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2013年7月10日 (水)

お引越し

今日は日帰りで愛知県豊川市の日本車輌製造㈱へ取材に。
新幹線の工場は、以前に神戸の川崎重工へ行ったことがあったけれど、
鉄分の多い事業所はやはり見ていて楽しい。
汗だくになって、あちこち見学させていただいた。

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今日はニュータイプエース誌の発売日。
お手に取った方は既にお気づきと思うけれど、今号で休刊となる。
いつも楽しみに読んでいた「輻輳のマーグメルド」と「こわいものみたさん」が
読めなくなると思うと残念で仕方がない。
氷川竜介さんの「ヤマト温故知新」は、
僕の知らないヤマトがどんどん現出されていく圧巻に胸躍る思いだった。
先人たちの大いなる試みの数々を知り、
そのマインドを漫画2199にどう生かすべきなのか、
考える機会をたくさんいただいた。
氷川さんと初めてお会いしたときに見せていただいた、
OPの欠番カットの解説を交えたお話でコラムが閉じたのも
とても感慨深い。
(お疲れ様でした。ありがとうございました)
雑誌媒体っていうパッケージの魅力は
好きなものだけを見たり読んだりするある種の偏食を、
もっと味わいの深い世界へと間口を押し広げて導いてくれるものだと思っている。
NA誌って普段全然知らない読まないような作品も多くて、
とても刺激的だった。
そうした機会がまぎれもなく一つ減ったのだ。
淋しい。

僕が連載をさせていただいている
「宇宙戦艦ヤマト2199」は角川とニコニコ動画で展開している
webコミックのサイトへ移籍となる。
「角川ニコニコエース」と言うらしい。http://info.nicovideo.jp/seiga/nicoace/
なので紙媒体で連載の提供は、この23号まで。
このニコニコの「ニコニコ静画」なるサービスを利用した漫画のポータルサイトに
雑誌のそうした豊かさがあるのかは知らないけれど、
連載を続ける場をいただけるのはとてもありがたい。
(これまでも雑誌掲載後にアップはされていたから、正確には移籍ではないのかも)
掲載作品も電子書籍オンリーになるわけではなく、
従来のコミックスとしての刊行もされるはず。
担当編集とも、次の4巻は年末か年明け…って計画を話していたしね。
ヤマトに限らず、他のタイアップ作品においても、
雑誌がなくなるということに対して
製作者サイドからは異論も異議もあったようだけれど、
それはwebで漫画をどう展開し、力を与えていくか、
角川の本気を問われているのだと思う。
事業や組織の大きな再編成をしていこうという中で、
雑誌という存在そのものの在り方も問うていくのだろうか。
先のブックフェアでの角川歴彦会長の基調講演にもあったように、
デジタル化を背景にしたパラダイムと技術の変化の中で、
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1307/03/news117.html
ニコニコへの相乗りが、その姿勢の本質だとは思わないし、
大きな発想と波の中でどうなっていくのか。
この移籍は、NA誌の購読を躊躇していた人には朗報なのかもしれないとも思う。
自分は前述のように、
偏食を潔しとしない人間なので、雑誌の雑食性を好しとするけれど、
物理存在がないのだから、低廉でしかも狙ったものだけ手に入るのは
多くの人にヤマトを知ってもらう機会をまた作ってくれるのかもしれない。
どうなっていくのかな。
雑誌掲載っていう紙媒体への想いというのは、なかなかに断ちがたい。
でも今はこのwebでの展開を組織がどうしていこうと考えているのか
せっかく移籍というその流れの中に自分があるのだから、
そこをしっかり見てみたいと思う。
僕もやはり角川の本気が気になるので。
とは言え、僕のするべきことは、
ちゃんと漫画を描くことに尽きるのだが。

製作委員会さんとも実に円満。
漫画がアニメの援護射撃の責務を果たしていることに評価をしてくれているし、
作品のみならず、仕事の姿勢を含めた信頼関係の中で
良好なやり取りができていると僕は感じている。
アニメのほうが第7章の制作に懸命に傾注する中で、
スタッフとはいえ、現在は漫画番頭の僕へ
あれこれと仕事の発注が増えている。
(ようは本編以外の仕事に人材がさけないのね)
応援係を自認する自分としては、
できる限りの力添えをしていけたらと思っている。
ということで夏コミの企業ブースにヤマトが出展する際の商品などの絵を何点か請け負ったので、
がんばって描かないと。
その打ち合わせで製作委員会のG氏と会合を持った際に、
漫画版はこの先どのくらい続けてどんなお話にするの?みたいな話題になって、
来年TV放映40周年もあるのでそこを視野に入れながら、力を入れていき、
全体ではこのくらいのボリュームでなどというお話をした。
物語についてのいくつかの腹案も披露したら、
とても面白そうと言ってもらったので、
それらを実現できていけたらと思っている。
なので、しばらくは漫画を描いていけそう。

しかし、移籍において最大の問題は
僕がニコニコのアカウントを持ってないってことなんだよね。
というかTwitterやpixiv、FACEBOOK、LINEその他の種々のネットサービスの
アカウントを僕は殆ど持っていない。
理由は二つ。
一つはクレジットカードを持ってないので、
ネット上のサービスの多くを享受できないため。
もう一つは、時間がないこと。
ネットで動画を見たり、絵を投稿したり眺めたりする時間があるなら、
休日なしで毎日午前9時から午前3時まで机に向かって仕事してない。
そういう余裕がないのだ。
僕はもともと誘惑に弱いので、
自分の身の回りにそうしたものの侵入を許すと、とたんにグダグダになる。
だから周囲に置かないことで維持してるから。
家に酒もお菓子も置かないのもそう。
クレジットカードのツケ払いで財布の紐が緩まないように持たないのもそれ。
ネットのアカウントを持たないのも同じ。
友人が「ニコニコの***の動画が面白い」って紹介してくれても観られない。
「今度ニコ生に出るから見て」と言われても応えられない。
TwitterでRTや拡散して欲しい素振りがあっても、まったく力になれない。
それらのどれかを受け入れたら
僕は漫画が描けない駄目人間になってしまうから。
不義理で非人情な奴と後ろ指さされても、自分には漫画しかないので、
そうして自分を戒めていくしかないのだもの。
なので、自分の掲載作品を自分で読めない状況が続くのだろうなぁ。
ということで、移籍後の作品がどのように閲覧できるのか
有料か無料か、閲覧ソフトのDLがいるのかとか全然知らない。
それはこの日記を読んでいただいている皆さんのほうが詳しいのだろうなぁ。

ということでお引越しをいたしまする。
どうぞ変わらぬご愛顧を。

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