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2014年4月16日 (水)

まがい物の見る方角

連載をなんとか脱稿した。
厳しかった。

Y25_04

連載原稿と並行して
22日から池袋で行われるヤマト2199原画展関係の仕事が数本走っていたので、
物凄い日程と作業量になってしまっていた。
http://yamato2199.gengaten.com/
原画展での仕事のいくつかは既に発表になっている。(未発表の段階のものもある)
オリジナルグッズで、iPhone5の外装フィルム「Synchroskin」のデザインと監修。
西武鉄道の原画展記念切符のイラストとその冊子状切符の編集のお手伝い。

フィルムの方は、メーターをイメージした商品を作りたいのでということで、
一応アニメ本編でメーター関係をデザインしていた自分に御指名が。
漫画を描きながら監修作業を何度も重ねたので、
日程的にギリギリまでおしてしまったのは、申し訳なく思っている。
僕のデザイン画を業者がIllustratorで作図していく過程で、
どうしてもイメージの齟齬が出るから、そこをすり合わせしていく必要があるのだ。Photo
ヤマト的な味わいと表情を大事にしたいという業者の意見があり、
作図された線に僕の手描きのタッチを薄く重ねたり、
背景表面の陰影に僕が微妙にレタッチしたりと手間が色々かかっている。
フィルムだけでなく、待ちうけ画面やアイコンがダウンロードできるので、
裏面と若干違った絵になるようにしたり、
僕のイラストからキャラのアイコンを作成してもらったりもしているので、
iPhoneを利用の人は楽しめるかも。
(僕はドコモのガラケーw)

記念切符は
切符面のイラストを発注したいのでという依頼で、
西武さんを交えた会議に出席したら、
ブックレット型ということもあって、元編集者の性というか
あれこれ意見をついつい言ってしまって、
特典ハガキは男性キャラでと推したら、「じゃあ僕が新規で描きましょう」とか
子供っぽい誌面ではなく、落ち着いた構成にしましょうとか
言ってしまった以上は責任を果たさねばならないので、
冊子の編集のお手伝いまですることに…。
絵描きという立場での参加であるのに、
デザインから制作進行の整流まで、あれこれと差し出がましく関わったことに、
デザイン編集会社の担当さんには随分な失礼をしたなと恐縮している。
中身は既存の絵素材を利用することや
ヤマトに触れたことのない人を意識したものという方針がまとまったので、
そんなにコアなものにはなっていないけれど、
キレイな作りにはなっていると思う。
関わった人たちの士気が高く、
納期の短い中、スピード感のある判断でものを作っていく作業は、
大変だけど心地よかった。
西武鉄道の駅長さんたちはヤマト直撃世代の方が多く、
この切符の発売をとても喜んでくださっていると聞く。
限定各2199部でという企画だったのだけど、
発表になったら3000部になっていたのはご愛嬌w
今回描いた絵は合計4点。
原画展にはその彩色用肉筆線画も展示されるらしく、
図録にも完成した画を紹介の意味で小さく収録するとのこと。
末席を汚すようだけど、嬉しい。
絵葉書は男性キャラのみでという自分の企画が通ったので、
2199のビジュアルではあまりなかった取り合わせを打ち出せたと思う。

Postcard_yamato_cmyk

Postcard_garmillas_cmyk

手に取った人に喜んで貰えたらいいなと願って描いたのだけれど、
「またむらかわか。公式のアニメーターの絵がよかった」
という声がネットにあることを聞かされた。
僕はまがい物、偽物なんだろうなと、とても凹んでしまった。
あんまり悲しくて、その日はもう絵が描けず、
〆切は迫っていたけど漫画の手を止めて、早々に寝てしまった。
僕は率先してイラストのお仕事の営業をしているわけではない。
僕だって、結城にいちゃんの絵が大好きで、見たいと思っているし、
僕の絵がでしゃばることにずっと恐縮している。
だけど劇場版を年末に控えて制作の現場は忙しく、
仕事に傾注する艦橋を整えたいという製作委員会の心遣いから、
漫画を担当している僕にやむなく声をかけているであろうことは、
誰でも容易に想像できることだと思う。
僕はアニメを応援する役だと意識しているので、
自分に求められ、出来ることを誠意を持ってお手伝いさせていただいている。
自分でスミマセンって思いながら頑張っている。
だけど人によっては僕ではやっぱり「ガッカリ」なんだろうな。

父の急逝で、そのままでは倒産してしまうからと
社員の仕事と生活を守るために、
編集を辞してメーカーの社長を継いだとき、
社員は自分の都合のよい、心地の良い場を維持することさえ出来ればよく、
父の代用品、まがい物として
僕の努力も意見も理想も、霧散していく扱いと現実に
苦しみつづけた日々を思い出した。
「誰かのために」という想いは、
期待や願いとともに、心の大切なものをその誰かに預ける行為だ。
だから傷は深いところに達する。
またそれをやってしまったんだなと感じた。
作品は発表した段階で色々言われることは仕方がない。
責任無責任問わず、そうした声はあっていい。
だけど、僕を含め、漫画家や絵描きは
受け手に都合のいい娯楽を提供する自動機械じゃない。
心のある人間なんだ。
だからと言って誰かにああしろ、こうしろと求めるのは違うだろう。
自分を改めることが、自分のできる最善のこと。
なので、「誰かのために」という気持ちで動くことは慎む。
そういう色気や欲を捨てていこう。
自分の作品の表現や絵に向き合い、
納得度を高めていくことに力をつくしていこうと考える。
ファンを意識して率先して商品や絵の提案をするようなことは
もうしないつもり。
作品から感じてもらうという本来に立ち返って臨みたい。
僕は馬鹿だから、つい、甘く華やかな夢を見たくなる。
だけど僕の見るべき夢は、それとは違う方角にあるということだ。

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