年の瀬のごあいさつ
2021年が暮れようとしてます。
夏の国際スポーツイベントの虚栄と虚像に呆れたり、
コロナで正論を錦の御旗のようにした自粛警察の
自己陶酔に弾みのついた正義の押し売りにウンザリしたりしながら、
でもひたすらに忙しく仕事に明け暮れる日々だったなというのが今年の印象です。
連載漫画と並行してアニメ「境界戦機」のお手伝いをしていて、
監督から大きな仕事を任され、漫画をしばしお休みすることになりましたが、
ようやっと復帰します。
ガールズ&パンツァー「樅の木と鉄の羽の魔女」は残すところ32頁。
頑張って描き上げたいと思っています。
最後の頁までもう絵の構成はできていたのですが、
ふとしたひらめきからまた変更したり。
これから描くものにはまだ自由な飛躍があります。
はたしてどんな形になっていくのか、自分でも描くのが楽しみです。
来春までには完結しコミック下巻を上梓したいと思っています。
年の瀬に大きな恩のある方から不意に電話があって、
退職を告げられました。
ずっと悩んで悲しい思いをしていたことに光を当ててくれた人で、
ただただお礼と感謝の気持ちを伝えることしかできませんでしたが、
この恩は来年の仕事を形にすることで返したい。そうなるよう頑張ろうと思います。
ありがとうございました。またどこかでご縁があれば!
そして大晦日はコミケット99です。
自分は「西 と-36b」に出展します。
仕事が圧してしまって、予定していた新刊を作る余裕がなく、
ポストカードセットをこしらえてそれでお茶を濁す形になってしまいましたが、
新旧のイラストを少しブラッシュアップして収めましたので、
コンパクトながらもちょっとレアに楽しめるアイテムになったかなと思っています。
そしてKIYOCLUBの新刊も扱う予定ですので、
木曜日に参加できない方はぜひこちらにお立ち寄り下さい。
KIYOさんもいますよ。
あとは木曜日に出展する
「Factoryきゃの」のポニーテール2020本 東 L-26b
「日本晴」の広江礼威341戦闘団本 東 テ-27a
に表紙画で寄稿しています。
機会があればそちらもご覧になってください。
今回はコロナ禍での厳戒開催ということで、
参加の仕様も大きく様変わりして
ああしろこうしろ、あれはするなのオンパレード。
必要だと思うことは実行していかないとな~と思いながら、
なんだか変な感じもします。
「コミケは主催者や出展者とかそういう考えではなく、全てが参加者である」
「メジャーからマイナーまで色んな価値と立場と趣味を大切にする」
98回も続いた理念が、
いつの間にか上意下達の管理と命令の押し付けに、
組織としてどこを見てるのかしっくりこない。
大を取って小を見殺しに、利己を優先し他者を切り捨ててはいまいか。
開催することを優先するあまり、
リスクや責任を他者になすり付けるようにして
色々なものに蓋をして誤魔化しているように見えるのです。
たとえば、会場を出た後の行動を規制する発想は疑問です。
なぜなら東京は今、他国と違って曲がりなりにも、
現状の対策の努力でインフラや飲食業などは廻っています。
それをイベントを脅かす脅威を見なしている。
コロナへの感染の可能性を考えるのなら、
交通機関への移動も、同人の仲間と会うことも、
コミケに参加することも、
一人で帰りに外食することも、打ち上げに会食することも、
帰宅して家人と話すことも、
全てが感染の可能性を孕んでいるはずです。
つまり他を危惧する前に、コミケ自らが危険な存在であり、
自分たちだけがリスク管理しているから安全であるというのは欺瞞ではないのか。
他者のコロナ対策の努力も創意も軽視し侮辱してはいまいか。
リスクを唱えて行動を規制するならコミケの開催をも同等に危惧して
開催を断念するのが、今の筋道での道理でしょう。
そうした利己的な方便が、
同人誌文化や関連する業種を守るためだと言うのなら、
同じように苦しみながら懸命に営業している飲食業は滅んでもいいのか。
そういう他者を感染の根源に認定するかのようにして
自らを虚像の安全圏へ隔離していく酷薄な態度は
多様な価値と存在を尊ぶコミケットの精神に準拠しているのか。
そういう疑問がどんどん湧いてきます。
誰かを悪者とせず、
「参加者」も「主催者」様も自分の中で責任を判断し、
リスクを一定ラインに抑えられて、実行可能となれば開催するべきで、
どこかに責任転嫁の装置を組み込んだ強要は
つまり開催するラインを下回っているのではないかということです。
コミケットの精神を捨てた行為ではないのかということです。
米澤さんが生きていたら、
「じゃあコミケットはやめちまおう」
って言うかもしれません。
大切な心を捨てるって言うのはそういうことで、
だったらコミケは米澤イズムを捨てて、
新しい統治と管理の下に再出発すると宣言したほうがいい。
松下電器が松下幸之助の松下イズムを90年代に脱却し、
「ナショナル」の名を捨て「パナソニック」になったように。
自分は以前に企業の社長をしていましたから
多くの人を率いて動かすことの難しさもつらさも体験しています。
だからこそ組織がどんな姿でありたいかという理念や精神というものが
その活動の根幹に大きな意味を持つのを知っています。
自分はその心が、どうにも今回のコミケの言葉の中に揺らいでいるように見えるのです。
コミケ100に向けて、
そういう理念をしっかり打ち出して欲しいなと思っています。
と言っても、新春スペシャルは4時間枠ではなく、
通常番組の30分枠を用いた全5回・計2時間半で構成します。
サイタマのコミュニティFM・こしがやFMでまずは元旦の日曜20時30分から。
『DJ林檎の二次元音楽館』にて
「特撮TVのアンダーワールド-70年代ヒーローの地下鉱脈-」
と題してお送りします。
現在も作品が作られ続けているTV特撮ヒーロー。
1970年代はまるでカンブリア大爆発のように
東映や円谷の代表的コンテンツが確立される過程の試行錯誤や、
宣弘社やピープロダクション、国際放映など多くの会社によって
様々なヒーローが生み出されていました。
今では特撮TVのアンダーワールドとも言える作品群の音楽を紹介する番組です。
ゲストに盟友・アンドロー梅田さんを迎え、
70年代を中心に活躍し去っていった懐かしいTV特撮ヒーローの
主題歌を中心にトークや劇伴をお届けします。ご期待下さい!
5回のうちまず第1回は「70年代の表と裏の顔」。
円谷&東映作品の代表コンテンツを少し振り返りながら、
同社のそれ以外のヒーロー、
宣弘社、ピープロ、国際放映といった作品を紹介していく
プロローグ編となります。
音源提供はもちろんアンドローさん。
放映当時のTVサイズを意識しながら、
クリアでステレオ感のある「他では聴けない音」になっているから、必聴!
まさに血と汗と酒のにじむ積み重ねのある響きに、
多くのリスナーは驚きと賞賛を禁じえないはず。
聴き方はサイタマの電波カバーエリア以外の人は、
PCやスマホのラジオアプリで
「リスラジ」から「こしがやエフエム」を選択して下さい。
ということで、
もっぱら宣伝ばかりでしたが、
皆さまどうぞ良いお年をお迎え下さい。
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