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2012年6月 8日 (金)

久々に日記

原稿はおしてしまったけれど、なんとか脱稿し、 今日は発売日。
この1週間ほどは少しだけ落ち着いた時間を過ごしている。
とにかく普段は原稿しか描いてないし
原稿のことばかり考えているので、
いかんせん日記にとりあげられるような事もなければ
あまりたいしたことは考えてもいないので
気がついたら半月以上も日記がブランクになっていた。
落ち着いた時間というこの数日だって仕事はしているから、
そんなに何かあるわけではないけれど、
とりとめないことを記しておこうと思う。
なので文脈としてはバラバラになるかも。

連載のヤマト2199は今回の脱稿分、
つまり6月10日発売号に掲載されるところまでが単行本第1巻に収録され、
7月10日に発売になることが決まった。
原稿の分量は160頁に満たないくらいなので、あと1回分くらいは収めたかったのだけれど、
5月に発売になったビデオグラム、
つまり劇場公開の第1章と同じところまでという切りの良さや、
発売時期が劇場公開第2弾と重ねられるという好機を大事にしたいという
編集部の意向を呑むことにした。
他の出版社もそういう流れがあるようだけれど、本文160頁程度で1冊にまとめるケースが増えているみたいだし、
何より、コミカライズという立場であれば
アニメのヤマト2199を最善の形で応援できる体制で臨みたいというのが
僕の気持ちでもあったので。
なのでサイン会などあったらやるか?なんていう恐ろしい打診も一応は承諾してある。
(自分のオリジナルなら絶対に断わってる)
単行本では連載時より頁が増えるようなことはさほどないが、若干の加筆修正はする(今している)。
ほかにも色々と企てもあるので、
手にとる楽しみが増せばいいなと思っている。
いくつかの書店にはカラーのカードあたりを特典につけられればとも考えている。

Y04_25

他にも月初にヤマト関連のカラーイラストを2点ほど描いたので、
近いうちにお披露目になると思うけれど、
結城にいちゃんじゃなくって僕の絵でいいのかなーって気持ちがついつい起きてしまう。
ありがたいけれど、なんかヒヤヒヤする。
出渕監督から「キャラはもっと似せてね」と笑顔のプレッシャーを受けているので、
毎度毎度、設定資料をにらみながら漫画を描いてるんだけど、全然似ないんだものね。
肩身が狭いのでござるよ。
あ、そういえば、先日、「ガンダムUC」の第5部を最終日に滑り込みで観てきたのだけれど、
新宿ピカデリーにヤマト2199第2章のチラシがあったので、ごっそりもらってきちゃった。
(たんなるオバカなファンの素行)
で、しげしげ眺めていたら、
表は結城にいちゃんの絵なんだけど、裏側のヤマトのパース透視図は僕の絵だったりして、
なんだかこれはニコニコしてしまった。
ヤマトの透視図は玉盛さんの助言をいただきながら僕が描いたのだけれど、
3話に使用する原画として発注をうけたこのパース透視の絵がいつの間にか設定的に扱われていて、
それが劇場の物販でクリアファイルに使用されたりしたのちに、
とうとうチラシにも掲載とは。
あー、自分も力になれたんだなって思う。
僕の漫画も変にオフィシャル感をちらつかせることなく、
ちゃんと力添えできる存在になるといいなと願っている。

結城にいちゃんつながりで
「坂道のアポロン」を観ている。
仕事してるから机の隅においた携帯電話のワンセグ視聴だったりするけれど、
一応全部観ている。
変なブラシ処理の影つけとか、平行線を描く恋愛構図って好きじゃない。
特にこの平行線の図式は、
なんだか少女漫画では最近の定番の一つなのかなと思わせるくらいで、正直食傷気味である。
また人間関係がもつれたあとに、演奏でそれが解きほぐれるパターンも常用してる気がするので、
ドラマツルギーとしていささか首をひねっちゃう。
だけど、音楽、特にJAZZのセッションは
互いの意気や嗜好、感情を手繰り寄せ、感じて、そしてぶつけ合い重ねあって、
即興性という一期一会、瞬間の美に昇華していくものであるがゆえに、
その輝きがドラマにおいて言葉ではない力を与えていく。
7話の文化祭での演奏はまさにその白眉だったと思う。
作画はモーションキャプチャーをトレスしたようなものも目立つけれど、
アニメで演奏をあの距離感でしっかり描くっていうものは殆どなかったように思う。
というか女子高生のバンド演奏とか銀河アイドルの歌唱とか
商売臭のするネタとかダシではなく、
音楽の可能性を信じて、ドラマの心理の必然にからめて表現しようという試みは希有なものだなぁと感じた。
で、ついついサントラを買ってしまったよ。(アレ?)

希有といえば希有馬っち。
今は井上純一って表記のほうがポピュラーなのかな。
(純弌から純一への改名もまぁ大衆性を意識した彼らしい判断だけど)
中国嫁日記のblogで最近は近日刊行予定の
女房殿の日本語学校での日々をプレビュー的に掲載したら
それが夫たる彼が登場する普段の掲載話より断然評判が良く、訪問者もコメントも多いそうな。
だけどそれは当然だなと思う。
40代のオタク夫って触れ込みながら、
井上君の存在が漫画の中でまったくクリエイティブな発信をすることをせずに、
空虚でつまらないツッコミ役でしかないから。
それはオタクであり、TRPG作家としての視点を一切封印しているうえに
それを除いたら彼自身がそもそも生活者の視点を欠いてるから
生活者の妻に対して自分が常識ぶっていてはユニークな返しができるはずもない。
それに引き換え、日本語学校で異なる国の観点で日本を見ている同士が
それぞれのピントで会話してたほうが、双方が発信役だし、
中身は化学変化が多くて密度も視点も多様で面白くなるに決まってる。
なので、今も遅れに遅れて執筆中らしい
この日本語学校編をまとめた単行本のほうがきっと面白い本になっていると思う。

異文化といえば
隣の国どうしでも随分違うものだが、荒川区という場所だけ見ても周囲の区と違いがあるものだ。
豚骨ラーメン好きの僕にとって
荒川区は豚骨ラーメンのシベリアだと前から主張してきているが、
それを確認する機会が新たに得られたので、報告を。
隣接する足立区や北区、台東区などは豚骨ラーメンの名店が多いにも関わらず、
荒川区は営業する豚骨ラーメン店は現在1軒のみ(しかも本店よりサービスも味も悪い)、
スーパーでの扱いも
豚骨醤油とか、豚骨味噌とか、そういう似非豚骨は置かれるものの、
九州系豚骨ラーメンは冷遇の極みだ。
昨日、たまたま食材を買いに出たそれなりに大きなスーパーで
生麺コーナーを舐めるように探し、やはり豚骨の扱いが無いことを 確 認 し て
やまりたまたまそこに居合わせた麺類棚の担当者と思しき従業員に質問を試みた。
普段、臆病の人見知りであまり他人に声をかけるなんてしない僕だけれど、
荒川区の豚骨の冷遇振りには業を煮やしていたがゆえ、尋ねずにはいられなかったのだ。
質問は
1.いわゆる九州系豚骨ラーメンは置いてませんね。
2.新製品発売時には棚に見かけるが、どうして扱いがなくなるのか。
と至極簡単な2点。
1はYes。
2は、新製品の扱いなど入荷することはたまにあるけれど、全 然 売 れ な い の で 扱うことをやめる
のだそうだ。
これまで売れないから扱いが減るのだろうとは当然の理屈として推測はしていたけれど、
売り場担当者の口から証言が得られたわけだ。
そう、やっぱり荒川区民は豚骨ラーメンが嫌いなんだ。
この 大 た わ け ど も めが!!
僕は大変迷惑している。
区外への外出が多ければまだ豚骨成分を補給できるけど、
仕事の時間に追われて漫画描いてる身としては遠出ができない。
スーパーでも扱いがないでは(乾麺は時折ある)、
本当に弱る。
そうそう、回転寿司も近所にないのは困りものだな。

回転といえばロールケーキだ。
アニメ「日常」の第2話で、はかせが美味しそうに食べている姿を見て以来、
すっかりロールケーキの虜だ。
ちなみに、僕が寿司を好きになったのも、
「ド根性ガエル」の梅さんの寿司を見てからだ。
どうやら僕がロールケーキしか食べていないように思っている人もいるようだけれど、
1日1食半しか食べていない現状で、
ちゃんと1食は普通に栄養バランスも考えた食事をしている。
で残りの「半」はロールケーキを1週間で4回は食べてるな。
ちゃんと牛乳も飲んでるよ。
安くて美味しいモンテールのロールケーキが多いかも。
だけど今も忘れられないロールケーキの味は三島・沼津界隈で売られている
イタリアンロールケーキだ。
甘みのあるシュー生地と弾力のあるスポンジ、そこに巻かれた生クリームと栗、
頬ばるととろけるような美味しさなのだ。
賞味期限が2日で、東京では殆ど食べることが出来ない。
原稿描きで遠出の出来ない己が身では、届かぬ名品なのだ。

イタリアと言えば、
友人のよしぞうおねえさまこと吉川和篤さんの最新の著作
「Viva! 知られざるイタリア軍 」ですの。
http://www.amazon.co.jp/dp/4863206097/
おねえさまは在野のイタリア軍研究家としては日本で屈指のお方。
その多才多芸をもってして、
先日はアニメ「ヨルムンガンド」のイタ語監修までされてらっしゃいます。
今回のこの本は文章にとどまらず、
写真はご自身のコレクションより、表紙画や本文図版は自らご執筆、
そしてエディトリアルデザインまでこなされた、
まさに同人誌!もとい、分業化された商業出版の中で希少な本ですの。
というかイカロス出版のデザインはどこをとってもヘッポコの極みなので、
おねえさまの玉稿を扱うには稚拙すぎますの。
ぜひ前作「イタリア軍入門」とも併せてお手にとっていただければと
黒子は切に願いますの。

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