« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »

2013年4月

2013年4月29日 (月)

もうすぐ5月だ。

怒涛のようなGW進行の中で、今回もヘトヘトになって連載を脱稿した。
コスモゼロやファルコン、ゼードラーのフォルムに苦しみ、
冥王星の視界に広がる冷たい荒野の存在感とひたすらに格闘し続け、
時間切れのような状態で入稿になった。
そんな状況で、立派なことは言えないのだけれど、
描きながら感じたのは、僕が好きな空を飛ぶ漫画は
定規とか定型の技法とかに依らないで、
飛んでいる感じと自分の感覚に向き合いながら表現してる作品が多いなってことだった。
メカが苦手の僕だけど、
依ることで得られる演歌のような安心感に自分の落とし所を見出すではなく、
修練を重ねた向こうにあるJAZZの即興のような空に飛ばす感覚に身を置きたい。
変だとか下手糞だとか思われても
そっちの方を向いていたい。

Y14_05

Y14_21

1冊の本を手に入れた。
「サラエボ旅行案内」 http://www.amazon.co.jp/dp/4384010206/ref
ミシュラン社のガイド本を模したそれはしかし、
内戦で市街戦の最中にあったサラエボで
人たちはどう生き、どう生活を営んでいたかを
したたかなユーモアという心の力をもって記されたものだ。
世界では今も内戦にある国がある。
山本美香さんが殺害されたシリアもそうだ。
彼女が取材していた記録にはまぎれもなく戦時下の生活の営みが存在していて、
その日常感と戦闘の非日常の感覚の並立に不思議な印象を持っていたのだけれど、
人という存在と心が戦争の街の中でどうあるのか、
この本は回答の一つを示してくれそうだった。
それは今、戦争の漫画を描いている自分に何かを与えてくれそうに感じる。

土曜日は新宿ロフトプラスワンへ出かけて小林治さんが催す「ヤマト講座」を聴講。
満員御礼の盛況で、入場したら席がもうなく、
友人達のお声がけで関係者席で見ることに。
ファンイベントとして相変わらず楽しい席だった。
だけど自分的には前回の北崎拓さんと千葉秀作さんの講座がためになったかも。(講座だし)
セクシュアリティを中心にした話題だから、そこにマスクされてしまったり、
嫌悪感を先に出して理解を拒むような痩せた感覚の人もいるだろうけれど、
人間の情動に深く結びついたそこには
やはり人の本質を語るに雄弁な要素が多かった。
僕は目下、そこから思いついたものをどう今の漫画に活かすか検討中。

日曜日は仕事絡みで二つの打ち合わせ。
ひとつは編集部とのコミックス3巻の会合。
発売は6月末に決定した。早く出したいという出版社の事情が優先された結果だけれど、
僕にとっては3巻としての必要な内容が納められるかどうかが大切なので、
自分で出来ることをちゃんとするだけで異論は無い。
ただそこから逆算される日程はかなりタイトなものが組まれていて、
5月は今月と変わらない厳しい条件で執筆をすることになるのだけは明白。
それに加えて、6月発売号も表紙画を任せていただくことになり、
二重に大変。
だけどヤマトを応援するのだ、その役を担っているのだという
僕のスタンスと自覚と責務は変わらないので、
出来る協力は全力でしていく。それだけだ。
長い懸案で平行線をたどってきた件も決着がつきそうだ。
玉盛さんの提案と助言を容れて担当編集の気持ちが動き、
色々な人の意見を聴き重ねて僕の味方になってくれたのが大きい。
「一緒にヤマトに乗ったのなら、困難に立ち向かっていきましょう」
そう、玉盛さんのその言葉のとおり、僕らはあのときヤマトを観てから
長く心の火を絶やさずにきたんだ。
ろくでもないことや失敗もしてきたけど、
この火があるから自分はまだ大丈夫。

ふたつめの会合は新潟市で催される「ヤマト2199」展にまつわるもの。
http://www.manganime-niigata.jp/index.html
5月2日から7月末まで、
新潟市の施設「マンガ・アニメ情報館」ではアニメのヤマトの資料展示や
草彅琢仁さんのイラスト原画、
加藤直之さんのライブペイントといったイベントを実施、
製作委員会さんも以前の展示会などでは出してこなかった品も用意しているらしく、
地方イベントとしてだけでなく、首都圏と比較しても力の入ったものになりそう。
http://yamato2199.net/#niigata_mangaanime
で、今年の1月のガタケットに参加した折に、
新潟市役所の人が挨拶にいらして、
この情報館の近隣に併設する形で開館する「マンガの家」の方でも
ヤマトの展示を企画していて、ついては僕の描いている漫画の原画展を
というお話になり、やはり同2日より3ヶ月間、
僕の生原稿やカラー画、さらにはアニメの方でのモニターグラフィックの設定画を
公開することになった。
題して「宇宙戦艦ヤマト2199 漫画の世界」。
B_yamato2199_mangaa4
B4サイズ原稿で150枚分の面積があるので、それなりに見応えはありそう。
僕の絵だけでなく、玉盛さんのカバー画も
ラフスケッチからの過程を見られる掲示もあるし、
前の日記でも触れたように6月末には僕のトークイベントとサイン会もあるんだって。
展示物は一ヶ月ごとに模様替えをする予定
5月はコミックス第1巻、6月は2巻、7月は3巻という段取り。
ヤマトの公式サイトにはまだ告知がないし、
当の新潟市のサイトにも触れられてないようだけど、
まぁそこはマイナーな僕のことだから寂しい扱いは慣れっこ。
身の程は大事だ。欲を出してはいけない。
華やかな催しを遠目に、ウチの原稿は頑張って欲しいw。
サイン会とかも人はこないだろうから、
逆に身近に話せるような場にしたいな。

しかしながらこの漫画展のポスター、
オイラの名前がどこにも入ってないところがいかにもだw
さすがマイナーなオイラだ!ネームバリューゼロとは。
漫画家よりヤマトで突き抜けようっていうのが申し訳ないほどひしひし伝わるぜ!
これも身の程の証。

さぁ月内には次々号の雑誌表紙のイラストを完成させて、
すぐに連載原稿の脚本にかかっていかないと。

新潟に行って日本海でも見たいなって思っているけれど
いつのことになるのだろう。
旅がしたいなぁ。

追記:4/29 20:00

blogでポスターに名前がないこと書いたら、主催者にばれてしまって
ポスターとチラシ類が刷りなおしになってしまった。
実は校了前に僕も一応見ていたときに自分で気づかなかったので、こちらの責任でもあるし、
まぁ、存在感の薄いマイナー漫画家の証明みたいなものだと思っていたので、
余計な予算を使わせることになってしまったことには、申し訳ないことをしてしまった。
そうしたら、製作委員会も角川も見過ごした結果だそうで、
やっぱり自分は印象の無い存在だって証明を改めてしてくれて一笑い。
ということで刷りなおし版の画像。

0429yamato2199_mangab3

|

2013年4月16日 (火)

放送と上映が始まって。

連載の仕事はGW進行と格闘中。
〆切が普段より5日ほど早いだけでもかなりキツイ。
NA誌の表紙画を納めて、すぐにかかったけど、
今月はゼロとファルコンがたくさん出るし、
ゼードラーの資料が殆どないので、半泣きw
CGで作ることを前提にしているから、6面図の設定はあっても、
手で描くことを前提にしたパースのついたイメージショットがない。
模型でもあればいいけど、ゼードラーはキットすらない。
ファルコンはいただいた電撃hobby誌の付録のキットを眺めながら描いているけど、
コスモゼロの模型はない。
僕は不器用でプラモデルが作れないから。だからない。
ゼロは玉盛さんが設定である程度の数のデッサンを描いているので、
それを参考にして色んな方向を描いている。

7日の日曜からヤマト2199がいよいよTV放映になって、
自分が関わる何年も前から聞いていた製作での困難辛苦や、
スタジオでお会いした制作スタッフの皆んなの姿が浮かんで、
とても感慨深かった。
ここまできたんだ。
小学校三年生の頃、ヤマトが大好きで大好きで、夢にまで見ていた
自分に言ってあげたい。
君は将来あの艦に乗るんだよって。

TVを観た昔の職場の仲間とか、社長時代の社員からメールが着たりする。
僕のペンネームは平仮名なのでEDテロップでも目立つのね。
もう10年も前に一緒に仕事していた仲間からは、とても嬉しい。
全国の色々な会社の人と組んでやっていた仕事だったから、
神戸とか滋賀とか栃木とか色々だ。
皆、元気なんだろうか。
伯母の一周忌の法事があって、親族が集まった時も、
久しぶりにあった従兄弟たちから、番組や単行本について尋ねられたり。
小学校二年生の甥が「ヤマトを描いて」とせがんできたので、
差し出された無地のノートに描いてあげたら、
「へたくそー」と言われて消しゴムで消されたw
その法事で配られたお菓子がコレ。
http://www.kodai.jp/
なんか狙ってるのか?

並行してコミックスの3巻の動きもある。
カバー画に関しては出版社とは相変わらず議論の平行線が続いて、
それでも何度も話して、僕のイメージや考えは理解してくれるところまではいったけれど、
「わかりやすさ」「売るため」しか連呼しなくて、
僕がどういうものを伝えたいのか、僕がどんな人間性なのかは
まったく関係なく、興味もなく、無視した議論が続くのは本当につらかった。
この悲しい議論の繰り返しに気持ち的に沈んでしまって、
原稿を描くのがつらく、休載したいくらい落ち込んでいた。
(角川は僕をそこまで追い込んで苦しめてるって気づいてはいないだろうな)
それじゃアカンので少しネットを徘徊したら、
5章グッズの真田×古代兄×新見さんのファイルに不思議に加熱している人が多いのに
描き手として元気付けられたり。

劇場は初日の10:20の回。
舞台挨拶を眺めて、そのあと楽屋で監督におめでとうございますと
公開初日のお祝いを告げてから、
昼食もとらないまま、茶道の稽古。
そして晩は模型雑誌にヤマトの模型の作例を寄せている方々と宴会。
仕事に集中する為に、外出するときは用事をまとめてしまうので慌しい。
宴会は、模型を眺めながらわいわいと過ごす。
僕には作れないものだから、羨望の眼差しとともに、
立体を色んな角度で見て、頭の中にイメージを記憶する。
色々とお話をして、思いついたネタや情報は
忘れないよう携帯から家のPCにメールで送っておく。
そんな楽しい席で、17時から呑みはじめて終電逃したw
四月の中で自分のための休日はこの日くらいだ。

翌日、やはりTVを観てから夕食の買出しにと外出すると、
マンションの管理人さんとバッタリ。
「観てるよ~、ガンダム!!」いや、違うから!

|

2013年4月 6日 (土)

ひと足お先に

月明けの四月馬鹿の日に脱稿。
月初にイラスト仕事を抱えて連載の取り組みが遅れた上に、
頁数は先月より多いっていうピンチな状況で進んでいたので、なんとか納まって胸を撫で下ろした。
Y13_04Y13_15_2

そしてまもなくTV放映、第5章の劇場公開が控えている。
それらに関連したチラシが劇場で配布される予定で、そこにイラストを寄稿した。
で、このイラストの〆切が先月末という、また連載とバッチリ重なっていて、
まさしく地獄ロードだったわけだけれど、
「ヤマトのことはできる協力は何でもします」って
製作委員会さんにも編集部にも言ってあるので、
倒れたりしない限り、依頼を受けちゃったりなんかしちゃったりする。
で、今回も友人の日野カツヒコさんにお願いして下塗りをしてもらい、なんとか仕上がった。
日野さんも自分のお仕事があったのに、合間を見つけて手伝ってくれて、頭が下がる。
仕上がりも素晴らしい色彩で、
やっぱり僕では出てこない感覚があって頼んだ甲斐があったというもの。
それに僕が丸一日かけて手を入れて完成。
それでやっと僕の絵ですって言えるかなという感じになった。
日野さんのタッチってゲーム屋さんゆえなのか
独特なタッチのつけ方があって、その勢いがもちろん味ではあるのだけど、
僕はそういう塗りはしないので、タッチを落ち着かせたり、
青いハレーションの情緒的な効果は僕には過ぎるので、全体に抑え気味にしたり。
また、人物の主線がなぞられて濃くなっていたので、
そこは全部消して薄い鉛筆の線を活かして柔らかくした。
そろそろ刷り上ると思うので、ヤマトの上映劇場に6章のチラシとして並ぶはず。

ということでキツイ3月だった。
お花見として宴席にはとうとう行けなかったけれど、
マンションの庭にも桜がたくさん植わっているので、
アシさん2人と庭のテーブルにお弁当を出して
ハラハラと桜が舞う中でお昼ゴハンをいただいた。
お弁当やお惣菜やお茶の器に花びらが舞い降りるのを愛でながらの
暖かで綺麗で素敵な時間だった。
それが今年のお花見。
あ、そうそう、もうヤマトクルーでオープンになっちゃったみたいだが、
5章のグッズ用の古代兄+真田+新見さんのイラストも描いた。
ちょっと少女漫画風な場面w
数点描いたラフで、クライアントの女性スタッフにはこの絵が受けたらしいので採用。
これにも桜花を振っておいた。

この数日は友人達と呑んだくれながらも、ちまちまと仕事をしている。
今月執筆分の脚本は半分程度は完成した。
もう少し書き進めてからネームをラフに切って、今月の掲載頁数を推し量る予定。
単行本を早めに出したいという編集部の要請で、
1巻と同じ頁数になると、ドラマの構成を当初案から変更しないといけないので、
いささか悩ましい。
漫画家がこう描きたいという気持ちとか作品性よりも
出版社の「売りたい」っていう思惑が優先されそうな中で、
どこを落としどころに作っていくか、その交渉も僕の仕事だ。
カバー画は今回もまたもめそう…。

で、ヤマト第5章のスタッフ・マスコミ試写に行ってきた。
夜の9時から開映なので、
7時くらいからお仲間たちとわいわい食事をしてから臨む。
(インドカレー食べ放題で満腹w)
その際に、秋葉原で配布していたというヤマトのPR新聞(読売版)をもらう。
名場面をコラージュしたそれがえらくカッコよくて、朝日版も欲しくなる。
劇場では何人かにご挨拶。
5章は沖田艦長のクロノグラフしか新規でデザインをしなかったので、
7章は時間を作るからもう少し参加したいなとスタッフさんに耳打ち。
(6章は5章よりはデザイン参加してる)
上映中、オナカいっぱいで眠くなるかなと思ったら、そんなことは微塵もなかった。
5章はお話もしらないし、予告PVも見ないでいたので、
ただただその物量と怒涛のような展開に圧倒されっぱなし。
作画もシャープさに情熱のみなぎった線が随所にあって、
人物の表情も演技も素晴らしい。
なんかもう作画に関しては章を重ねるごとに良くなっていく。
ドラマの構成や演出も情緒的過ぎない抑制された美徳があって、
出渕演出の特徴が良い方向に発揮されているなと思う。
古代と真田のエピソードは真骨頂。
沖田艦長もまさしく艦長としての決断や采配を揮い、その力量を見せつけて有無を言わせない。
そして何より、「重力アンカー」!
あれはいいものだ。

もう少し冷静になれば、もちろん課題やアラもあろうけれど、
体験、体感として第5章はとても心地よかった。
試写会だのに、皆んな拍手喝采でしたよ。
来週の劇場公開が楽しみだ。
自分も新宿初日の10時20分の舞台挨拶回に観にいく予定。
試写会場より音響が良いので、そこも楽しみにしよう。
しかし、こんな圧倒的な力を持った作品はもうなかなか作られないかもしれない。
それが今度の日曜日からいよいよTVでも放映がスタートする。
観た人はきっとその辺りのSFアニメとのボリュームの違いに圧倒されるだろう。
そしてそれを半年の間、楽しめる幸福は素晴らしい経験になる。
日曜の17時、ヤマトを観て、笑点、サザエさん、まる子というような
家族でTVを見る流れができるのも、
昨今ではもうあまりないことではないのか。
ヤマトがそれを拓いてくれるに違いない。

で、上映後にロビーでウロウロしていたら、
編集長と担当さんに遭遇!
先月の原稿の遅れを一通り詫びてから、
来月の原稿の打ち合わせ。
NA誌の5月発売号は「宇宙戦艦ヤマト2199」が表紙に決定。
GW進行で厳しいけれど、予め提出してあった案の中で採用になり、
タイバニとかのこれまでの表紙とは違うアプローチの絵で決まった。
漫画家として初めての漫画雑誌表紙の担当だ。
頑張らないと!

そしてまだ細かなことは決まっていないし知らされてないけれど、
5月頭から新潟市の漫画関連施設で「宇宙戦艦ヤマト2199」展が催される。
製作委員会さんも後援なので、設定資料とかスチルとかの他に、
なんと、オイラの漫画原稿の原画展示、作画工程の説明、
さらにはサイン会とかトークイベントがあるらしい!
って、何話せばいいんだよ!
僕は出渕監督みたいに饒舌じゃないし、舞台慣れしてないのですだよ。
この展示会は3ヶ月もやっていて、
展示の模様替えやサイン会も複数あるやもなんだって。ひー。
いや、「ヤマトのことは出来る協力は何でもします」って言ってある手前、
逃げられないのね。
とにかく、オフレコと撮影禁止にしてもらわねば。

ということで、どこよりも早い個人的な情報でありました。

|

« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »