた。
それは「エンジンの動かない戦艦など『擬死(ぎし)』の狸だ」というもの。
つまり「死んだふり」をするしかないように追い込まれた状態。
これだと意味もわりと通るし
瀕死でも石でもなく、納谷さんの発声・口調の中で許容される一つだと思うのだけど。

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(この頁で次回第3回へつづく!)

コミカライズはアニメ本編とは少しずつ違う解釈やアプローチを試みている。
この台詞もアニメのシーンには登場しない。
はたして読者はどう思うのかな。
明日はいよいよ「宇宙戦艦ヤマト2199」の公開日で、きっと多くの人がご覧になるだろう。
(僕がアニメで何の設定のお手伝いをしていたかもEDクレジットで分るはず)
そうすれば僕の漫画との違いが露わになるだろうし、
また評価も印象も変わるだろうと思う。
コミカライズ版もアニメとあわせて楽しんで読んでもらえたらいいな。

第2回の掲載号は4月10日発売予定。

とこれだけ文章が書ければ、脚本も書けるな。
まだ何も食べられないけど、
仕事は進め始めよう。

追記:
この日記を記したあとに氷川竜介さんからご指摘いただき、
現場で使用した2話の修正入りAR台本には「瀕死のタヌキ」と明記してあるそうです。
生前の石黒さんにもいきさつを確認されたそうで、
とても興味深いお話を伝授いただきました。
西崎さんのご提案による台詞だったそうですが、
その意味については亡くなる前に聞きそびれていたそうです。
それにしても氷川さんは流石にファンとしての大先輩であります。
ご指導に感謝でいっぱいです。

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