ヤマト講座vol.10 その2とか
やっと、脱稿した。ふぅ。
先月よりも8頁多い36頁だったのもあったけれど、
なんだか大変な絵ばかりを描いてしまって、
http://gyazo.com/81e189b4f2a9af5a8edf30bc7cde3d04
角川の担当から、「ここのところ描きこみが凄いんですが、体調は大丈夫ですか?」
と心配されてしまったりなんかして、
アシさんからも最近絵が細かいと指摘を受けたりしているし、
実際、手の全指がずっと痛んでいて、整形外科で検査も受けたりもしているが、
いやでもなんか、自分で目指している絵のイメージを
ずっとあれこれ描写の密度とか表情の艶とか構図の妙とか色々模索してきた中で、
至った結果だったりする。
「響け!ユーフォニアム」で上手くなりたいという熱病に触れていたけれど、
僕もずっとそんな感じだ。
型や手癖におもねらず、描くものと対話を重ねて、手を動かす。
己の才能の不足という現実を突きつけられ心引き裂かれそうでも
それを続ける限り、努力で絵は上手くなる。
友人の漫画家の峠比呂タンに
「いい歳したオッサンなのに、絵が上手になってきていて、凄い」と褒められて、
それは心底嬉しくて、そしてその言葉を宝石のように大切にして
また描いていこうと思う。
物語はフラーケンたんのターンが終わって、メルダ再登場で次回へ続く。
僕はアニメ本編のガミラス本星でメルダの着ていた
頭の悪いラッパーみたいな私服がどうにもださくて納得いかなかったので、
全然違うアプローチにしてみた。
更新は6月30日火曜の予定。
あ、ヤマト講座についてだったw
自分嫌いなので、ニコニコの生放送で自分を世間にさらすのは耐え難く、
それでも会場にこれない事情や、地方の方々にも触れる機会をと
悶々と悩んでいたら、音声だけの配信もできるということで、
ラジオのように楽しんでいただけるかもと、OKに。
画面に何もないと淋しいかなと思ったので、
静止画面に映るようにイラストを仕立てたのだけれど、
これはなぜか手際が上手くいかず、使われなかったみたい。
事前の小林さんとの打ち合わせから、出来てきたレジュメを踏まえて、
何を喋ろうかあれこれと考えて、それを何度も声に出して反芻し、臨んだのだけど、
一人で喋る講演・講座ではなく、相手との掛け合いだし、
時間に制限もあるから
用意した言葉の半分も話していない。
逆に用意していないような言葉を引き出してももらい、
とても和やかに楽しく僕自身が過ごすことができた。
それは小林さん、ゲストとして顔を出してくれた玉盛さん、そしてお客様のおかげ。
玉盛さんもメカのデザインについてもっとお話できるネタを
用意されていらしたのに、
なんだか、コミックス第7巻のカバー画の公開ブレストみたいになってしまって、
スミマセン。
コミックは今描いているものをくるんで、9月末に発売予定なので、
そろそろマジで打ち合わせが必要だったのだw
ということで、次元潜航艦とドメラーズⅢでヨロ。
1枚の絵に艦は2隻までということで承知しましたー。
そういえば、講座でも触れたロボ嫌いの話w
なんだかAmazonのおすすめ商品のメールで、
やたらにロボのフィギュアとか玩具とか薦めてくるんだけど、
オ イ ラ は ロ ボ に 興 味 な い っ て 言 っ て る だ ろ う が ー!
スパロボ大戦とかもう勘弁してくれレベル。
あの手のロボ物に最近定番になってる陳腐なメタル風歌謡曲も苦痛。
僕はどうも男の子アイテムに基本的に興味ないみたいで、
ヤマトもメカよりは登場人物のドラマの方が好き。
メカなら戦艦のように大きなものか、
ヒーローロボではない働くロボや機械が好きなので、
(ザブングルの一般ウォーカーギャリアとかパトレイバーの工業系レイバーなど)
(市場で走ってるターレットや畑の耕運機も好き。乗用車は別に興味ない)
ガンダム以降にあれこれ出てきたロボットアニメでも、ロボにはとうとう全然興味が沸かない。
そういえば、この歳になって振り返ってみて、
子供の頃からロボの絵はあんまり描いたことない。
ガンダムは依頼があって顔だけw(しかもラフだけ)その1回きりで、以後描いたこともない。
連載の関係でアナライザーを描いてるのが人生最多ロボだな!
戦艦が好きなので、戦艦が出ずにMS少女みたいな艦これもあまり興味ない。
ということで、メカもミリタリも素養がないので、
毎度、描くのは泣かされてます。
ニコ生の放送は第2部までで、第3部は会場にお越しいただいた方々とのお楽しみ。
その場にいる人だけが体感できるライブ感のある企画はできないかなと思い、
ヤマト講座では御馴染みの声優の那瀬ひとみさんに
ボツになったBDのピクチャードラマの脚本の一つを、
再構成した僕のラフ画をスクリーン投影しつつ、朗読をしてもらえたらと
小林さんに投げかけてみましたら、見事実現!
「沢村の穴」を読んでいただいたのだけれど、
とても素晴らしいもので、感激。
ピクチャードラマは7本の案のうち、コミカルなものの採用が多く、
設定や心情の隙間を埋めていくような真面目なものは1本に留まったので、
ボツになった1本がまさに映像化されたようで、とても嬉しかった。
もちろんコミカルなエピソードも自分で考えたもの。
企画会議を経て、他のアニメのBD特典の傾向も調べる中で、
本編からキャラクター性を飛躍させたIFモノというか、破綻を楽しむというか、
そういう感覚が見て取れた。
そこで、森雪や玲ちゃんはこんなことしないだろうとは思いつつも、
内面の葛藤をあえて具現したらどうなるかなという
お遊びをやってみたり。
その意味ではそれが採用されたことでも、今風な特典だということかも。
那瀬さんの朗読は会場の評判もすこぶる良く、
ヤマトのそうした自分で考えた短いエピソードの脚本や小説を持ち寄って
彼女に読んでもらう、ヤマト講座の朗読CDみたいな企画が出来たら楽しそう。
そうして楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、
僕は翌日から怒涛の連載執筆へ雪崩れ込み、やっと脱稿(今ここ)。
ヤマト講座散会前の挨拶で、製作委員会ととても円満に仕事をさせていただいている
その幸福とご縁を大切にしていきたいという気持ちを述べさせてもらった。
コミライズをやっていると、この作品の将来ってどうなるのかなと思う時がある。
原作物もしかり、権利は案分されてるので、
オリジナルのように漫画家の自由になる訳ではない。
また「キャンディキャンディ」みたいになると、ヒット作でも封印。
製作委員会と円満に仕事ができている事が、ヤマトの将来に善き道になればと願う。
先々、再版とか廉価版とか簡単に発行できるように、関係が良好であれば、
ヤマトの普及はもちろん、復活とか、そうしたことの力になる。
僕の漫画というより、これまで、そしてこれから、
ヤマトという作品が愛されて、息の長い存在になってくれればと思う。
それが大好きなヤマトの漫画を任せていただいている、自分の出来ること、願うことだ。
| 固定リンク