編集部からオープンにして良いよということなので、
26日に発売になる予定の「宇宙戦艦ヤマト2199」コミックス第3巻について。
お話は時系列を組み替えながら、
ガミラス側に軸を置いて、「2199」で語られる星間戦争のバランスをとるのが僕の目論見。
漫画ではアニメのようなフットワークで両陣営を行き来してしまうと、
ドラマというか心理的な流れが寸断されてしまう感じがしてるので、
比較的ヤマト側のドラマ要素が少ない冥王星基地攻略編で、この試みをしてみた。
(実際そのために、勝手にガミラス側のお話や背景設定を作ったりしてしまった)
時系列をいじると分りづらいという声も聞こえるけれど、
洋画や海外ドラマなどではごく普通にある主砲なので、お許しいただきたい。
構成を組み直すことで、心理的な流れの妙とか出てくると思うし、
そちらを楽しんで貰えたらなと願っている。
ということで、太陽祭を後ろにして、グリーゼ581の話まで入れて3巻を括りたかったのだけれど、
早くコミックスを発売したいという角川側の気持ちもあって、
冥王星基地陥落までとなっている。
なので連載5回分、少しボリュームが薄いのは残念。
あとお話がここで区切られてしまったので、連載ではさらに構成を変えて(戻して)、
太陽祭のお話から続くよう変更した。
本編は今回も連載時から殆どの頁に加筆修正の手を入れている。
厳しい日程の中で、なかなか十分に自分の思惑に沿った手が入ってない頁があったり、
デッサンの狂いや、演出的な表情の変更などもあるので。
(若干だけれど増頁もある)
なので連載で読んでいただいている読者の方々にも楽しみはあろうかと思うし、
一気に読むことで見えてくるものもあると考えるので。
今回も口絵は本編のモノクロ画稿から改めて彩色してある。
ただ、5月頭は連載と並行して雑誌表紙と単行本作業がある中で、
とても自分だけでは手が廻らなかったため、
カラー化に関しては親しい友人二人に手伝っていただいた。
2巻でお願いした日野カツヒコさんにも声がけはしたのだけれど、自身のお仕事の関係で叶わなかった。
冒頭のガイデロール級戦艦から、シュルツ居室のシーンの3頁は
野上武志さんのスタジオでアシスタント仲間だった米蔵さん。http://www.pixiv.net/member.php?id=14843
人物は個性が出るので僕が手を入れたけれど、
背景は彼の筆致のまま。
続くバレラスの総統府は、ヤマトの同人誌にも寄稿いただいていた
イラストレーターの時代ミツルさんの筆によるもの。http://tokishiro.sblo.jp/
普段は線画などないタッチの絵を描かれているのに、
わざわざ僕の線画を尊重しながら、凄く奥行きがあり、かつ華麗な情景を描いていただけた。
これは僕は一切加筆していない。
二人ともありがとうございました。
とても助かりました。
カバー画は引き続き玉盛さんにお願いした。
図案の決定までに出版社と色々議論はあったけれど、
最終的にはこちらの希望が叶ったものになった。凄く嬉しい。
コミックスは1巻から銀のインクをベースに敷いてそこに印刷をかけている。
今回の背景色は銀色に黄色55%を乗せて、擬似金色に仕立ててある。
この金色と第三艦橋の赤、帯の黒などをバランスしながら、
さながら金屏風のような雰囲気になればと願っている。
玉盛さんから、「ここは窓みたいに開くので」という提案もあり、目のように輝く緑も加わって、
ちょっと謎のロボ風にも見える趣が加わっている。
書影はニュータイプエース誌22号の表紙に載ってしまってるので、
Amazonでは一昨日くらいから、小さいけど表示されており、
既にお気づきの人もいるとは思うけれど、こんな感じに仕上がった。
カッコイイ!
玉盛さん最高。
新潟市での展示には玉盛さんの絵も当然ながら掲げられているのだけれど、
アイディアの推敲から、大きくプリントされた完成画を見ると、
描き手の気持ちがひしひし伝わってくる。
今回もそういう力に満ちてる。
以前にも触れたけれど、
僕はヤマトはみんなで作っているという意識が強い。
アニメのスタッフとして参加したことが起因しているのもあろうけれど、
出渕監督や玉盛さん、一緒にヤマトについて語り明かした仲間の存在が大きい。
だからカバー画しかり、口絵でもそう。
人と一緒に仕事してこの漫画を上梓できるのは、とても嬉しいのだ。
自分の作品なのだけれど、コミカライズゆえにもっと開かれた感じの存在感を意識してる。
製作委員会の方々も好意的だし、色々助けていただいてる。
コミカライズは友人達に聞くと組織との間の苦労が多いらしいのだけれど、
こと、描くことにおいては、ヤマトにそのストレスはない。
だから仕事は大変で、寝る間もあまりないけれど、描くのはいつだって楽しい。
コミックス発売の前というか、重なるように第6章の公開も控えている。
(というか角川が発売を重なるようにしたのね)
PVはドキドキしちゃうので、長尺版や冒頭8分は観てない。
僕は七色星団の模式図とか沖田艦長の海軍時計(クロノメーター)の設定をした程度で、
絵コンテも必要部分しか見てないため、楽しみで仕方がない。
だからあまり情報は入れたくないファン心理状態。
お話どうなっちゃうんだろう!
(相変わらず脚本を読んでない)
コミックスの特典は僕の聞いている限りでは
アニメイト、ゲーマーズ、コミックZIN、新潟市、そして丸善。
特典は角川の営業部門が管理しているので、漫画家が勝手に動けるわけではない。
営業を通じて書店の希望がきて、それを編集部が采配してる。
アニメイトは、描き下ろしで古代の絵の希望だったので、
古代と島の絵を描いた。人は二人いるとその関係性から絵にドラマが生まれるので良い。
ゲーマーズは、2話の森雪の扉絵を加筆修正して彩色。
ZINは、14話の玲ちゃんの扉絵をやはり加筆修正してから彩色。
(3枚はそれぞれトリミングされたり背景色が変わる予定)
丸善はまだ企画書が届いていないので未対応。
編集部はNA誌の表紙画をと言っているけれど、
あそこはペーパーも併せているので、それは新規で描かないとならないかも。
新潟市は現在「2199」展を催していることもあり、
市内の主要書店での購入特典としてもらえるポストカードを求めてきていて、
編集部ではやはり雑誌表紙に使った絵を当てるつもりらしい。
自分的にはヤマトクルーでなにか特典でもと考えていたけれど、
特に先方からの声は伝わってきていないので、
今回は3巻は扱っても、特典は無いことになるかもしれない。
ということで特典イラストのため、今月も連載原稿の日程に圧迫が始まっている。
なので今号は少し頁数は減らしてもらうつもり。
なにせ30日には新潟市でトークイベントがあるし…orz
「マンガの家」での展示は6日からコミックス2巻の原稿に模様替えしている。
あびゅうきょ先生に描いていただいた、木星表面や恐竜さんぱお~んの原画は必見w
講演後の7月は3巻の原稿へと3回の展示替えがある。
さすがに3回目の展示は見られないかな。
コミックスの発売は26日予定だけれど、
印刷は月半ばには上がると思うので、
入荷次第早売りという書店もあろうかと思うのでご注意を。
[追記]6/22
ヤマトクルーは、何かカードの特典があるらしいです。
4巻が出るときは事務局と相談してなにかバリューの高い特典を付けたいなぁ。
丸善・お茶の水店は遅れましたが、NA誌22号の表紙画イラスト(上掲)のカードが特典になります。
30日の新潟は100人近い方の応募があったそうです。ありがとうございます。
当初予定していた「マンガの家」ではキャパが足りないので、
目と鼻の先の別会場へ移動して催すようです。
展示はコミックス発売に合わせて3巻のものに模様替えを早めてしてしまうそうです。
解説文は連載原稿があがったら書くつもりだったので、予定が狂った。
2巻の展示は30日限定で「アニメ情報館」で公開も検討中だそうな。
サイン会まで済んだら、その会場で17時より皆でTV放映13話を観ようという企画も進んでます。
フラーケンの回は僕もモニターデザインに参加してるので、面目がたちそうw