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2013年6月 1日 (土)

さぁ6月だ。

脱稿したー。
5月は新潟へ日帰りしたり、高熱と脱水症状で数日倒れたりと、イレギュラーがあった上に、
そもそもの絵の仕事が、NA誌の表紙のカラー画を今月も描くことになったり、
本編の連載が普段より増頁にして内容もメカと爆炎が目白押しで手数がかかるに加え、
〆切がいつもよりタイトって状況で、
よくもまぁ乗り切れたなというのが素直な感慨。
もしかすると今まで一番、厳しい状況だったように思う。
支えてくれたアシさんには感謝感謝。
第15話は雑誌の版下がそのままコミックス3巻に収録されるので、
単行本直しの猶予がないため、
トーンワークに求めるクオリティが最終形だから大変だったと思う。
かくいう僕のフィニッシュも1日以上かかってしまった。

冥王星基地攻略のメ2号作戦は
メカや人物のみならず、
舞台となる冥王星の地形や、爆発など様々な自然物的な要素を描くことが求められる。
ここは山、ここは氷結した海、爆炎と爆煙は違う、ここは燃えててここは煙、
そういうのを即興的に考えながら描いていく。
http://gyazo.com/75d391b9b17ef203867a64263f175f53
トーン処理がPCソフトでの効果に替わってくる時代にあって、
海なら波が、空なら雲が、素材写真とかの安っぽいフィルタリング効果で表現されるようになるのは、
自分には退行とか逃避にしか見えなくて、
作品の魅力をそれだけで十二分に損ねるように感じる。
便利な道具ならば、創意をもって表現に踏み込んで、魅力を作って行きたい。
僕にとっては「描いている」って行為そのものが「力」や「魅力」を感じる源泉ではあるけど、
それはそこに表現する試みと技能・イメージとの界面が存在してるからなんだろう。
PCでの効果であっても、同じマインドが感じられる表現とか創意が受け取れればいいのだと思う。
安易で陳腐なのはやっぱりイメージの貧困に見える。
(その意味では今回、湯煙の表現など地味だけどPCとアナログの両方を活かした試みを重ねてみた)
漫画は時間と表現とのパフォーマンス性も求められるから、
省力化やコストとの関係性での判断も当然存在する。
これまで、その限られた条件の下で
先人たちは漫画の表現を模索し創意と試みを捨てないことで進めてきたのだと思う。
それは手で描くでもPCワークでも同じ。
チープで甘えた型に逃げ込む前に、試みを重ね、自分と戦うべきじゃないかなと思ってる。
随分前に聴いた講演で
「写真素材をフィルタリングで背景完成。デジタルアシでござい」なんて聞いて、
大昔に写真をコピーし二階調の陰影表現にしたものを背景に糊で貼ってた時代と
発想が進んでないことに口をあんぐりとしてしまった覚えがあるけれど、
「PC便利」とか言うなら、表現する方法としてもっと踏み込むべきではないかな。
PCは発想次第で簡単で短時間にそれを形にしてくれるはず。
そしてそれをオペレーティングに落とし込むでなく、
描くという心を不断に維持する志を持ちたい。
漫画に描く場の雰囲気や空気感、そうした情感をスタイルに昇華して、
音楽的に表現できればいいなと願う。

今回、反射衛星砲や冥王星基地の概観を描いていて、
2199で宮武さんの描いた設定って、イメージを供給するって印象って言うか、
そこから絵を起こそうとすると
描く側でディティールや構造を膨らませたり馴染ませたりという手数がかなり必要だった。
事物を細やかに限定していく今のアニメの設定の考え方ではない。
なんだか宮武さんに宿題出されてるみたいで、不思議な感覚w
なので僕なりの解釈やアレンジで描いたのだけれど、
宿題の評価はどうなるかな。

そうして冥王星をしこしこ描いていたら、
ついにTV放映にも追い越されてしまったか!かっかっか。
しかし改めて冥王星編を見たけど、
基地の人たちの台詞を僕は殆ど再配分して、かなり違う人に喋らせてるのを思い出した。
シュルツと部下の関係性や、人柄を表現するにはそれが必要だったんだもん。
台詞の内容は同じでも、喋る人が違うと立ち位置や見えてくるものが変わるから。
それでいて物語の展開を変えないでも済むし。
コミックス3巻は、ガミラス側にドラマの力点を置くことにして、
今後につながる星間戦争としての視点をバランスする目論見があった。
出版社の都合でグリーゼまで掲載する前に単行本化になってしまったけれど、
それでも読後感として形成できるところまでは持っていけたように思う。
コミックスには収録しない15話の扉絵は、
イタリア軍研究家の吉川和篤おねえさまのコレクションからお借りした写真を参考に描きましたの。
以前より拝見していたおねえさまの収集品から、
ヨーロッパの軍隊のスナップにある、人の持つ空気というものが印象に残っていたので。
冥王星前線基地のザルツ星旅団にそんなイメージを重ねて。

新潟市の「マンガの家」で催されている「2199漫画の世界」展は
まもなく第2弾の模様替え。
コミックス2巻の原稿が掲示される。
そしてそして、月末の30日にはトークライブとサイン会なんたるものが!
http://house.nmam.jp/2013/05/23/0630talklive/
こちらの〆切もあって先方とまだ打ち合わせもないし、
そもそも社長時代に懲りて、人様の前で話をするのは自分には向かないと思っているので、
何を話したらいいのか途方にくれていたら、
氷川竜介さんのアドバイスもいただいて、
2199というアニメと漫画の表現の差として心がけているものとか、
僕が描くという行為の中で意識していること、大切にしていることを軸にしていこうと思ってる。
会場はマンガの家の研修スペースを予定しているようだけれど、
参加希望者が多い場合は近隣施設に変更も考えているみたい。
日曜だし夕方5時にはヤマトが放映されるので、(13話?)
そのまま参加の皆で観られるよう手配ができたらいいな。

脱稿したらもう6月。第6章も公開するし、まだまだゆっくり休む時間はなさそう。

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