桜は咲いたけどー。
東京の桜は満開だけれど、こちらは相変わらず机で原稿に向かっている。
考えてみると昨年の桜はヤマト2199の劇場公開と同時期だったと記憶している。
上京していた玉盛さんが「桜が見られた」と言っていたのを覚えているからだ。
そう思うと今年の桜は早いな。
もう随分長く、桜は4月という印象なのだが、
僕の記憶の中では中学校の春休み、柔道部の稽古で、
桜が満開だからと畳を体育館ではなく外に敷いて練習したのを覚えている。
ひと汗かいて、畳に寝転がって休憩しながら、
落ちてきた花びらを唇にあてて、草笛のように鳴らすのを覚えた。
薄いからすぐに破れてしまうのだけれど、
花びらは尽きることなく舞い降りるから、ピーピーとヘンな音を立て続けたのだった。
あれはまぎれもなく3月だった。
当時はスギ花粉症でもなかったので、
春の花々は楽しみだった。
アブラナや水仙の香りは甘く、ユキヤナギの白く群れた姿は可愛らしかった。
青い空にハクモクレンの枝先が白く輝いていた。
実家のある大嫌いな埼玉の寒村は、冬の心すさむような風景から
それでも春の草花は救われるような色彩をもって訪れる。
そこへいくと、今住んでいる荒川区は緑も土も少なく季節感に乏しいな。
いや、家に篭もってばかりの生活が余計にそうさせているのだから、
それは自分の責任だろう。
ここにも春は訪れているのだから。
今月の連載原稿は相変わらず厳しい進行。
それは先月の脱稿後から立て続けにカラーイラストを何本もこなしたから。
ヤマト2199はTV放映や第5章の劇場公開を控えて、なかなかに慌しい。
アニメの制作はもちろんだけど、
タイアップたる漫画のほうもだ。
3月末には既刊2冊の販促アイテムを色々追加することになって色々とカラー画を描いた。
(絵はアニメイトさん向けのものの1つ)
来月の劇場公開に合わせた印刷物にも何点か寄稿した。
そして来月号は連載の扉もカラー画だ。
そんなこんなで連載原稿の方が押し気味なる。
(目下執筆中)
NA誌では近いうちに雑誌表紙も描かせてもらえるとのことだ。
漫画家として雑誌の表紙を自分の絵で飾るのは一つの夢なので、
凄く嬉しいけれど、
絵やデザインについては担当編集と趣味嗜好や考え方が随分違うので、
(単行本カバー画では毎度もめる)
はてさてどんな絵を描こうか。
週明けには配信になるだろう「YRAラジオヤマト」にも
TVや劇場への景気づけになれたらと、単行本2巻や色紙にサインをして送らせてもらったので、
採り上げてもらえるかなーと思っている。
リスナーさんへのプレゼントにして喜んで貰えたら嬉しい。
ヤマトのリマスターされたCDの発売を機会にヤマト音楽好きのオフ会なんて話を耳にして、
自分で企画したくなってきてしまった。
ケンウッド本社に友人がいるし、そこの丸の内のショールームとか
オーディオメーカーの施設を数時間貸切って、
交響組曲とかさらばの音源とかを高級オーディオと大スピーカーで大音量で再生したら
凄く楽しそう。
当時のヤマトの録音はオーケストラの一発録りなので、
今のような個々の楽器パートを別録してミックスダウンではないから、
楽器どうしの共鳴や演奏者のエモーショナルな部分が音に収められているはず。
それが感じられるかも。
友人に声をかけて集めて、やってみたい。
漫画家とか自由業なら午後3時位から借りて聴き、
その後夕方に移動して酒席みたいな感じで企画できそう。
4月のどこかで出来ないかな。
ともあれ、脱稿まで桜は待ってくれないし、
このままゆっくりとお花見はできないだろうけれど
お弁当でも買ってきて、平日にどこかの桜でも観ながら外で昼食をいただこう。
もうすぐ4月だ。
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