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2013年9月

2013年9月27日 (金)

誕生日だったり

自転車を漕いでたら、花の蜜を吸っている蝶を見た。
もう多分今年最後の蝶だろう。
それよりなんだかそうした光景を街中では随分見ていなかったのでホッとした。
先日、新潟へ行った折に、食用菊を夕食にいただいた。
口中に菊の花の香りが膨らんで、幸せな気持ちになった。
花弁をお茶にしたり、オイルを採ったりということは他所の国でもあるけれど、
こうしてそのまま食す習慣を持つ国はどれくらいあるんだろう。
秋の花で僕は菊花の香りが一番好き。
青くてひんやりとして心地いい。冬の前触れを予感させるに相応しい切なさがある。
都内下町の自分の住まいの周りではあまり菊を見かけないけれど、
僕の育った村では畑の隅のちいさな隙間に農家の人がよく野菊を植えていた。
日が早く沈むようになって、家路に着くときには見えるものより香りが主張を強める。
冷えた空気の中で菊の香りは静かに存在を誇っているようだった。
そういう場に一人でいるのがとても好き。
そんな9月で、昨日は僕の誕生日だった。

歳をとるのが嬉しい年齢ではないけれど、
変な焦りはないものの、自分はイイ歳して何をやってるかなぁという、
落ち着きのない生活をしております。
誕生日からの1年も、
ありがたいことではありますが、きっと原稿を描いている生活だろうなと思います。
七転び八起きではなく、なんだか社長時代からこっち七転八倒で、
倒れることのほうが一つ多い感じでありますがw

今年は学生時代の仲間が病に倒れてしまうことも聞こえるようになって、
自分も気をつけないとと思ってます。
朝9時から夜中の3時まで机に向かってる生活なので
異常な運動不足は否めないのと、
だんだん目が悪くなってきていて、遠くのものがかすんできました。
ちまちま細かい絵を描くのには裸眼でも別に問題ないのですが、
以前より遠くがぼけるのはやっぱり不自由なものですね。
ずっと目が良かったので、そんな不自由が気になります。

ヤマトは今週末でいよいよTVでの最終回。
あっという間の半年でしたが、
僕が2011年の夏に参加してからまる2年。感慨深いです。
来年はヤマトの放映40周年だし、まだまだ話題はつきないで動いてくれるのかなと期待しつつ、
こちらは漫画を描いて参ります。
今は太陽祭の終盤。
アニメ本編とは違うルートをとるための布石をたくさん散りばめているところ。
イスカンダルにはまだまだ遠いですが、
たどり着けるようがんばります。
新年早々には4巻も出る予定なので
ヤマトの航海を支援するつもりで手に取ってくださいませw

ということで、仕事に戻ります。
ネームがあがったので、これから一人でこつこつ30頁…。

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2013年9月 5日 (木)

夏のおわり

脱稿した。
ニコニコエースの公開は月末なのに、〆切が約1ヶ月前というのは解せないが、
web掲載というシステムに編集部もまだ流れが掴み切れてない感じ。
ヤマトの7章公開やコミケでの物販などにからんで、漫画以外の仕事も重なり、
連載の頁が稼げないのはもどかしい。
それにもうちょっとマメに日記を書きたいのだけれど、
とにかくなんだか、仕事ばかりで時間があまりない。
あまりかしこまらずに短い文章でもいいのかもなので、記していきたい。

ヤマト2199第7章も今週金曜までだ。
試写会が公開日前日という怒涛のようなスケジュールでの制作で、
スタッフの皆んなの努力と苦労が察せられて、頭が下がる。
だから僕も漫画で頑張るという意識でいたつもり。
アフレコを見学したいと、製作委員会に我儘を言っていたら、
同席することを許していただいたのは、たまたま最終回の収録日だった。
相変わらず、シナリオも絵コンテも読んでなかったので、
ネタバレになってしまったわけだけれど、
最終回は最終回なので、大筋はそのままだし、
7章は23~25話こそが2199の胆であるから、映画自体は自然に楽しめた。
アフレコ見学に少し話を戻すと、
僕は高校時代に委員会活動で放送室に出入りして、
校内放送でのお昼の音楽番組などを担当していたし、(選曲とMCも)
親しくしてもらった放送部は全国入賞をたびたびする名門だったから
(現在も放送関係者が業界に多い)
声のお仕事というものに親しみと憧れがあった。
だから初めてのアフレコ見学がヤマトで、しかも最終回で大感激。
総監督と演出の榎本さん、そして音響監督の吉田さんの
演出に推敲を重ねるコミュニケーションと、
それを声優さんたちの演技に落とし込む吉田さんの誘導のスキルが素晴らしい。
表現や口調を限定することなく、
演技者の想像力を働かせながら、狙った演技、はてはその先を導き出す。
声優さんたちの技術も瞬発力も素晴らしい。まさに臨機応変。
スタジオはまさしくプロの仕事の場だった。
収録後は主役の方々への花束の贈呈や、
プロデューサーさんからのケーキのふるまいがあって、和気藹々。
僕は内田彩さんにお声をかけていただいて、少しだけお話したのちに
漫画の原稿もあるのでお礼を述べてその場を引いた。
たくさん力をもらった気がした。
そして第7章。
試写を楽しく観て感じたのは二つ。
宿題をたくさん手渡されたなぁってことと、
ヤマトの長い航海に自分は乗っていたんだなってこと。
僕自身は7章は楽しかった。
実は続く初日にも新宿ピカデリで観て思ったのだけれど、
7章は二日目からが美味しい。
異論や物足りなさを感じる人はいるだろうけれど、
2199という作品の回答として、示したものは僕はこれで正しいと思う。
そしてそうした回答はここまで愛されている作品においては
その個々人が抱いているものがあって、
固定化はすなわちギャップを意識せざるを得ない現実を生む。
だけど僕らはそれでも想像力を持っている。
かつての作品でもその物語に触発されて色んな自分のイメージを広げたではないか。
僕らはその新たなきっかけを手にしたのだ。
7章の展開に驚きという心理が作用する1回目ではなく
2回目からは、きっと登場人物の心に寄り添えている自分に気づくはずだ。
その時に、2199はきっと新しい自分の心の随伴者になっていることと思う。
どちらかというと「ガミラス寄り」と言われる2199だけど、(笑)
7章のデスラーの心理の理解に困惑している人が多い印象。
でも旧い組織を背負った若い経営者として見ると、
僕には我がことのようにその気持ちが伝わってくる。
組織のトップに立つことでしか見えないものがある。
トップゆえに味わう絶対的な孤独がある。
そこから生じる心も行動も周囲からは理解されないのだ。
タランや閣僚たちの常識的な疑問符は皆それだ。
元社長で、従業員の生活のためと社業を継いだけれど、
その従業員との心のギャップに苦しみ、追いつめられ、廃業を決断した自分には
デスラーの言葉はただ涙だった。
沖田艦長や古代くん、森雪が大好きな自分がデスラーに泣かされると思わなかったよ!
そして逆に固定されなかった物語や心がある。
それが僕にとってのカントクからの宿題。
縁があって途中からだったけれど、このヤマトという艦に乗せていただき、
感謝でいっぱい。
子供の頃からの憧れの艦だったのだもの。
僕はまだしばらくは下艦できないけれど、
まずは長い航海を終えたスタッフのみなさま、お疲れ様でした。
次なる航海があることに期待しつつ。

そうそう、スタッフとしての心残りは
モブキャラでいいからデザインしたかったなー。
艦内モニター担当ではあったけど、一応漫画家だしw
と7章完成後に言ったら、カントクさまが「言ってよー」だって。
いやはや、小心者でして、自分からは言えないのw

連載漫画はしばらく「赤道太陽祭」が続く。

Y18_03Y18_09
このお話はこの先に登場人物たちの行動や運命の根になる部分が多いので、
どうしても頁をさかずにはいられない。
僕の漫画がアニメ本編の補完になっているとの言葉が多いけれど、
僕は少し違うところを目指している。
寄り添っているようで、目的地は違う。
主たるキャラの中で一番違ってくるのは恐らく玲ちゃんだと思う。
沖田艦長も考えを示し始める。
そうした違いをこの話でまた少し広げていく予定。
キャラクターが異なる主張や行動を見せると、
アニメ本編のように違和感を唱える人も増えると思うけれど、それは覚悟をしている。
それが宿題だとも思っているし、
僕自身の表現者としての野心だから。
単行本4巻には、グリーゼ581での戦いまでは収録するつもり。
発売は年末か年明けになりそう。
そうしたらオルタの話は割愛して、メルダ編にいくつもり。
そういえば、ニコニコエースに移籍したみたものの、
アカウントないから自分の作品が見られない不自由が続いている。
弱ったものだ。
次回は扉絵がないけれど、考えてみるとwebは物理印刷物ではないから、
白頁を入れてもコストロスがない。
なので以降は頁の繰りに関係なく毎回、扉絵を描いていく予定。
できればカラーでと考えている。

連載を脱稿して、新潟へ行ってきた。
会期が延長になっていたヤマトの漫画の原画展の最終日に顔を出すためだ。
お世話になったスタッフの皆さんにお礼を言うつもりだったのだけど、
結局はまたお気遣いいただき、世話になってしまったというオチが…。
「マンガの家」は夏休みも明けて、訪問者も少ないまったりとした最終日で、
午後からそこで静かに過ごした。
スタッフさんたちはそれでも、市やイベントの業務もあるからそれぞれに忙しくされている。
僕は邪魔をしないように、奥の講義用のテーブルで絵など描いたりして。

Yuria
(原画はマンガの家に残してきました)
途中、新潟市文化政策課の担当者さんや
トークイベントでお世話になった日本アニメ・マンガ専門学校(JAM)の方もいらっしゃって、
ご挨拶など交わす。
JAMさんには酒と交通費があれば何でもしますと言ってみたりw
閉館後にお礼を述べて、今度はマンガ・アニメ情報館へ顔を出す。
前回、トークイベントの際に、家で栽培されてる枝豆をたくさんくださった
大美女のスタッフさんにお礼の品を渡すため。
勢い、そのまま、現在展示中の「魔界王子展」を覗く。
http://museum.nmam.jp/2013/07/20/makaiouji/
原作もアニメも全然知らないのだけど、
なんか自分にはない世界を見せてもらった感じ。
でもデスラー総統を描くのに大変参考になった。
塗り絵もしてきたw
並行して展示されていた
五十嵐かおるさんの「いじめ」シリーズの原画も良かった。
http://museum.nmam.jp/2013/08/15/ijime/
一見、記号化の進んだ絵だけれど、
モノクロの画稿はそれが抑えられていて、すんなりと物語に向き合える。
僕も小学校ではイジメにあっていたので、
こういう心に寄り添える作品があることは、きっと希望や救いのつてになるだろうなと思う。
この会場にも、ヤマトの展示でお世話になった方が多いので、折に触れご挨拶。
そしてそのまま、怒涛の呑みに。
野郎3人で呑みはじめて、気がついたら天辺を過ぎて
呑んだ日本酒の量が2升7合っていうから、一人9合。
いやはや、よく呑んだ。
とすっかりご馳走に…orz
翌日もお付き合いをいただいて、
新幹線に乗るまでの時間を、「海が見たいの」という僕の我儘をきいてくれ、
フデタニンがいつもビール呑みながら一人海を眺めるというビューポイントまで。
そこで生まれて初めて佐渡島を見たりして、帰途に。
新潟市はとても好きな街になった。
また御縁があるといいな。

2013090413260000

かくて9月。今月も原稿を頑張ろう。

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