ここまでが8巻+α
今月の連載を脱稿。ちゃんと30頁以上描いている。
節制と身体を動かすよう努めることで
色々な指標に黄色と赤信号がついていた体調もなんとか健全化へ進めている。
このまま描き進められるといいな。
今月分はちょうど8巻の最後でカットし9巻送りになった部分16頁と
そこに物語と演出を加えたもので、
ここまでが8巻だったという感じのものになっている。
ただ加えた15頁と先月の4頁は、
8巻の構成を変えたからこそこうして描けた部分も多く、
結果として良いものを得られたと思っている。
9巻は真田さんの罪の意識の所在、そしてその甦生・更生を背景に据えているので、
その滑り出しの意味でも構造的に面白くなった感じ。
連載で追って下さっている読者の方々には
まずここで反乱編の顛末を楽しんでいただけたらと思う。
更新はニコニコが30日、Comicwalkerが31日だそうだ。(5/30追記:walkerは6/1だそうです)
今回の見所はたくさんあると思うのだけど、
まず一つが、あびゅうきょ先生に描いていただいた大きいイメージカット。
ネーム段階で僕の素案を示してはあったのだけど、
ご自身のイメージを優先して下さいとお願いしたら、
予想を凌駕する絵が出来上がってきて、物凄く嬉しかった。
元のネームではこんな感じ。https://gyazo.com/fe25764cc606d38304eae4081cc71882
アシさんを含めて、僕はいつもJAZZのセッションのような仕事ができたらと考えている。
指示待ちやパターン化ではなく、
これまで生きてきた人生の経験や感受性を体現する仕事。
それをぶつけ合う中で生まれるインプロバイズ。
自分も野上武志さんの作品にアシとして参加する際には底流にそれを心がけていたけれど、
あびゅうきょ先生のそれはまさに真骨頂だ。http://www.pixiv.net/member.php?id=2689641
素晴らしい。
今回はカラーの扉絵も用意した。
時間の都合で書店の特典用に描いた線画に彩色を施したものだけれど、
これも、普段にアシストいただいている浅乃ミサキさんにhttp://www.pixiv.net/member.php?id=693913
簡単なイメージだけ伝えて、
あとは自分の発想で自由にアプローチしてもらった。
紫を基軸色に据え、大きなブラシの階調で施した陰影が印象的で、
それを尊重しながら最終的に僕がタッチを加えて完成。
これも一つのセッション。
「追憶の航海」のEDイラストで描いたお風呂のシーンが、
自分でも印象的だったので、それをドラマに組み込んでみた。
「ドキッ!男だらけの大浴場 マル秘作戦!」的なアレなシーンに見えるけど、
いたって真面目な内容。
https://gyazo.com/1c84aad8ad1b8db73b0c75d2b7c213d2
ただやはり島の陰○には駄目出しがががが。
普通に人体を描きたいだけなのに、そういうものに「卑猥」認定と
自主規制を持ち出す発想を僕は憎む。
ラブシーンでもなければ暴力的差別的な性行為でもない絵や内容を
なんでも猥褻へと事物を傾斜した目に持っていき、
リスク管理の名目で縛りをかける思想は狂っているから。
少なくともそれを描き手側が進んで受け入れることはしていけない。
それはリスク回避主義者に利用される悪しき前例を作るだけ。
今回、このシーンには他にも色々意見交換がされたけれど、
あまり酷いようなら掲載は見送りし、原稿を落とすと編集部には伝えておいた。
その覚悟と、一緒に戦って欲しいという願いを込めて。
というか、全身が毛深い人は、
どこまでが胸毛腹毛で、どこからが陰○なのか、区別できるのか?
どこからの何がどう猥褻なのか?
どれもただの毛じゃないのか?
そこの見解をはっきりさせないと許さないぞ!と言ってやろうかと思ったけど、
まぁそこは我慢した。
なので編集部が勝手にトリミングしたけれど、(事後承諾)
本当は○毛はしっかり描いてある。
僕はこういう毛の描写って、人間らしくて可愛いと思うんだけどなぁ。
島は結城にいちゃんが前に手がけたTVアニメ「地球へ…」での
セルジュのイメージが残っていて、
クセ毛や肌の色、快活な少年っぽさを持っている。
そこに恥○とか成長過渡にあるゆえのアンバランスな魅力だと思うんだけど。
ユリーシャの自動車事故の絵を描こうと思ってはたと気づいた。
アカン!こんな爆発してたら乗員死んでるよ!
https://gyazo.com/759450549c0f52180f0498f4dd5a5783
ということでネーム見直し…。
ヤマト描いてると爆発がデフォなので、つい大破轟沈状態に。あぶないあぶないw
重核子爆弾も登場。
「永遠に」とは違うアプローチで、ドラマに肉付けできたように思う。
ただこのコマを描くのに7時間もかかっちゃったよ…orz
予想はしていたけど、今月の連載分で一番厳しい絵だった。
設定画は当然ないので、自分で考えて、一人でちまちまと描き続ける。
アシさんたちはこのコマを「7時間」と呼んでいた。
ここから物語はドメルの裁判、メルダの離反、コントロール衛星へと進む。
月面遊園地で真田さんのお姉さんも登場するよ!
それはまた次号。
〆切の日に、はやみんのCD「Live Love Laugh」が届いた。
http://www.amazon.co.jp/dp/B01CNKTCYE
これで原稿を乗り越えた。
声優さんとして声の魅力や世界観、キャラの構築に長けているという面はもちろんだけど、
独特の発声というか歌唱法が際立っていて、個性的な歌手が生まれたなという
印象を強くした。
声優ビジネスに対する批判も理解するけれど、
商法を先行させず、個人の才能を尊ぶものを大切にしていく意味で
好印象のアルバムになっていると思う。
毎日新聞の記事で
秋元康のHKB48の歌詞が女性蔑視だという批判があった。
http://mainichi.jp/articles/20160518/k00/00m/040/041000c
こんなことに目くじらたててと、軽視する言葉も散見されるけど、
この記事の女性蔑視の指摘は正しい。
戦後からの女性の権利や地位向上の流れの中で、
雇用機会均等法などを経て、まだまだ女性の参画する社会と文化のあり方は
その理念に向けて道半ばにあり、模索が続いている。
それを逆行させ、旧来の男性側の価値観に落としこんだ美徳を鼓舞するのは
批判されて当然だろう。
それを今だけを見て「コイツらイケてない」と嗤うのは、歴史のどこを見て言ってるのか。
浅はかにつきる。
秋元の歌詞は確か以前にも別の曲の内容で同じ批判をされた記憶がある。
つまり常習者であり。1曲に着目して批判をするのではなく、
80年代の「おニャン子」の頃から一貫して変らないこの男の存在、
つまりは女性蔑視観に基づく信条と商法について、
その問題性をマスコミも学者も批判するべき。
これは、江戸時代にはあった、少女を買って遊郭に売り、
芸を仕込んで、飾り窓に並べて「どれがいいでしょう?」と男に買わせる。
そして女には花魁は羨望と教養と格式のある女だと目標と自尊心を刺激し
価値を摩り替え信じ込ませる。
その現代版であり、女衒商売とも言うべきものだ。
そういう古い女性蔑視の商売システムをそのまま倣ったスタイルで、
女性を集団で安く低リスクで商品化し消費していくのに、
自尊心と達成感で若い女性は錯覚させれらたまま喜んで隷属する。
その商法の巧妙さは本当に女性差別的で、かつ狡猾で汚らしい。
こんな前近代的なものを、日本の芸能のクールさとして喧伝していくことで、
日本は本当にいいのか?
アジアの国を旅して思ったのは、
アジア各国の歌謡ビジネスや楽曲は日本のそれに倣い、影響力が大きい。
なればこそ、この国の芸能は、売春窟の集団商法から脱して、
もっとオープンなステージで個人の才能を大切にしていかないといけないのではないか。
アイドルビジネスはもちろん男女共にオナペットとしての存在意義のあるアイコンだけど、
女衒の仕込んだそれを国の文化芸能の代表においてはアカン。
小休止で点けたBSで80年代の漫才ブームの頃を特集していた。
アイドル歌謡と併行して芸能のフロントを席巻していた様子を
僕は世代的に通過をしてきた訳だけれど、
ゆえに、音楽ではどんどんそこから離れて洋楽やJAZZに傾倒していく時期だった。
お笑いも最初は目新しかったが、どんどんお約束を尊ぶルーチンになっていき、
退屈でダメになったなぁ。
その狂騒のまま日本はバブルを向かえて、
あの頃の模倣やルーチンが特にTVには色濃く残ってしまい、30年。
いまだに抜け切らず、かつ、組織も創作も硬直化をして、
泥沼にあっても沼にいることすら感じられない状態に陥っているように見える。
日本のテレビ40周年を振り返る 雑誌「太陽」特集本を持っているが、
そこに記されたものを読むと、80年代以前の方が創意がある。
バブル以降、スポンサーからの製作費が減っていく中で、
創意や冒険よりも、安定と安価を求めて老化現象と硬直を呼び込んでいった。
子供や女子高生の財布が緩いと知れば、それをもてはやし、
騙すように寵児に押し上げ、金をむさぼる。
そして「浅はかなる偶像」の礼賛が知性と文化を破壊していく。
ここにも秋元商法は深く関わってきている。
そのあげく、TVはDQN御用達に成り下がった。
80年代の狂騒がTVのルーチンに納まらなければ、また違った未来もあったろうに、
歴史の通過点の誤りとでも言えばいいのだろうか。
かくて、TVはゴールデンタイムに、クリエイティブとは程遠い、
タレントが猿の様な面相でリアクションをするだけの空っぽの番組か
飯と名所巡りだけの旅番組で埋まっていく。
あ、僕は友達も少なく子供の頃からTV漬けみたいな生活だったけど、
面白おかしい、楽しい番組はその頃から得意じゃなくて、
お笑いもさして興味なかった。
静かで哀愁のある陰気な番組が好きだったな。
冥王星の敗戦で始まるヤマトもだから惹かれたんだと思う。
「はいふり」みたいなアニメの設計も、
この80年代から続く女衒商売の低劣な真似に過ぎない。
アニメもそろそろこの手の手法は止めて欲しいと切に願う。
親しい鈴木貴昭さんが原案だけど、
キャラデザも最低だし、お話も今のところ酷い。(戦艦は素晴らしいけど)
「はいふり」のキャラデザがどうして駄目なのかといえば、
船には人が必要なものだけれど、キャラが多いなら、
せめて見分けがつくようなデザインで情報を整理しやすくする必要があるのに、
それができないでどれも似た顔ばかり。
ヤマトの登場人物は「はいふり」の約2倍の人数がいるのに、
人物の個性やフォルムなど素直に区別がつく。
はいふりは半分でも区別が付かない。
だから誰が何を言っているのかシーンを理解するのに負担がかかり、
ドラマや物語の把握を妨げている。
キャラデザインが、視聴者にとって雑音にしかなってない。
キャラが多すぎて、それを扱いきれず、ドラマへの親和が弱いから、
当然のごとく「船というキャラ」も沈んで、ただの舞台背景になっちゃう。
デザインから生じる自滅だ。
女の子キャラばかりっていう歪な、女衒商売を踏んでいるので、
デザインには苦労があるけど、
ガルパンはそれを見事にやってのけている。
フミカネさんや野上さんなど複数のデザイナーの素案で差別化しながら
杉本さんの力量が見事にそれを個性として纏め上げて、
あの人数にバラエティを与えている。
そういう良き実例がある中で
「はいふり」はキャラ設定だけで100点満点で500点は減点だ。
そしてこの赤点落第アニメのお話も酷い。
家族だと自分から言った乗組員を捨て置いて親友を選んだことの
艦長としての無責任について、人としての不信を誰も問うことなく、
本人も自覚なく、
鼠とおっぱいで誤魔化して、はいおしまいなのかね。
それで艦と心がまとまるなら、鰯の頭でも艦長ができるよ。楽なもんだ。
才能はあるかもしれない子が実の伴う艦長になっていくことがドラマの軸にあるのなら、
自分の過ちで乗組員を失う地獄を見てこい。
怒りたい、泣きたい、謝りたい、そういうことを人前で出来ない場に
吐きそうになるほど苦しみ悶えてこい。
周囲が仲良く、きゃっきゃうふふでも、
一人だけその輪に入らない責任者としての覚悟を持て。
仲良しチーム、友達感覚だけで動かせないものがある。果たせないものがある。
それを知らしめることも大事じゃないのかね。
雷で想起する家族を失ったトラウマは、無線が入ったらどこへいった?
猫嫌いなのに猫を触ることへの躊躇なしに、猫が平気になっちゃうの?
ドラマってそういう人物の心の変化を、事物との関わりの中で、
体感させるものじゃないの?
んで、ブルーマーメイドここで易々と出るなら、
学生しかいない晴風が武蔵に赴く必要ってあるの?
プロットも滅茶苦茶ズタズタだよ。
戦艦が活躍しなければ、「はいふり」は観るところがないな。(戦艦は素晴らしい)
「はいふり」が今期覇権アニメとか言う奴は「ガンバの冒険」を10回観てこい。
No bucks, no Buck Rogers
20世紀の金とメディアを評したシニカルで的確な言葉だと思うけど、
21世紀はそこからどうなっていくんだろう。
マス媒体は実は旧時代の差別感やドグマに侵されたままに見える。
で、オイラは週末にガルパン4DXを再び観てくる予定。
いよいよ劇場版BDも発売だし、楽しみ。
「ガルパン劇場版お疲れ様本」もいよいよ予約開始っぽい。
オイラの絵も誌面見本で小さく載ってる!
https://bvc.bandaivisual.co.jp/feature/119/
版権画集欲しいけど高いな…。
華さんとやだもーさんとまほ姉とダー様とチョビ子が好き!
(だめだこりゃ!)
[追記]
TVっ子の自分としては、今の民放の最低な内容に吐き気しかしないのだけど、
TVはまだまだ可能性に満ちている。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1604/28/news029.html
NHK-BS「世界ふれあい街歩き」の様な番組を
ナレーションを減らして1日流してみてはどうか。
http://world-cruise2010.com/
昔、フジの深夜番組で4時間半にわたってCMなしで、
高速道路を走る情景だけを流しっぱなしにしている
「日本縦断2002km高速道路の旅」という番組があった。
(僕はビデオで残している)
そういう企画が日本でも出来た。
つまり今のTVは理由をつけてそれが出来ないことにしてる無能だってことなんだよ。
ドライブレコーダーの画像って妙な臨場感があって大好き。
なんでもない風景でもつい見入っちゃうんだよね。
クルマってどこへでも行けるんだ。そう感じさせてくれる。
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