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2018年5月11日 (金)

ヤマト三昧のラジオでした

春から並行して抱えていた大仕事もようやっとその最後が納まった。ふぅ。
5月5日のヤマトの音楽だけのラジオ特番を聴いてくだすった皆さん、ありがとうございました。
興奮冷めやらぬではないですが、
放送後まで不思議な熱を帯びたような感じでありました。ずっと心臓ばくばく。
録音しておいた番組を聞き始めると、見知らぬ声をした自分が早口で喋ってて
何かとってもいけない感じがしてきます。

さて
備忘録的に番組ができるまでのことや、実際のスタジオでのことを書いておこうと思います。

そもそもは、今年の2月20日に
「クローバーラジオで4時間くらいのヤマト音楽の特集番組企画って通らないかなぁ。DJは林檎さんで、企画構成はアンドローさんや譜観さん。んでオイラが誰かゲストを探すような感じで(出演はしないw)。特番用スポンサーで、バンダイに声をかけて。んで徹底的にヤマト楽曲と関連曲だけかけるの」
って趣旨の話をしたところ、
その当該メンバーのアンドロー梅田さん、譜観さん、そして林檎さんが応じてくれたところからが
番組作りの始まりになったのだと振り返ります。
つまり2ヶ月半でこの4人でわーっと作った番組なのです。
(スタッフも出演者もこの4人だけ)
ということは僕が発起人ということになるのかも。

僕はJAZZの他に以前から色々な映画のサントラを聴きこんでいて、
FMの映画音楽番組などもよく聴いてました。
「映画のサントラは素晴らしい!」とむやみに言う人もいるけれど、
映像と一緒になって感動のバイアスがかかるから、
名画の名曲って言っても、それほどじゃない曲もかなりあります。
それでも映画のシーンを程よく忘れたようなサントラを買って聴いてると、
意外に良い曲があったりするのに気づいたりもします。
映画はポンコツや大コケでも、
サントラは巧みな構成と出色の出来の楽曲って名盤もたまにあります。
(コッポラの「ワン・フロム・ザ・ハート」とか)
クラシックのオペラや舞台のミュージカルから、映画やアニメに至るまで、
そのドラマ性の媒体を移しながら音楽の存在を担う意味で
サントラって現代においては、大きなツールなんだなとつくづく思います。
林檎さんのクーロバーラジオでの番組を普段聴いたり、
去年はアニソン特番に出演させていただいたりの中で感じたのは、
映画もアニメも主題歌は番組や特集が組まれるけれど、
サントラとか劇伴と呼ばれる映画音楽が流れる番組は本当に少なくなったなということ。
たまにあっても、ジョン・ウィリアムス特集とか
懐メロかよ!って定番ばっかり。
またはテーマ曲ばかりで、あのシーンに使われたLPのA面3曲目!ってのはない。
映画音楽への新しい扉を開く機会になってない。
なので、サントラにどっぷりひたるような番組ってできないかなって
ずっと待っていたのでした。
そんな気持ちが、前述の発起時の背景にあったりします。

そして今回の3人との出会いがやっぱり自分には大きかった。
皆さん、ヤマトやアニメ特撮の楽曲に本当に詳しく、
好きな日本酒を皆でいただきながら
そのお話に耳を傾けるのがとても楽しいのです。
媒体は異なるけれど、
1999年にヤマトのアンソロジー漫画の企画を出版社に持ち込んで、
その後、ヤマトの同人誌を仲間と集まって作っていた雰囲気に近い、
そんな人の縁の妙を今回も感じました。

実作業は数回、4人で集まって日本酒を呑みながら、
番組の方向性とかやりたい企画を練ったり、
番組制作に必要であろうプロセスを確認して行動へと進めるというもの。
その1回目は、秋葉原に集まって、
以前にも使わせていただいたスピーカーメーカーのショウルームをお借りして
ヤマトの楽曲をハイエンドオーディオで聴くということから始めました。
そこで時代に古びれることのないヤマトの音楽の魅力と底力を
改めて僕は実感したのです。

今回のラジオは、一応2202製作委員会のOKをいただいて作ってます。
会合の中で、できればスポンサードもいただけたらいいなという思惑もあり、
僕のほうから委員会を構成するバンダイビジュアル(当時)の宣伝部のヤマト担当の方へ
「こんな企画があるのですが~」
「自分は企画のお手伝いをする予定ですー」とお話をしたら、
そりゃウチ(委員会)の許可がないと番組作っちゃアカンやろ!って話になってしまい、
ラジオ局の一番組なのでJASRACに払うもの払えばいいもんだろと思っていたので、
ひょえー!ヤブヘビ!!っとそこでまずピンチに!
でもその宣伝部の方が委員会へ熱心に働きかけていただいて
許可を取ってくれたのです。感謝感謝。
「むらかわさんが出演する番組なので大丈夫です」
と許可とりましたのでと言われて、
んでは僕が内容にがっちり入らないと…という流れであんなに喋る立ち位置に。
本当はアンドローさん、譜観さん、林檎さんにお任せで
自分は気楽なゲストの予定だったのに!

んで、番組にお墨付きをいただいて、
元広告代理店マンの自分としては
記者クラブ的なものへ情報を送って記事にしてもらおう作戦をやってみました。
コミックナタリーとかアニメアニメ!とかそんな媒体へ
ラジオ局からプレスリリースとして文書資料などを送るのです。
うまくいけば記事として採用されネットのニュースになるというもの。
で、結果的に記事にしてくれたのは
僕がお仕事してる角川のwebNewtypeさんという流れ。ありがたや。
https://webnewtype.com/news/article/145702/
名の知れた媒体って東京中心っていうか、
埼玉のコミュニティFMの企画なんて見向きもしないのかもですね。
ところが今回は結果的に全国規模で話題になったので、
元編集者としてはそんな媒体の視野にガッカリ。
逆に僕のコネではあるけど、
「面白そうですねぇ」と言ってくれてNewtypeの担当につないでくれた
2202小説の担当編集さんの素直さが、
情報発信としてKADOKAWAが一歩抜け出して、
話題になったこのラジオを唯一発信し、
媒体が話題を掴む能力があることを示す結果を示せたのは
こちらも宣伝で助かったゆえに
恩返しになれたかしらと思うのです。
そして5月1日から配信いただいた記事は、
放送の翌日を過ぎてもランキング5位以内、
1位を何度もとる勢いでした。
最新のアニメ情報の中で、40年選手にとって快挙です。

そしてそもそものスポンサードのお話。
最初はどこかスポンサーがついてくれたらラッキー!という感じくらいだったのですが
僕が気づいていなかったことに番組の制作費のことがあって、
局から予算が出るもんだろうと思っていたら、地方局はそうでもなく、
林檎さんをはじめ我々の持ち出しで制作〜って事がのしかかってきた。
そこで、スポンサーを本気で募ろうと動いてみた次第。
僕がまず公認をくれた流れもあって
バンダイ社内のヤマト商品を扱うで部署でどこかないか尋ねてみました。
宣伝部の人がやはり動いてくれのですが、
関係各所からはフラれたというお返事。
そもそも今回の番組はネットを通じて全国で聴いてもらいたいから、
クローバー局の普段の地元スポンサーさんでは宣伝効果がマッチングしないので、
日本全国へ宣伝したい相手でないとならないという悩みもあって、
じゃあやはりここはオイラの社長仲間に!と考える。
荒川の社長会だけでも全国展開の会社はあるし!と思いつつ、
「まずはでもアニメと親和性のあるところが先だよね(広告効果も高いし)」
と考えて、
以前にヤマト2199の展示もしてくれた新潟市のアニメ情報館へおずおずとお願いを。
そうしたら一発返事でお受けいただき、
しかも単独スポンサーでというご厚意まで。
これで制作予算問題はギリギリでクリアしたのでした。

企画内容に関してはアンドローさん、譜観さんにお知恵拝借の状態で
内容はもうお聴きいただいた人ならご理解いただけるように
充実したものになっていきました。
珍しい音源も扱いたいとか
どの作品も分け隔てなく採り上げたいとか
若い新しいファンにも開かれた雰囲気にしたいというのは
その中で番組の支柱になっていったものです。
会合はそうしたフラットな議論ができる場でありました。
論議しながら感じたのは、番組構成って雑誌の企画構成に似ていること。
かつての僕の仕事での経験は役に立ちましたが、
気になったのはこの集まりで雑誌で言えば編集長が不在だったのです。
林檎さんは我々が楽しく作れればいいというスタンスで放任主義だし
(実際の放送番組では彼女がジャッジするのでその余裕なのでしょう)
最終的に、編集長というヒエラルキーではなく、
僕が事務局的に各人の企画や思いを預かって
編集者スキルとして構成を編んでみますという形になりました。
集まってきたリクエストのリストを林檎さんから随時いただき、
作品順、楽曲ごとにまとめるという
ラジオ局のバイト君のような作業をしたりもしました。
これがあるとリクエストに応えるときに便利なので。

会合の当初から番組内にゲストもお招きしたいねという話題があり、
僕はすでにゲスト枠じゃないのねw と思いつつ、
「こんな人呼べたら素敵リスト」を皆で作成してその第1番が庵野監督。
で、僕がお声がけをすることに。
そうしたらここでも一発返事で「よろこんで!」と。ありがたや。

この間に業界に詳しい友人からのアドバイスとか叱咤激励をいただきながら、
番組はだんだん体裁を整えて、
そして「ラジオ組曲(スイート) 宇宙戦艦ヤマト」はイスカンダルへ向かって行ったのでした。

そして当日、スタジオのある志木駅に集合。
駅前のデニーズでランチをいただきつつ
構成内容や進行の確認と番組パートごとの各人の考え方などを把握。
リクエストの選曲もそこで最終的に行いました。
なので譜観さんはヤマトの全CDを持参いただいたりして大変な荷物に!

実際に喋ると僕はやや早口になってしまって、
余裕のなさが出て恥ずかしいばかりです。
庵野さんのゲストコーナーは、
ヤマトの引き出しのインデックスが
庵野さんが話数で語り始めるのですが、
僕は話数ではなくドラマ内容で記憶してるので、
ああ、あのシーンかと繋がるまでにワンテンポあいてしまって、
そこから応じようとすると庵野さんの喋るタイミングとかち合っちゃって、
聴いている人はリズムというか呼吸が合ってないように感じたかも。
それも面白い発見でした。
74ヤマトに関してはいつになく多弁で情熱的で、圧倒されましたが、
それ以降は、スタジオに一緒にいるのに
黙って進行を眺めていらっしゃってて、
監督に監督されているようで更に緊張してました。

番組は予想以上の反響で、驚きました。
Twitterのトレンド1位になったとか。
埼玉のコミュニティFMが4時間もの間、
全国の人の耳に届いて話題になるなんてとても稀なケースだと思います。
スマホやPCでのネット配信が、FMという電波エリアの縛りを越えていく。
現代ならでのことだなぁと思うことしきり。
そして何よりヤマトファン凄い。

ヤマトのラジオのツイートのまとめができていました。
https://togetter.com/li/1224459
なんだか凄い頁数。
放送後すぐに出来ていたようで、それも凄い。
放送時の興奮が伝わるようで、楽しく読ませていただいています。

僕はけっこう一人でぽつりと心の中で長くヤマトファンをやっていて、
ファンジン作ったり同好の人と交流したりとは縁遠い者でした。
というか独りだとそもそもそういう情報や方法すら知らないのです。
そんな僕をたくさんのヤマトの仲間の場へ引き上げてくれたのは、
亡くなられたYUMIKOさんという女性のヤマトファンでした。
シリーズのどの作品も大好きだった彼女は、僕にとってのヤマトファンの鑑のような人。
今のファン活動ってSNSなどの様々なツールとコミュニティで楽しめる機会がある反面、
趣味や嗜好の違いで互いに弾き排他したり、
わざわざ敵認定をして排除するような側面もあるけれど、
ラジオという独特な距離の近い感覚の媒体のマジックと
ヤマトという作品の音楽が持つ魅力と奥深さが
そういう壁を越えてたくさんの人が楽しむ時間を作れていたなら素敵だなと思うのです。
そして今回のラジオをYUMIKOさんが聴いてくれたら
とても喜んでくれたろうなと5月9日の彼女の命日に思うのです。
ヤマトファンは凄いのだと。

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