夏来る。
仕事がやっとひと段落。
忙しくて先月は日記更新ができなかった。
やや遅れてしまったが、昨夜2202第12話のモニター設定を納品した。
第1話からここまで枚数にしてA4で60枚。
1枚に複数のモニターの設定を描いているから、
メーター数にして100以上は納めた感じだろう。
考えてみるとキャラ設定とかより圧倒的に多い点数だよね。
でも記録集とかまったく載らない。
そういう影の仕事。
イラストも沢山描いた。もっぱらコミケの寄稿の依頼に応えたもので、
なんだかとにかく沢山描いた。
ただそういう絵はお金を頂戴するものではないので、
ずーっと忙しくしていても、
7月から8月の今日までの収入は1万円。(6月は5万円)
社長をしているときに、経営不振の責任をとって、
手取り7万の収入で5年ほど暮らしたけれど、そのときより貧しい。
その5年間で貧しさにはすっかり慣れているので、
それほどの悲壮感はない。
ただ、こんなに忙しくているのに、どうしてここまで低収入なのかということは感じる。
経営していた会社を畳む決意をする前、父の代からお世話になっている会計士の先生に、
「貴方は社長をやっていてはいけない」と諭された。
それは僕が根本的にあまりお金に興味がないこと。
お金を稼ぐことに熱がないこと。
社長に必要なその執着と資質に欠けているので、
自分も親族も社員も不幸になるだけだと言われた。
僕は働くことは好きだ。
特に志を持った人の力になれるボランタリィなことが大好きで、
気がつくと、お金を頂戴する仕事よりも
無償の絵の依頼を山のように受けてしまって優先してる状態。
僕は、働くことと金銭収入を得るということを結び付けていく才に
欠けているのかもしれない。
ヤマトの連載は休載を余儀なくされ、
いただいたノベライズの仕事を進めていく予定であるけれど、
本の出版は10月だから、
年末まではこのまま、まとまった収入はなさそうだ。
まだ先であろう連載再開まで命をつないでいく努力をしていかないとと思う。
他の漫画を描く仕込みもしていこう。
今日から夏コミだ。
友人宅でコミケットカタログを久々に眺める機会があった。
色んな魅力的な絵が並んでいて、
今の流行の表情とか目ぢからとかデッサンバランスの中に、
こういう絵が描けたらなぁっていう欲求の高まりを感じる。
逆に巧くて個性的でも古かったりどこまでもニッチな絵があって、
豊かさと残酷さの総覧だなと思えてきた。
趣味や嗜好の豊かさを許されることは、何よりも素晴らしい。
でも同時に「商業絵描きとして、自分はどうありたいんだ?」と問いかけてくる。
「漫画の内容が面白ければ売れるはず」で止まってしまったら、
「じゃあなんで人気ないの?」っていう問題に切り込めない。
漫画は絵だ。
自分の絵に魅力が薄いのなら、そこに向き合わないといけない。
僕の尊敬する先達はそこへ果敢に挑戦してる人が多い。逃げてない。
固定読者はある意味で残酷で、
好きになってくれたから作家に寄り添ってくれ、
「面白いです」「絵が好きです」と認めてくれるけれど、
それがニッチな嗜好であるならば、
作家はその狭い市場に安心と安寧を見出し、錯覚して甘え、
自ら墓穴を掘ることにもなりかねない。
だから編集者が要るとも言えるのだけど、
それでもなかなか気づき、自分を変えていける人は少ない。
だからこそコミケとか漫画のイベントは、
描き手が自分を相対化したり、自分に足りないものを見極める機会として、
意義深いなと思う。
僕が二次創作同人誌の寄稿依頼を請け負うのは、
自分の普段描く絵とは違う理念の絵に、触れて描く機会を得られることと、
そうした沢山の絵が集まる即売会っていう場へ
自分を結び付けていく糸になるからだったりするから。
ただ、参加して面白い同人誌じゃないと気持ちが萎えちゃうので、
そういうドキドキも大切。
惰性で作っていたり、編集に意思や意図が薄弱な同人誌は、
もうこれからは距離をおこうと思う。
夏コミではあちこちに原稿を寄せた。
でも、あんまり描いたので
自分でも収拾がつかなくなっているかも。
12日は
小林治さんのFactoryきゃの(東ハ-53a)に
「超人ロックの世紀 50th Birthday book」にカラー画を寄せた。
聖先生が描かれるロックのイラストとは敢えて別の構成で組んでみた。
50周年って凄い。
僕は聖漫画に初めて触れたのは作画グループの「ダリウスの風」で、
しかも近所の人からいただいた週刊少女コミックの古本でだった。
(近所に本屋のない寒村だったので)
よしぞうおねえさまの伊太利堂(東ム-26b)では
斎木さんの御本「BT-42突撃砲写真集」の巻末にイラストを。
珍しく自分から何かお手伝いさせて下さいと無理を申し出て、拙作を掲載していただいた。
うみうし一家・プロジェクトPSstory(東O-23b)へ
古代守と石津副長のイラストを1枚。
脱稿後に冗談で作った絵を「ノベルティに使いたい!」という要請で、
すでに破棄してしまっていた(一発ギャグだし)データをいちから作り直すという
手間を踏んだものが並んでいるはず。
KIYOさんのKIYOCLUB(東O-23a)にはなんだか沢山寄稿したw
まずはけもフレ本。イラスト2枚になぜか結果的に表紙デザインまで…。
そしてヤマト本。
久々のお題というだけでなく、2202のみならずヤマト2や さらばも扱うので、
新作+過去絵加筆版=7枚も寄せてしまった。
それにエディトリアルや、素材撮影のお手伝いまで。
内容の構成をその際に拝見したけれど、攻めまくってる。
なんだかドエライ本になるぞこれは!
表紙も凄いが、ページをめくったとたん、波動砲級のショックで脳髄がしびれる。
これがファンジン、これが同人誌だ。好きこそものの狂気なれ。
うみうしさんのキーマン絵で蝉がでかいのも、実に攻めている。
執筆時に指摘したけど、縮小しない豪気。さすがは遠州灘のビッグママ。
これと同じ勢いが本全体に恐ろしい勢いを与えている。
全68Pが攻めてる。
この本は買った人が楽しめるだけでなく、
描いた人も参加させてもらったことに興奮を感じるはず。
さすがKIYOさんは同人レジェンドだぜ!
13日は
野上武志さんのFirstspear(東Z-16b)ではモノクロイラストを1枚。
同人誌で長らく連載展開してきた「蒼海の世紀」がいよいよ完結。
僕自身も長くお付き合いさせていただいたので、記念に1枚。
本当は本編のお手伝いもしたかったのに、
こちらの仕事があっぷあっぷで叶わず。ごめんなさい。
あとは自分のところ。(東こ-41b)
委託をお受けしているKIYOさんの新刊が2冊もあって、
本人がガンガンに売る気だから、
普段のマイナーサークルじゃなくて、
KIYOCLUBのダミーサークルみたいに見えるだろうな。
僕のところにも新刊があるのが申し訳なくなってくるというか、
みんな委託の本が目当てだろうし、
分相応に隅っこで小さくしていようって思っている。
Twitterとか人様の目に触れる媒体を有している方々が
「お品書き」と称して人通りのある所に看板を掲げられている。
それを見かけると、
自分の夏コミ初売りの新刊の宣伝はあまりしないようにしようと思う。
というかTwitterとかやっていないから、
そもそも宣伝力なんてものがないか!
見栄を張ってはいけないね。はははは。
自分はシャッター通りの更に奥の路地で看板出さずに営業している、
ありふれたラーメンを出すだけの中華店みたいなものに感じる。
身の程を知るのもコミケなのです。
あとは、けもフレ本でコウテイを描いたり、
日本晴の幼女戦記本の表紙をやったり(中身はやってない)
ガルパンのクラーラの絵を描いたけど、
どこにどう並ぶのか、なんかよくわからん。
ともあれ、僕は自分のスペースに小さくなっていると思うので、
KIYOさんの本を買いにお立ち寄りいただいた際に、
ああ、あれだなと一瞥いただければと思います。
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