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2012年5月

2012年5月19日 (土)

ジャケットデザイン

連載作画真っ最中だけど、小休止を兼ねて日記を。
今年の正月、三が日にやっていた仕事のことを、ここに書こうと思う。

僕の高校の同級生の松井秋彦が
JAZZのコンポーザーであり演奏者であるのは触れたことがあるかもしれない。
http://www.graphic-art.com/cpj/
漫画同好会の部室の隣にあったフォークソング同好会からいつも聞こえてくる、
フォークソングとは似ても似つかない(笑)不可思議なギターのメロディを
奏でていたのが彼だった。
当時、JAZZ少年って呼ばれていた松井と知り合い、僕はJAZZに目覚めた。
当時の日本の歌謡界(当時はJ-POPなどという分化はしていない)は
アイドル歌謡が歪な急伸をして、
ありえもしないほど下手な歌手が人気を誇っていた。
その悪しき血脈は今も商業性の名の下に受け継がれているけれど
今のアイドルのほうが余程、歌は上手い。
人様の前に出て披露するレベルにおよそない音と声の洪水。
世界の音楽業界的に見ても正に異常とも狂気ともとれるその艦橋の苦痛に耐えかね、
クラスルームでそうしたアイドルの存在に否定的な発言をした僕は、
やはり当然というか、クラスの女子からは総すかん。男子からも疎まれた。
もっと多様で、豊かで、技術と理念の上にさらに自由さと楽しさをもった音楽があるはず。
その中で出会ったのが彼の音でありJAZZだった。
ロックは「生き方」だと言う。
僕はJAZZも「生き方」だと思っている。
この歳になるまで僕はそう生きてきたつもりだ。
定型化に警鐘を鳴らし、変化に常に向き合う心。
地道な積み上げの上にこそ成り立つ、即興性の価値と意義を尊び、
仕事とはその積み上げと即興性の延長にある
他人の能力や感受性とのセッションだと思ってきた。
当然、それとは考え方も波長も異なる人はいるわけで、
常に調和がとれたハーモニーを奏でられてきたわけではないけど。
僕はその生き方をしてきて、自分の中や外の色んなものを壊してきてしまったけれど、
それでも揺るがず今も大切にしている。
この「生き方」に結び付けてくれた彼は自分にとっては恩人なのだ。

松井は高校卒業後、渡米してバークリー音楽院大学に入学。
数年後、市の広報誌で、
卒業・帰国して音楽活動をしている彼の取材記事が載ったのを読み、
日本に帰ってきていることは知ったものの、
そのあとはどうしているのか消息を追いきれず、
都内で近隣にあるJAZZ関連のライブハウスなど出入りしたりして彼の活動を尋ねていたが、
ああいう店は演奏者の流れのようなものがあって、
そこに交わらないところには、JAZZ専門のライブハウスであっても、結局なにも情報がないのだ。
そうして10年以上、
彼との再会はネットの母校のコミュニティでだったのがまた不思議なものだ。

ここからやっと本題。
(ああ、ほんとに僕はTwitterには向かないね)
これまで彼のアルバムを購入してきて、
どうにもデザイン的にアレレ?な部分がある作品を見かけるので尋ねたら、
時折は彼が自分でジャケットからインナーまでこしらえていると知った。
(もちろんデザイナーが入っているものもある)
「だったら、僕がデザインするよ!」
と以前に口約束をしていたのだけど、それが昨年末に現実になったのだ。
その頃は、「ヤマト2199」の設定作業とそのコミカライズの準備の真っ最中で、
実にきわどい状況だったのだけれど、
JAZZのジャケット、インナーデザインっていう昔からの僕の夢と
その恩人たる彼のアルバムなのだから、断わる理由はどこにもない。
かくして、正月元旦から作業をして約1週間。
(だから今年は年賀状を出せなかったのだけど、そうれはもう赦して)
それは完成した。
そこからJASRACのコードなど取得して、プレス屋さんに回って
そして事情はよくわからないけれど、
けっこう時間が経過した5月17日にそれは発売になった。
http://www.amazon.co.jp/dp/B007R16EL4
http://www.graphic-art.com/cpj/index.php?option=com_content&view=article&id=12&Itemid=12

Jacket3
デザインに使用した写真は彼が海外の演奏旅行などで撮り貯めたもの。
自身で選んできたものを素材として、僕が採用した。
ミックスダウン前の音源や、彼の考え方を聞いて、イメージを固めていった。
"Fjord Sound”というユニットレーベルが示すように、
氷河の削った土地とその抽象的なイメージを軸に置いているので、
僕は自分の好きな「ECMレーベル」の理性的で硬質なデザインを念頭にしてみた。
そもそもの素材写真がとても良かったので、
キレイな仕上がりになったと思う。
(ただテキスト量の多さは四苦八苦したけど)
1点残念なところがあるとしたらジャケットのタイトル文字。
印刷時のインクの沈みこみを考慮しきれず、また色校まで管理できる状況になかったので、
狙いが上手く繁栄されなかった。
ここに載せる画像は僕の元データからのもの。
タイトル文字が左右にプリズムのように光を放ってぼやける処理をしたのだけど、
印刷時にかなり潰れて判らなくなってしまった。
北欧の冷えた空気の中の光のイメージだったのに残念。
(松井ゴメン)
ジャケットの鏡面になった雪山は特に色合いを加工せず、原版のまま。
水面に反射したほうが陽光の赤が強まって見えるのは、面白い。
天地を変えたとたんに風景は印象を一変し、新しい表情を見せる。
色は撮影者の思惑のその先を見せてくる。
僕にとってはいかにもJAZZの魂だなぁっていう写真だ。
この写真、山の形が人の横顔に見えるのも面白い。徳間文庫のマークにどこか似ている。

インナーは、今回、歌モノなので
英語詩の対訳を併記する形になっている。
CD盤面の上にある模様はブータンの民族意匠。
こういう模様は決してPCのパターンの産物ばかりではない。

楽曲自体は人それぞれ好みもあるので
絶対買うべきとかは言えないけど、もし興味があればどうぞ。
彼の作品はwebを辿るとFACEBOOKやyoutubeで試聴することができるはず。
人が聞いていて安心するような所謂「定型の節回し」は存在しないから、
かなり聴き馴染みのない音楽だと思うw

ちなみに拙著「虚数霊」2巻の最初のエピソード「暗い日曜日」編は
彼に触発されて描いた一篇。
音楽的な指南も受けたけれど、
亡くなったバークリー卒業生の話は実話がベースで、
その死について、当時学校の雰囲気はどうだったかとか
そういうことも教えてもらった。

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2012年5月 4日 (金)

これまでとこれからの数日

脱稿後、ガタケットを覗くべく新潟に行き、一泊して帰宅した月曜日。
周囲は「コミック1」に色めき立つ中で、蚊帳の外の僕は
峠比呂タン、イタリア軍研究家の吉川さんと池袋でジンギスカン食べ放題。

峠タンはもうすぐ、モーレツ宇宙海賊じゃなくって
その原作「ミニスカ宇宙海賊」のコミカライズが始まるので、
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=26268328
その前に以前からの約束を果たす必要があったのと、
吉川さんのコレクションからその漫画化へのお力添えを願った
というわけで峠シフトな宴席。
今の「まおゆう」の連載と合わせると月産60頁近いのだから凄い。
峠タンの漫画は筋立てと台詞がいつも練ってあるので、
このミニスカの漫画も愉しみ。
あれこれひたすらにアニメと漫画の話題に終始した時間だったけど、
峠タンは話上手だし、視点がしっかりしてるから聴いていてとても楽しかった。

昨日は夕刻から映画ライターの野沢さんから焼肉に誘われていたので、
その待ち合わせの前に「バトルシップ」でも「ももへの手紙」でも「ジョンカーター」でもなく
「ストライクウィッチーズ劇場版」を観た!
今更だけど、面白かった。
芳佳の扱いは相変わらずプロセスがいい加減というか、
動機付けも根拠も理屈も、与えられる試練もテキトーで
残念賞以外のなにものでもないけれど、
服部静夏の存在感が物語の軸にとてもよく意味を与えていて、
全体の印象を整えるのに貢献していたと思う。
TVシリーズ二つを経てそれぞれのキャラクターの消化も素晴らしく、
501の面々が画面に登場するたびに、ああなるほどと膝を打つ感じ。
それにもうアクションの作画というかレイアウトが凄い。
よくもまぁ股間を画面に据えながらあのように美しいレイアウトと
シーンの展開ができるものだという
力と技と欲望が団結したようなシーンが続くのでビックリした。
戦艦大和の出番もかっこいい。
映画は面白かったけれど
自分は映画が登場人物の世代交代であって欲しかったなと思った。
芳佳なり坂本なりは次代のウィッチに席を譲り
それで新しい物語の到来を予感させるべきではなかったかな。
でないと人気のあるルーチンでマンネリを繰り返すことになるので。
劇場には僕の寄稿した応援画集は当然ながらなかった。
そもそも1冊と聞いていたのに、実際はそれを分冊して
劇場で2回配布で客を2度呼ぼうっていうかなりコスイ手になったのはアレレな印象だけれど、
僕の載った下巻だけでなく上巻もサンプルに欲しいなー。

映画のあとは焼肉!
他の面子は
今 サイボーグ009最終章・GOD'SWARをwebサンデーに連載中の早瀬マサトさん。
http://club.shogakukan.co.jp/magazine/SH_CSNDY/saibohguze_002/detail/
そしてスピリッツで「クピド」のシリーズを連載中の北崎 拓さん。
http://takukitazaki.blog109.fc2.com/
北崎さんは初めてお会いしたので凄く嬉しかった。
ヤンサンの連載はずっと読んでいたのだけど、
当時僕は社長をしていて今よりかなり貧乏だったためコミックスを買えなったので
不義理な読者ではあった。
北崎さんのキャラの性格造形や表情のつけかた、心理描写とか大好きなので
お話できてよかったー。
それぞれの作品について色々話したり情報交換できて
素敵な時間を過ごせた。

明日5日はCOMITIA100に出展。
場所は「や-04b」。
僕は冬コミに出した本を頒布する予定。
その他に委託を受けるのだけれど、机がいっぱいになりそうな予感…。
まずは売り子をお手伝いいただく水木由真さんの本。
http://blog.goo.ne.jp/jiqu-dou
そして昨日まで描いてた中国嫁日記同人誌第4弾!
(3弾でおしまいではなかったのです)
これはコミティアで初売り。

Cover1c

僕も表紙デザインと本文に4コマを4本寄稿。
今回もひどい漫画を描いてるけど、実話に基づくお話が殆ど。
希有馬っちの中国嫁日記は漫画として練りが弱いけど、もっと売れてほしいとは思う。
でも僕は人気があるからと同じ企画をなんどもやるのは主義じゃないので、
主催の唐澤さんには苦言を言ったし、同人誌はこれで本当に打ち止めに願いたい。

Comic01b

さらにはDVD「ロボと少女(仮)」。
http://roboshoujo.com/
あちこちの上映会でひっぱりだこの本作。
初版プレスがもうほぼなくなりつつあるので、僕のところでは最後の頒布になりそう。
もし机に余裕がまだあれば、春日ひろさんの遺稿集もおきたいなと思っていたり。
今回のCOMITIAは100回記念で色々企画が目白押し。
ペーパーラリーに参加しようかどうかを検討中。

来週はヤマト関係で
ヤマトの海外サイトの取材を受ける予定。
http://www.starblazers.com/home.php
青山のヤマト関係の事務所で行うのだけど、
先日発行になったヤマトクルーの会報誌0号がいまだに家に届かないので
直接そこでもらおうかな。
一応イラストを寄稿したので、見本誌を送るからと連絡はあったものの全然こないので。
見開きA3なんて大きなイラストを漫画連載2回目の合間に描いたのだから
ちゃんと見本誌はいただかねば。(ヤマトファンとしてw)

さぁ今日はコミティアの準備をしたら、
連載の脚本の推敲を済ませてネームに入っていこう。
また今月も修羅場に向かって進むのだ。

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