2018年6月11日 (月)

エンディングイラスト

上映中の2202第五章、
劇場先行販売のブルーレイなどのパッケージ版では
今回エンディングに僕の描いた絵を使っていただいている。
そこに至るまでの話と、
執筆の技術的な側面について
いささか専門的かもだけれど触れてみようと思う。

第四章の公開を控えていた辺りの頃、
スタジオから第五章のEDイラストを描いてみる気はないかと打診があった。
自分でお役に立てるのであればよいのですがと、
まずは羽原監督とお会いして色々お話をうかがった。
そのタイミングで18話までの絵コンテはモニター設定の都合で
すでに目を通してあったので、なかなかに重い幕引きになるなと印象を思っていたのだが、
監督はそこへ子守唄のイメージで曲を発注してあるとのこと。
それに柔らかいタッチでの僕の絵を所望されていた。
お話をしていく中で、僕の中でも絵柄のイメージができてきたので、
お手伝いができそうと判断し、お話をお受けした。
監督がお考えになっていたことや、
ディスカッションで出てきた言葉を当時のメモを振り返ると
以下のようなものになる。
 柔らかいタッチの絵 水彩画的なものか
 命 優しさ 救い 和やかさ 
 艦内の日常 集団ドラマとしての場面
 古代ユキは控えめに
 フィルムにないシーン可
 翼と真琴 親子の交感
 艦内だけでなく、地球に残った者でもよい
 よって、百合亜もOK
 人物描写だけでなく、私物や写真など存在の痕跡
(肉親から贈られたもの 安心できるなにか)
 美しい瞬間
 ヤマトの現在だけでなく、遡った時間軸のイメージも。
 ×悲しみ ×戦闘 ×透子 
ここから、僕の方で多めにイメージラフを起して、
監督から選んでいただいたもので絵コンテに入り、
僕は彩色へと進んでいくという流れになった。

水彩画的なタッチで描かれたアニメのEDとして
自分の中で一番最初に思い浮かぶのは、
「君に届け 2ndシーズン」の映像。

これを見ると、水彩調で描かれた絵を一枚絵として打ち出さず
素材として巧みな撮影で重ねていって雰囲気を構成している。
羽原監督のEDイメージの自由度を上げていくには
僕の絵で限定していくというより、
素材として扱いやすい絵なり、描き方なりをしていく必要があると考えた。
なので紙に絵具で塗っていく方法ではなく、
データ上での彩色でということになる。
(素材の切り抜きやにじみ部分の透過性などは紙への彩色では難しい)
僕の描いたEDイラストというと「2199追憶の航海」がある。
自分としては色々反省点も多く、
特に筆致についてはもっと水彩画のタッチを強調したかったのに、
PC上でのスキルが足りずに、中途半端になってしまっていた。
今回の監督の求めるものは、
よりタッチを注視していかないとならないと受け取ったので、
ラフを描くだけでなく、技術の試行錯誤を始めていくことになる。

絵に関しての僕の使用ソフトは
Adobe Photoshop 6.0
PGN openCanvas 4.0
どちらもかなり古いバージョンだ。
Photoshopは2000年、openCanvasは2006年。
後者は水彩の滲みの筆致には弱く、
前者はフリーのブラシ素材で多様な水彩筆致を実現しているものの、
6.0ではその殆どを利用できない。
唯一見つけた使用できるブラシで塗ったのが「追憶」だったりする。
その反省に立ち、
今回は新しいソフトウェアの導入も検討した。
その最有力候補だったのが、Expresii。

水彩表現の再現では驚異的とも言えるソフトなのだけど、断念。
大きな理由はクレジットカード購入を自分はできないから。
以前に社長として会社を倒したときに、家や預貯金など全て手放し、
その上でなお金融機関に迷惑をかけたこともあり、
自分はカードを持てる身分ではなくなってしまったのだ。
従業員や取引先に誠実にむきあって働いても
人生に決定的な傷と責任を負うことはあるもの。
中小企業経営者は日大とか東芝とかのような大組織の卑怯で無責任な道はないのだ。
そういうことで、
では、Photoshopの機能を使って、自分で水彩ブラシを作ろう!
という基本といえば基本の方法で臨むことにした。

並行してラフを進めていく。
2月8日にヤマトークに出演の折に福井さんから、
パッケージ用の1分半の尺だけでなく、
劇場EDにも使うかもしれないというお話もいただいていたので、
ラフの数は少し多めに描いた。
結果的にはパッケージ版だけということにはなったが、
イメージが多いほど、羽原監督の選択肢は増えるので作品のためには良い。
途中、楽曲のデモや歌詞を頂戴しつつ
以下のような着想で絵を描いて、ここから選んでいただいた。
 眠る子。翼のようであり、島のようであり、女児のようでもある。象徴としての眠る子。
 在りし日の空間騎兵、桐生親子も入った集合写真・斉藤の私物
 ふざけあう航空隊の男連中
 ペンダントを見やる玲
 ウサギのぬいぐるみを抱きしめる西条
 内緒話を耳打ちする孫娘と徳川機関長
 作業卓で仮眠をとる真田
 ひそひそ話のヤマト女子部
 眠る島大介、O.Lする母ひざ枕の幼い島
 対局中の将棋の駒を失敬する太田と慌てる南部、気づく相原
 名もないヤマトクルー達
 艦長室で沖田を思う土方
 風になびくユリアの髪
 地球で短い休暇中の古代とユキ
 イリィのジャンプ
 加藤一家の団欒 翼と真琴の笑顔。父の贈ったファルコンの模型
 家族を懐かしむコクピットの加藤
 笑顔の翼(または眠る子の目覚め)
ラフのいくつかは止め絵ではなく、簡単な動きのあるイメージも混ぜてみた。
結果的には不採用だったけどw01_rough
ラフの提出では自分としての彩色の提案もしてみた。
水彩調で人物を塗った上で、
背景の「たらしこみの絵具の滲み」の部分だけその色が表示されるというもの。
この背景の滲みを浸透させるような広がりで
止まった絵にも動きが与えられるかなという発想。
この提案は監督の絵コンテに採用されていく。

02_test
では今回の技術的課題とどう向き合ったのか。
①水彩ブラシ作り
水彩絵具で紙に濃淡やにじみを大小にいくつも描き、それをスキャン。
それを濃淡を意識しながら色を除くグレイ化。
Photoshop6.0のブラシは実験したら縦横1000ピクセル未満なので、
その大きさに収まるようブラシとして登録。
水彩タッチの濃淡が生かされた不定形なブラシが出来る。
様々な形状で作成し、自分の筆致や狙いにあったものを最終的に登録。
近年のCSなどのバージョンに比べて6.0は
出来上がったブラシの筆圧や調子などを加減する機能がほぼないので、
あきらめと覚悟が大事。
②実験・出来たブラシで試し描き
ブラシを単純に利用して彩色をしてみた。
これがまったく思ったとおりに塗れずに大失敗。03_test
水彩の色調を出したいのにブラシの大きさや濃度をコントロールできず、
結果、筆先の曖昧さ不自由さをさらしながら、
僕の普段のアクリルっぽい色調やタッチに流れてしまう。
自分の最近の塗り方は、レイヤー数を極力減らし、
人物などは1枚だけで、隣り合わせた部位の混色をも即興的に取り込む
音楽的な勢いを大切にしていたのだけど、
自作水彩ブラシではそれがまだ制御できなかったのだ。
③彩色工程の見直し
その失敗の反省にたって工程を見直した。
EDの絵を例に示してみる。04_ed1
肌や髪、服などパーツごとに塗り分ける(マスク作り)。
マスクの色は白。ないしは薄いベージュなどベースの色に使いたい色に塗る。
僕の場合、目指している雰囲気が淡彩画なので、白。
そのマスクの領域を保護し
ブラシのサイズや筆圧を強弱しながら筆先を調節してスタンプのように色をおいていく。
これで白地が発色を保ち、塗りこみ過ぎを避けて
にじみや色むらを出しながら、必要な面積のみ塗れる。
ただ、この下地のマスクをかっちり作り過ぎると
パーツの境界に柔らかさを失い、紙に塗った水彩画の雰囲気から遠ざかる。
そのためにエッジは小さく不規則な水彩ブラシなどで曖昧に作っておく。
そうすることで隣の部位に色がにじんだり流れ出して、
程よい混色や即興性が生まれる。05_ed1
④線画
水彩的印象を強めるために、線画は普段より小さいサイズで描いた。
イラストの多くはA4サイズで600dpiの解像度にしているが、
今回はその半分のA5サイズで描いている。
これで線が太い印象になり、鉛筆のタッチもより強調される。
ハイビジョンの画質とは、印刷物を扱う自分達から見ると、
実はとても低かったりする。
それが秒30枚で連続されることで情報密度と目の残像の効果で高画質になる。
なのでA5サイズ600dpiでも十分に大画面に耐えるのだ。
昨今のアニメはHD画質を求められる中で線がどんどん細る傾向にあるけれど、
逆の発想もできるのだ。
ちなみにこの加藤一家の絵は各人を撮影処理で重ねたいという演出の要請があったので、
線画も彩色もそれぞれ別に描いてあったりする。

⑤背景
大きな水彩タッチの面が求められる背景素材は、
1000ピクセルがMAXのブラシでは表情やタッチに限界がある。
(ブラシ形状のパターンが気取られてしまう)
そのため、デジタルではなく、
やはり紙に実際にいくつも描いてスキャンし、
さらにそれを変形や変色、合成を重ねて作成している。
その素材にPhotoshopで「マジック消しゴムツール」を用いれば
白い部分を削除してくれる。
この背景素材に対して、彩色のレイヤーをグループ化してやれば、
素材の上だけ色が表示される。06_ed1

こうしてデータを作成し、スタジオに納める。
監督のコンテに従い、
撮影処理をされてEDの出来上がり。
自分としては、絵をそのままダイレクトに使用されると恥ずかしいので、
少しクッションというか、深みを出すために、
たとえばふわふわしたハレーションみたいな光が重なるとか
チラチラと光りながら舞うホコリとか粒子とか小さな花びらのような
撮影処理をリクエストしたのだけど、
かなりギリギリのスケジュールになってしまっていたので、
実現はしなかった。

BDなどのパッケージ版のみ観ることができる映像だし、
劇場先行で発売はされたものの、
正式のリリースはまだ先であるため、
評判や感想はあまり聞かれないけれど、
こんな絵が収録されているので、
見ていただければ嬉しい。

自分としては空間騎兵の絵が
気に入っているかな。Ed5_3_color

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2018年5月11日 (金)

ヤマト三昧のラジオでした

春から並行して抱えていた大仕事もようやっとその最後が納まった。ふぅ。
5月5日のヤマトの音楽だけのラジオ特番を聴いてくだすった皆さん、ありがとうございました。
興奮冷めやらぬではないですが、
放送後まで不思議な熱を帯びたような感じでありました。ずっと心臓ばくばく。
録音しておいた番組を聞き始めると、見知らぬ声をした自分が早口で喋ってて
何かとってもいけない感じがしてきます。

さて
備忘録的に番組ができるまでのことや、実際のスタジオでのことを書いておこうと思います。

そもそもは、今年の2月20日に
「クローバーラジオで4時間くらいのヤマト音楽の特集番組企画って通らないかなぁ。DJは林檎さんで、企画構成はアンドローさんや譜観さん。んでオイラが誰かゲストを探すような感じで(出演はしないw)。特番用スポンサーで、バンダイに声をかけて。んで徹底的にヤマト楽曲と関連曲だけかけるの」
って趣旨の話をしたところ、
その当該メンバーのアンドロー梅田さん、譜観さん、そして林檎さんが応じてくれたところからが
番組作りの始まりになったのだと振り返ります。
つまり2ヶ月半でこの4人でわーっと作った番組なのです。
(スタッフも出演者もこの4人だけ)
ということは僕が発起人ということになるのかも。

僕はJAZZの他に以前から色々な映画のサントラを聴きこんでいて、
FMの映画音楽番組などもよく聴いてました。
「映画のサントラは素晴らしい!」とむやみに言う人もいるけれど、
映像と一緒になって感動のバイアスがかかるから、
名画の名曲って言っても、それほどじゃない曲もかなりあります。
それでも映画のシーンを程よく忘れたようなサントラを買って聴いてると、
意外に良い曲があったりするのに気づいたりもします。
映画はポンコツや大コケでも、
サントラは巧みな構成と出色の出来の楽曲って名盤もたまにあります。
(コッポラの「ワン・フロム・ザ・ハート」とか)
クラシックのオペラや舞台のミュージカルから、映画やアニメに至るまで、
そのドラマ性の媒体を移しながら音楽の存在を担う意味で
サントラって現代においては、大きなツールなんだなとつくづく思います。
林檎さんのクーロバーラジオでの番組を普段聴いたり、
去年はアニソン特番に出演させていただいたりの中で感じたのは、
映画もアニメも主題歌は番組や特集が組まれるけれど、
サントラとか劇伴と呼ばれる映画音楽が流れる番組は本当に少なくなったなということ。
たまにあっても、ジョン・ウィリアムス特集とか
懐メロかよ!って定番ばっかり。
またはテーマ曲ばかりで、あのシーンに使われたLPのA面3曲目!ってのはない。
映画音楽への新しい扉を開く機会になってない。
なので、サントラにどっぷりひたるような番組ってできないかなって
ずっと待っていたのでした。
そんな気持ちが、前述の発起時の背景にあったりします。

そして今回の3人との出会いがやっぱり自分には大きかった。
皆さん、ヤマトやアニメ特撮の楽曲に本当に詳しく、
好きな日本酒を皆でいただきながら
そのお話に耳を傾けるのがとても楽しいのです。
媒体は異なるけれど、
1999年にヤマトのアンソロジー漫画の企画を出版社に持ち込んで、
その後、ヤマトの同人誌を仲間と集まって作っていた雰囲気に近い、
そんな人の縁の妙を今回も感じました。

実作業は数回、4人で集まって日本酒を呑みながら、
番組の方向性とかやりたい企画を練ったり、
番組制作に必要であろうプロセスを確認して行動へと進めるというもの。
その1回目は、秋葉原に集まって、
以前にも使わせていただいたスピーカーメーカーのショウルームをお借りして
ヤマトの楽曲をハイエンドオーディオで聴くということから始めました。
そこで時代に古びれることのないヤマトの音楽の魅力と底力を
改めて僕は実感したのです。

今回のラジオは、一応2202製作委員会のOKをいただいて作ってます。
会合の中で、できればスポンサードもいただけたらいいなという思惑もあり、
僕のほうから委員会を構成するバンダイビジュアル(当時)の宣伝部のヤマト担当の方へ
「こんな企画があるのですが~」
「自分は企画のお手伝いをする予定ですー」とお話をしたら、
そりゃウチ(委員会)の許可がないと番組作っちゃアカンやろ!って話になってしまい、
ラジオ局の一番組なのでJASRACに払うもの払えばいいもんだろと思っていたので、
ひょえー!ヤブヘビ!!っとそこでまずピンチに!
でもその宣伝部の方が委員会へ熱心に働きかけていただいて
許可を取ってくれたのです。感謝感謝。
「むらかわさんが出演する番組なので大丈夫です」
と許可とりましたのでと言われて、
んでは僕が内容にがっちり入らないと…という流れであんなに喋る立ち位置に。
本当はアンドローさん、譜観さん、林檎さんにお任せで
自分は気楽なゲストの予定だったのに!

んで、番組にお墨付きをいただいて、
元広告代理店マンの自分としては
記者クラブ的なものへ情報を送って記事にしてもらおう作戦をやってみました。
コミックナタリーとかアニメアニメ!とかそんな媒体へ
ラジオ局からプレスリリースとして文書資料などを送るのです。
うまくいけば記事として採用されネットのニュースになるというもの。
で、結果的に記事にしてくれたのは
僕がお仕事してる角川のwebNewtypeさんという流れ。ありがたや。
https://webnewtype.com/news/article/145702/
名の知れた媒体って東京中心っていうか、
埼玉のコミュニティFMの企画なんて見向きもしないのかもですね。
ところが今回は結果的に全国規模で話題になったので、
元編集者としてはそんな媒体の視野にガッカリ。
逆に僕のコネではあるけど、
「面白そうですねぇ」と言ってくれてNewtypeの担当につないでくれた
2202小説の担当編集さんの素直さが、
情報発信としてKADOKAWAが一歩抜け出して、
話題になったこのラジオを唯一発信し、
媒体が話題を掴む能力があることを示す結果を示せたのは
こちらも宣伝で助かったゆえに
恩返しになれたかしらと思うのです。
そして5月1日から配信いただいた記事は、
放送の翌日を過ぎてもランキング5位以内、
1位を何度もとる勢いでした。
最新のアニメ情報の中で、40年選手にとって快挙です。

そしてそもそものスポンサードのお話。
最初はどこかスポンサーがついてくれたらラッキー!という感じくらいだったのですが
僕が気づいていなかったことに番組の制作費のことがあって、
局から予算が出るもんだろうと思っていたら、地方局はそうでもなく、
林檎さんをはじめ我々の持ち出しで制作〜って事がのしかかってきた。
そこで、スポンサーを本気で募ろうと動いてみた次第。
僕がまず公認をくれた流れもあって
バンダイ社内のヤマト商品を扱うで部署でどこかないか尋ねてみました。
宣伝部の人がやはり動いてくれのですが、
関係各所からはフラれたというお返事。
そもそも今回の番組はネットを通じて全国で聴いてもらいたいから、
クローバー局の普段の地元スポンサーさんでは宣伝効果がマッチングしないので、
日本全国へ宣伝したい相手でないとならないという悩みもあって、
じゃあやはりここはオイラの社長仲間に!と考える。
荒川の社長会だけでも全国展開の会社はあるし!と思いつつ、
「まずはでもアニメと親和性のあるところが先だよね(広告効果も高いし)」
と考えて、
以前にヤマト2199の展示もしてくれた新潟市のアニメ情報館へおずおずとお願いを。
そうしたら一発返事でお受けいただき、
しかも単独スポンサーでというご厚意まで。
これで制作予算問題はギリギリでクリアしたのでした。

企画内容に関してはアンドローさん、譜観さんにお知恵拝借の状態で
内容はもうお聴きいただいた人ならご理解いただけるように
充実したものになっていきました。
珍しい音源も扱いたいとか
どの作品も分け隔てなく採り上げたいとか
若い新しいファンにも開かれた雰囲気にしたいというのは
その中で番組の支柱になっていったものです。
会合はそうしたフラットな議論ができる場でありました。
論議しながら感じたのは、番組構成って雑誌の企画構成に似ていること。
かつての僕の仕事での経験は役に立ちましたが、
気になったのはこの集まりで雑誌で言えば編集長が不在だったのです。
林檎さんは我々が楽しく作れればいいというスタンスで放任主義だし
(実際の放送番組では彼女がジャッジするのでその余裕なのでしょう)
最終的に、編集長というヒエラルキーではなく、
僕が事務局的に各人の企画や思いを預かって
編集者スキルとして構成を編んでみますという形になりました。
集まってきたリクエストのリストを林檎さんから随時いただき、
作品順、楽曲ごとにまとめるという
ラジオ局のバイト君のような作業をしたりもしました。
これがあるとリクエストに応えるときに便利なので。

会合の当初から番組内にゲストもお招きしたいねという話題があり、
僕はすでにゲスト枠じゃないのねw と思いつつ、
「こんな人呼べたら素敵リスト」を皆で作成してその第1番が庵野監督。
で、僕がお声がけをすることに。
そうしたらここでも一発返事で「よろこんで!」と。ありがたや。

この間に業界に詳しい友人からのアドバイスとか叱咤激励をいただきながら、
番組はだんだん体裁を整えて、
そして「ラジオ組曲(スイート) 宇宙戦艦ヤマト」はイスカンダルへ向かって行ったのでした。

そして当日、スタジオのある志木駅に集合。
駅前のデニーズでランチをいただきつつ
構成内容や進行の確認と番組パートごとの各人の考え方などを把握。
リクエストの選曲もそこで最終的に行いました。
なので譜観さんはヤマトの全CDを持参いただいたりして大変な荷物に!

実際に喋ると僕はやや早口になってしまって、
余裕のなさが出て恥ずかしいばかりです。
庵野さんのゲストコーナーは、
ヤマトの引き出しのインデックスが
庵野さんが話数で語り始めるのですが、
僕は話数ではなくドラマ内容で記憶してるので、
ああ、あのシーンかと繋がるまでにワンテンポあいてしまって、
そこから応じようとすると庵野さんの喋るタイミングとかち合っちゃって、
聴いている人はリズムというか呼吸が合ってないように感じたかも。
それも面白い発見でした。
74ヤマトに関してはいつになく多弁で情熱的で、圧倒されましたが、
それ以降は、スタジオに一緒にいるのに
黙って進行を眺めていらっしゃってて、
監督に監督されているようで更に緊張してました。

番組は予想以上の反響で、驚きました。
Twitterのトレンド1位になったとか。
埼玉のコミュニティFMが4時間もの間、
全国の人の耳に届いて話題になるなんてとても稀なケースだと思います。
スマホやPCでのネット配信が、FMという電波エリアの縛りを越えていく。
現代ならでのことだなぁと思うことしきり。
そして何よりヤマトファン凄い。

ヤマトのラジオのツイートのまとめができていました。
https://togetter.com/li/1224459
なんだか凄い頁数。
放送後すぐに出来ていたようで、それも凄い。
放送時の興奮が伝わるようで、楽しく読ませていただいています。

僕はけっこう一人でぽつりと心の中で長くヤマトファンをやっていて、
ファンジン作ったり同好の人と交流したりとは縁遠い者でした。
というか独りだとそもそもそういう情報や方法すら知らないのです。
そんな僕をたくさんのヤマトの仲間の場へ引き上げてくれたのは、
亡くなられたYUMIKOさんという女性のヤマトファンでした。
シリーズのどの作品も大好きだった彼女は、僕にとってのヤマトファンの鑑のような人。
今のファン活動ってSNSなどの様々なツールとコミュニティで楽しめる機会がある反面、
趣味や嗜好の違いで互いに弾き排他したり、
わざわざ敵認定をして排除するような側面もあるけれど、
ラジオという独特な距離の近い感覚の媒体のマジックと
ヤマトという作品の音楽が持つ魅力と奥深さが
そういう壁を越えてたくさんの人が楽しむ時間を作れていたなら素敵だなと思うのです。
そして今回のラジオをYUMIKOさんが聴いてくれたら
とても喜んでくれたろうなと5月9日の彼女の命日に思うのです。
ヤマトファンは凄いのだと。

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2018年3月12日 (月)

アニメって悩ましい

年が明けてから何だかずっと忙しくて、日記もなかなか更新が出来ない有様。
忙しい割には収入は乏しく、1月は2202ノベライズ2巻の支払いがあったきりで
(それも11月の仕事だし)
2月も収入は1円もなかった。
確定申告を提出するために仕事にまつわる数字を俯瞰する。
去年の収入の降下っぷりは甚だしいものだが、
その割には仕事はやはりずっと忙しかった。
このアンバランスはなぜだろうと考えてみると、
やっぱり明らかにモニター設定の労働投下量に比してペイが1/3くらいという
異常なパフォーマンスの低さに起因してる。
2199の半分以下の稿料単価で
しかし作業投入量は増えてるから
相対的に採算がより悪化するばかり。
これがアニメの相場なのかなぁ。
モニターデザインって仕事内容に見合わないほど低く見られているのかなぁ。
それとも安く使える人間の扱いなのかなぁ。
自分は漫画家なのでよく判らん。
アシスタントさんにまつわる経費が前の年の1/10にまで縮小してる。
どんだけ仕事が減ってるか分かる。
というかアシさん使ったのは連載の作業が残ってた17年1月までで、
あとは殆ど一人で描いてるからここまで縮小する。
この数年の必要経費の半分以上はアシさんにまつわるものなので、
一人で描くことで出費がないから、
収入が激減しても若干の赤字で済んでる。
ある種の経営の柔軟性なのだけど、
アシさんには深刻なことで、すまない気持ち。
ともあれ収入に見合った身の程を意識する経営と心は大切だ。
マンパワーを投下する生産体制は慣れると心の甘えや弱さを誘引する。
仕事や生活、金銭感覚に外聞や見栄がはびこる。
己の分をわきまえた縮小ができなくなる。
そういう経営者は破綻するリスクを自分の心の内に抱えている。
「身の程」をどう意識するのか、
それによっては虚栄に溺れて己を滅ぼすことになりかねない。
目指すべき自分、なりたい姿を演じることが過ぎれば、
現実との間に深い谷ができて、やがてそれが自分の墓穴になりかねない。
足元を固める、まさにその言葉と逆の行いだ。
自分の立っている場所を見よ。崩れようとはしていまいか。
自ら描いた己の虚像を維持することが励みになろうとも、
限界を超える自覚を持てない者は自滅する。

1月末にあった角川の新年会。
一次会では自分の知る作家さんがだんだん減っていく寂しさを感じ、
二次会ではモンハンとかなんとかのゲームの話題に盛り上がる世代に完全に取り残されて、
キャリアも実績もない僕に話しかけてくれる人もなく、
己のふがいなさを痛感させられる時間であった。
人前に出ると、お前は恥ずべき存在、駄目人間なのだと逃げ場のない現実がある。
誰よりも劣っている自分を忘れるなと迫ってくる。
世の中は甘くなく、現実に目をそむけるなと迫ってくる。
それも「身の程」。
今回は今年の仕事を考えてメディアファクトリーの二次会に参加したものの、
自分の相手をしてくれた才谷屋龍一さん帰ってからも、
色々お話しなきゃ!って無理して挨拶して回ったけれど、
知らないオッサンは無視状態で、
皆はゲームの話とかばかり。
あげく煙草を吸う人も多くて半泣き。
人に割って入るほど孤独になってへとへとに。
自分は自分の話をひけらかしたいのではなく、
(他人が楽しいと思う話題をあまり持ち合わせていないのもいけないけれど)
人の会話を楽しく聞いて、それに少し混じれれば幸せなんだけど、
周囲の人はゲームの話ばっかりで、とことん疎外感。
漫画とか絵の話を全然しない。
オイラ無趣味だから、こういうときほんと何もない。
からっぽの恥ずかしい人間だと思い知らされる。
ネット広告もそうなのだろうけど
Twitterも無慈悲に数字で現実を示してくるものなんだなぁと思う。
仮に数万のフォロワーがいて、
必死に自ら宣伝の狂言廻しをしても、
数十しか反応がなければ、自分の大失敗を突き付けられる。
普段なら見えないものを露わにされる。
自分の何が誤りなのか考えざるをえなくなる。甘えが許されない。
都合のいい解釈をして逃げれば、現実が追い討ちをかけてくる。
時にそれは今の自分を全否定してくる。
腹をくくって堂々と撤退する勇気を問うてくる。
ネットのフォロワーって当然ながら軽く流し見程度で、
自分のファンや支持者、友人という温度をもって接してくれている人ばかりじゃないはず。
だとするとフォロワー数に一定の反応や確度を見出せる量を導き出す算式みたいなもので、
減算をしないといけないのだろう。
仮に3万近いフォロワーがいてもRTが10とかありえる。
自分はTwitterアカウントはないけれど、
今の世はどこでも人は己の現実を突きつけられるようにできてしまっているのかな。
そういえば二次会は、いつもぽつねんとしてしまう僕に話しかけてくれる
優しい柳原 望先生がいらっしゃらなかったんだ。
一次会では久しぶりに色々お話できて嬉しかったけど。
そのままお帰りになっちゃったとのこと。
柳原先生はとても素敵な人なのです。
ついご厚意に甘えてしまうのです。
フラッパー誌の宴席は5年ぶりくらいだったのに、
僕を覚えていただいていて、ありがたく嬉しいばかり。
そういう優しさに甘えることはたまに許して欲しいな。
ともあれ、寝れば凹んだ気持ちは霧散して、朝から平常運転。
僕の思考って子供の頃から基本的にドロドロの欝で、
自己評価、自己肯定、自尊心が低くて、パラメーター的にはぶっちぎりなんだけど、
己が動くことでしか問題は改善しないって現実を意識してるのと、
寝るともやもやは忘れちゃうから、鬱病にならないみたい。
っていうか社長時代の圧倒的に悲惨な経験をしてるので、
大概のストレスはそれよりましだし!

ゲームはまったく分からないしルールも知らない。
将棋すら出来ない。
だけどアニメの「りゅうおうのおしごと!」は感心して観ている。
将棋の駒や盤が、指す場所でその姿かたちの表情を変えてある。
公式戦の駒は漆の字が盛ってあり、木目(杢)も美しい。
場末の棋場では手脂に染まり角が削れ、文字は彫ってある。
(駒の制作者名に白鳥と記されているのは原作者のことだろう)
盤もテクスチャーを変えて雰囲気を出している。
木目の美しいものから、使い込まれて盤面に刷れた傷があるものまで、
そのシーンの背景を雄弁に物語る。
将棋のルールは知らないが、
以前に漫画で将棋の駒について描いたときに色々学んだので、
駒を通じて心のある作り方をしているなと分かる。
まさに陰の主役たる駒に力と心を入れてある。
また、僕がNHKの朝ドラで一番評価をしている作品
「ふたりっ子」へのオマージュもある。
アニメの原作小説を手にとってみたくなった。
それに引きかえ酷いのが「ラーメン大好き小泉さん」だ。
ラーメンは好きだが、ラーメン小泉のラーメンは
絵が下手で美味しそうに見えないからガッカリする。
「甘々と稲妻」もそうだったけど、
グルメ系のアニメで料理や調理が美味しそうに描けていないアニメは、
すでに語る資格がないよ。
ラーメン小泉では、ブラシ処理でエッジやコントラストを曖昧にし、
色や表情を湯気でぼかし、
そして形状の把握をないがしろにしてる。(つまりは素材の理解がいい加減)
美味しそうに料理を表現する全部逆をやっていて、もうどうかしてる。
細密に再現しろというのではない。
絵を簡略化しても普通に絵心があればそれは生き生きと存在感を主張する。
このぞんざいなトロロ昆布の絵にそれがあるか?

Photo
馬糞にしか見えない。
周囲の麺も艶がなく、のびたようなどんより感。
いい加減さとごまかしばかり。
グルメ系アニメで、料理がまともに描けなければ、それはもう失格。
それがこの絵だけで分かる。そういう自覚もないアニメ。
僕は自分で料理もするし、
編集者の時はグルメ記事を担当して取材も撮影もしていたから、
料理を美味しそうに見せることの大変さと大切さは理解しているつもり。
だからこそグルメ系アニメなのにそういう配慮がない絵作り・姿勢
(簡単に言えば主役なのに作監をおいてないいい加減さ)には、辟易する。
このラーメン小泉とほぼ同時期、ネット配信だけれど
「衛宮さんちの今日のごはん」はグルメ系としては素晴らしい出来で好対照だ。
https://abema.tv/video/episode/26-40_s1_p3
地味な動きの部分の動画が凄くしっかりとしたタイミングで描かれているし、
料理も簡潔に省略の緩急がつけてあってスタイルがある。
そして何より料理が美味しそう。
ラーメン小泉さんのラーメンとか「甘々と稲妻」の料理みたいに
リアルに描きたいけど描き手のセンスや技術が伴わない曖昧な表現とは違う。
料理作画班を編成して臨んだシャフトの「幸腹グラフィティ」の絵はコレ。
https://www.plurk.com/p/ko8g3l
新海監督の「言の葉の庭」の料理はコレ。
http://blog.livedoor.jp/kaigainoomaera/archives/50956688.html
上記を見る限り普通に料理を美味しそうに描ける人はいるだろうになぁ。
と不満を募らせながら調べたら、
ラーメン作画監督いたよ!!
番組公式サイトにはなかったけどWikiに書いてあったよ!
ラーメン作監がしかも「甘々と稲妻」の料理作画と同じ人だったよ!!
ちょっと衝撃だった。

なんだかアニメって色々悩ましい。

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2018年1月 5日 (金)

新春のご挨拶

明けましておめでとうございます。
年末は仕事に追われていて、年賀状の絵をようやっと描きました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
18s_2

大晦日のコミケット93にお越しくださった皆様、ありがとうございました。
以前から温めていた蓄光塗料で印刷した夜間でも発行する丸メーターのステッカー。
https://gyazo.com/92f57f6b897e53e378e2bfdb51dc01b6
ありあわせのイラストで体裁を整えた冊子と一緒に発行することができました。
メーターステッカーの制作費がかかってしまって、やや高価な品になってしまいましたのに、
おかげさまで、というかびっくりするほどに手にとっていただいて、
随分大昔に、列ができて押せや押せやになった時以来のひっきりなしの状態で、
用意した数のほとんどがなくなってしまいました。
今月28日のガタケットと次回のヤマケット用に小部数は残がありますので、
ご興味のある方はそちらで。

コミケの後はKIYOさんや小林治さんたちと
ドキィ!男だらけの大晦日焼肉食べ砲台大会ー!!を催しまして、
ひたすらに肉を食べまくっておりました。
そしてその足で、今度は野上武志打ち上げ2次会に合流。
年明けのカウントダウンを過ごして帰宅。
例年どおり、年越しそばも紅白も初詣も自分には関係ありません。
酔ったまま冷たい寝床にもぐりこんで初日の出も逃しました。
自分のためにはもう頑張らないと決めたのは、
無様な自分が嫌いなことと、
それを証明するように自分の孤独な生活の虚しさが
己への罰であるかのように感じるからで、
であれば罰を受けることが至らない己の修練としての意味を見出せるようにも思うので。
ただ、人様の力になること、喜んでもらえることには努力をしたいし、
自分が自分でいることのプラスの意味は
漫画を描ける人であることなので、
あまり執筆ができなかった昨年のようにはせず、
今年は漫画を描いて精進に努めたいです。

今年は新連載を控えています。
一部では公言していますが、
ガールズアンドパンツァーのスピンオフになります。
現在公開中の最終章には絡まないお話です。
ヤマトの連載と同じ角川グループのメディアファクトリーの
コミックフラッパー誌の編集部になります。
実はオリジナルの企画で他の出版社の編集部ともお話をしていましたが、
ヤマトの連載再開までの連載期間をイメージしている僕と、
当然の話ながら、人気があるならヤマトをさしおいての継続をという考えがあって、
そこに悩んでいるときに、
たまたま大洗での散策中にばったりお会いしたガルパンの杉Pに
「じゃあガルパン描いてよ!」と言われて、
そのまま話が転がるように進んでこうなりました。
(杉Pは2199の初期のプロデューサーの一人でもあるのです)
角川内で、この連載はヤマト再開までという編集部間の確認が取れていることも
自分にはとてもありがたいことであります。

ガルパンは楽しくて大好きなアニメではありますが、
TVの最初期から、脚本や人物描写、物語の芯に納得していない部分があって、
ではそういう部分を自分なりに照らしていく漫画にしようかなと、
準備を進めています。
とはいえ、ミリタリーの素養が根本的にないし、
戦車は門外漢なので、
親しい人たちにおすがりしながら、作っていくことになりそうです。
お正月はアニメのモニター設定を仕上げて、
春には連載をスタートするべく、歩を強めていきます。

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2017年10月11日 (水)

高級オーディオと日本酒の夕べ

つい先日、特撮・アニメの歌やサントラが大好きで、
なおかつ日本酒も大好きな友達数人で
「高級オーディオと日本酒の夕べ」を楽しんできた。
というか企画してみた。

自分の過去の仕事の関係から、
オーディオメーカーのショールームや視聴室っていうものが、
意外に一般に開放されて貸してくれたりするのを知っていたので、
隣近所を意識したボリュームに気兼ねなく
好きな音楽をそういう場所で思い切り楽しむ機会を持てないかなぁと
以前から思っていた。
そもそもが、アニソンやサントラ好きな面子で飲もう!ってお話があって
その目当てのお店が秋葉原の日本酒の揃いのいい所ということで、
じゃあ、秋葉原のどこかのオーディオ視聴室を借りて、
持ち寄ったCDを高級オーディオで聞いちゃうもんね!ということに踏み出したのだった。

調べてみると、かつてと違って大手音響メーカーのショールームが
かなり減っていることが分かって淋しかったが、
それでも何軒かのショップで視聴室を貸してくれることが分かった。
でもそもそもショップは売ることを前提にした視聴室なので
いささか宣伝が絡んでしまうし、買わない者は居心地が悪かったりする。
リストに電話で問い合わせをして、こちらの思惑と日程が合致するという所を選択した。
それが㈱FALの試聴室
http://www.fal.gr.jp/index.html
秋葉原の万世橋を渡って左に入った所にあるスピーカーメーカー。
自社のスピーカーシステムを中心とした試聴室というか工房兼事務所兼視聴室。
1時間半ほどお借りして、
今回の参加メンバーは4人だから一人合計 15~20分程度の割り当てで
聴いてみたい音源を持参するという方法にしてみた。
CDのほかにPCオーディオ音源も対応可能。アナログレコードももちろんOK。
(PCオーディオは、USB端子及びライトニング端子)

僕の持ち込んだCDと演奏楽曲は以下のもの。
■宇宙海賊キャプテンハーロック ETERNAL EDITION 1&2
http://amzn.asia/fA8MlUr
1枚目2曲目の「序曲」


■黒蜥蜴 / 江戸川乱歩の陰獣 / RAMPO黛ヴァージョン サントラコレクション
http://amzn.asia/gnZwB50
富田勲作曲の「黒蜥蜴」から1曲目の松竹タイトルと2曲目の美輪明宏の歌う「黒蜥蜴の歌」
(2分10秒から)


■サンダーバード音楽集  広上淳一指揮 東京ガーデン・オーケストラ
http://amzn.asia/3lMST1L
1曲目のOPテーマ、6曲目のマーチ、24曲目の日本版主題歌


■赤毛のアン 想い出音楽館-完全版-
http://amzn.asia/5evaYCq
10曲目タイトルバックから11曲目の「きこえるかしら」TVサイズ、12曲目の前奏曲


■冬木透CONDUCTウルトラセブン
http://amzn.asia/iMxVwmY
5曲目「交響詩ウルトラセブン第1楽章」


■GALAXY EXPRESS 999 ETERNAL EDITION File No.1&2
http://amzn.asia/iGzZUWO
1枚目1曲目オープニング、2枚目2曲目「惑星メーテル」、5曲目「新たなる出発」


集まった各人の選曲で楽しみつつ、
メーカーの社長さんが自社のシステムの理解を深めてもらうための
マリンバ演奏やフラメンコの音源などもはさむ。
これも臨場感のある再生で愉しい。
黒蜥蜴はモノラル音源だったけれど、
奥行きと輪郭がはっきりして普段と違う聴き応えに驚き。
メーカーさんは冬木さんのセブンの楽曲が厚みや奥行き、録音的に優秀だと言っていた。
999の終曲はやっぱり涙ぐんでしまう。
普段聴けないような音量とハイエンドオーディオで聴くアニメサントラは最高!
(ヤマトも持っていっていたけど時間切れ)

そうして音楽を堪能した4人は、いざ日本酒飲み放題へ。
全国47都道府県の銘酒をよりどりみどり。
料理も美味しいしという、我々が密かに「K」と呼ぶ店。
(ちなみにレジにはオイラのサイン色紙が貼ってあるw)
酒盃をあおりながらもアニソンサントラ談義に花が咲く。
そこで話題になったのが、
コミュニティFM局でDJの林檎さんが受け持つ番組
「カミラジ~DJ.林檎の厨二病の部屋」。
http://fm767.net/fm/radio-program/kamiradi/
毎週繰り出される選曲の妙に唸る。
NHK-FMでもアニソン番組とか声優番組で認知はされてきたジャンルだけど、
サントラとかはまだ扱いが薄いし、
主題歌に関しても、同じ曲でもバージョンの差異と理由などまで触れていくような
探究的な考察やこだわりがない。
そういう部分の理解が林檎さんの番組の選曲に見え隠れしているところを
話題にしつつまたそれが酒を美味くする。
ということで飲み放題ゆえに酒は進み、
それぞれ終電で帰途についたのだった。

そして今週末14日はヤマト2202第三章の公開初日だ。
自分も新宿へ顔を出せたらと思っている。
そしてその日の午後にラジオ生出演が決まった。
埼玉県朝霞市を中心にしたコミュニティFMのアニメ特番。
http://fm767.net/fm/dosp/dosp-41754/
そう、実は前述のDJ林檎さんの受け持つ番組。
色々濃い内容の番組になりそう。

FM波は遠くまでの出力を持っていないけれど、
サイマルラジオでの配信もしているので、PCやスマホでも聴けるはず。
(オイラはガラケーなので)
聴き方は…
 ①インターネットにアクセスできるPCで聴く場合
 「サイマルラジオ」(http://www.simulradio.info/#kantou)にアクセス
 「すまいるエフエム」を見つけたら「放送を聴く」をクリック
 音楽再生ソフトからラジオが聴けます。
 ②スマホで聴く場合
 サイマルラジオは、インターネットにアクセスできるスマホなら聴けます。
 無料のサイマルラジオが聴けるアプリをDLして、アクセス。

ガルパンの公式コミカライズをしている友人の漫画家・才谷屋さんも一緒に出演する予定。
公開初日だし、僕はヤマトの話も少しはするかも。
初日舞台挨拶を追いかける移動中の人もいるかと思うので、
そんな合間にアニメ特番で楽しんでいただけたら嬉しいなと思う。

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2017年9月21日 (木)

自分の航路

不思議に忙しい。
相変わらず収入は乏しいのだが、忙しい。
まじめに貧しいのだが、自分はこれも不思議と慣れている。
それにわずかでも仕事があるので、そう儲けずとも、
一人こつこつと机に向かっているだけゆえ、出費もそうない。
そんな貧乏を心配して、
儲け話を持ちかけてくださる人もいるのだけど、
僕はそもそもお金儲けに興味がない。
「中国嫁日記」の井上純弌にも以前言ったけど、
僕が漫画や絵を描いている究極的な目的は、
友達が欲しいから。
こんな僕の絵とか言葉を理解してくれる人と巡り会えるように
そう思って描いているので、
つましく、雨風しのげる暮らしができれば、それが幸福。
描いた作品を見て人が喜んでくれるのが好き。
漫画を踏み台にしてお金とか所有とか、権威や名誉といった
井上君が求めるようなものを自分は欲してない。
もしそういうものが欲しかったら、
社長の時にもっと満たされていたはず。
でも自分と重ねられるものが何もなくて、人生で一番悲しい時間だった。
親しい友人なら知っていること。

ヤマト2199の連載も諸般の事情でしばらくお休みとなり、
身体を壊す結果になったような異常な忙しさからは解放されたけれど、
自分も若くはないし、
漫画を描く身体とリズムを維持していきたいと思う。
細かいお仕事で時間を使うばかりではなく、
自分はどこに行きたいかを見定めていかなければ。

夏からこっち、2202のモニター設定の作業を進めながら、
並行して、同作のノベライズの絵を描いていた。
第2章を試写会で見て、一番ショックだったのは
モニター表示が僕のデザインしたものとは
全然違うものに変わってしまって、
大げさで筋道の通らない形に多くがなってしまっていたこと。
あまりのことに、試写会では物語の内容が頭に入ってこなかったほど。
2202は前作と違って、細やかな考証が多くないので、
モニター設定の僕の段階で天文地理や物理化学、工業技術から組織管理まで調べ、
1つの表示に、それこそ漫画の何倍も手間と時間を費やして、
それをヤマトという作品の理解に立ってデザインをしているのに、
画面には派手なだけで意味も何もない表示が赤く点滅してる。
さすがに耐えられなくなって、
総監督には演出意図と合わないのなら、再デザインするから
せめて連絡を欲しいと告げてしまった。
大好きなヤマトへ公式に関わっているのに、自分の無力を感じる。

ノベライズの挿画もなんとか脱稿した。
皆川ゆかの文章は読んでいてとても楽しかった。
映像では汲み取れず淀んでいたものが、すっと道筋が出来て流れていく。
僕の描いた漫画のようなスタイルではなく、
堂々と2202の正道を歩む気概を感じる。
本として文芸の香りのある姿勢を感じたので、
カバー画も挿画も、昨今のラノベ風なタッチとは異なる考え方で臨んだ。
自分では頑張ってよいものに仕上げられたと思う。
大学時代からの友人の仕事に、今こうして助力できるのは嬉しい。
Fix
また、同時にこの挿画の仕事は、
スタッフとして関わりながらも抱いていた
2202という作品への自分の中の未消化な不満を
自覚とともに昇華する機会をいただけたように思う。
新しいヤマトの物語として楽しんでいるのに、
絵作りやデザインの端々に納得が出来てない。
2199のときも不満や問題を感じなかったわけではない。
前作も今作も僕は物語にはタッチする身分ではないから。
そうした気持ちに、出渕監督は、
不平や不満を口にするのではなく、
今、君は漫画を描いているのだから、
そういう手段を持つ人間は自分の筆で語ればいい。
好きなように描いていいから。
と笑顔で背中を押してくれた。
2202では今まで自分と相対化する手段を持ってなかったんだなと気づいた。
なんだかんだと自分の中でヤマトの存在はとても大きい。Novel01_00
もうすぐ第3章の試写会、そして来月の公開が控えている。
公開時にはノベライズも発売になるはず、
手にとっていただけたら、挿画を寄せている身としてはありがたい。

ヤマトの仕事の合間に
ディスクユニオンのフリーペーパー「レコードがある暮らし」からの依頼で
2頁ほど、アナログレコードとの出会いの寄稿をした。
拙作「虚数霊」のアナログ盤とオーディオを題材にしたエピソードを
担当者さんが読まれたことが依頼の発端らしい。
あのエピソードは幻冬舎版の連載時にはイメージはできていたけれど掲載できず
MF社のフラッパー誌での連載で実現できたもので、
自分でも好きなお話の一つ。
もうコミックスは在庫がなく、電子版なら読めるのかな。
「虚数霊」は未完のままなので、何かの形で続きを描きたい。
そう、虚数霊はさておき、寄稿はこのフリーペーパーのVol.3に掲載予定。
http://diskunion.net/recordlife/

ヤマト2199のコミック再開までの間、自分は何をするのか。
まずは続きの10巻のシナリオを早ければ10月には全部書いてしまうこと。
そして、どこかで漫画の仕事が出来るように、
いくつかの出版社とコンタクトを持っているところ。
前述のフラッパー誌からもお声がかかっている。
さあ、自分はどうしたい。
自分の航路は自分で決める。
それが自由業。

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2017年5月 7日 (日)

日光行

数年ぶりになってしまったけれど、
日光市にある別宅へ家族に顔見せを兼ねて訪れた。
別宅といっても、そもそもが父方の祖父の出身地で、親類縁者も多く、
亡父がそこで第2工場を興したから、
週の半分は日光に滞在するゆえに用意した家だ。
GWを機会に母と妹の一家が集まるので、
僕は自由業で祝日休日は関係ないのだが、日程を合わせた。

さすがに大型連休で、北千住から日光へ向かう東武特急は満席。
数日前に切符を購入しておいてよかった。
以前は特急料金のかからない快速や鈍行を乗り継いで行ったのだが、
以前のダイヤ改正で本数が半分近く減り、また乗り継ぎもよろしくなくなっていたため、
今回は初めて特急を利用。
当日は宇都宮のアニメイベントが開催されていたらしく、
よしぞうおねえさまもガルパン関係のステージを観ていたらしい。
http://www.tochigi-tv-anime.com/festa/
何故か僕のサインが書かれているCV33も来場とのこと。
気付いていたらJRルートで宇都宮経由にしたのに…orz
東武の高架からは富士山とさいたまスタジアムと、さいたま新都心が見える。
あの高層ビル群は僕の実家周辺から見ると、
機械化人の住むメトロポリスに見える。
埼玉の殺伐とした光景は格差社会のむごたらしさを象徴するかのようだ。

P1000884

SLの運行が近々始まるという下今市駅で下車。
http://www.tobu.co.jp/sl/
久しぶりの駅前は駅舎もレトロ調に建て替えられ、
道路の拡張などで商店がなくなり、妙なこざっぱり感。
以前は地方の駅前の雑多な感じがあったのに。
そこから徒歩で、2年ほど前に開業したという「ニコニコ本陣」へ。
http://www.nikko-honjin.jp/
ニコニコ動画とは関係ない道の駅。
販売スペースを眺めたが、あまり欲しい物が無いのでスルー。
併設で地元出身の演歌作曲家・船村徹記念館が出来ていた。
先般亡くなられたが、この人は僕の伯父の疎開時代の友人だった。
同い年で学校で出会い、一緒に野山を駆け回って遊んだ中で、
戦後というか数十年後に銀座のクラブで再会したというw
ちなみに、美空ひばりの父親もこのエリアの出身で、うちの遠縁にあたる。
でも、自分は演歌は好まないのでスルー。
通りの向かいにある造り酒屋で純米吟醸酒を買って、家へ徒歩で向かう。
http://www.watanabesahei.co.jp/

家族との昼食ののち、ふらりと散歩へ。
ソメイヨシノは終わってしまっていたけれど、スギ花粉もお仕舞いだし、
周囲はすっかり若葉が芽吹き、明るい緑色になって、散歩は実に快適。
河岸を1時間ほど歩く。

2017050414140000

家は水田に隣接しているので、夜はカエルの大合唱。
大音量なのだけど、耳障りがよい。
ネットも通じないしTV放送も映らない家なので、
(ネットは回線契約して無い、TVは地デジ非対応)
夜風とカエルの声を楽しみながらゆっくりと夕食をとり、11時半には就寝する。
早く寝ると早く起きる。
5時半には起きて、畦を散歩する。
不思議なのは夜半にあれほどの音量だったのに、
朝の田はカエルが静まっていること。
舗装されていない畦道を踏みしめる心地よさは格別だ。
土と草が織り成す弾力と、複雑な起伏。多様で大きな曲線。
アスファルトで舗装された道にはない、歩いている実感がある。
下草に隠れた足元の起伏が、一歩一歩の足運びを考えさせ、
そして普段は刺激しない筋肉に力を求めてくる。
水面に映る青空が美しい。
風に揺れる細い苗の姿が愛おしい。
ヨモギなどの草の匂いも、鳴き始めのウグイスの声も良い。
用水路を流れる水音のリズムの楽しさ。
ひんやりした空気がアロハの袖を抜ける心地よさ。
早朝の1時間ほどだけれど、久々にまともな田の畦道を堪能した。
さいたま市の実家の周囲も農村だけれど、
区画整理や舗装化、あげくは減反に乗じた耕作放棄で、
このような畦は消滅した。
心無い農家は農地の姿もおのずとみすぼらしくする。

家に戻り、朝食を済ませたら
中禅寺湖畔にある旧イタリア大使館別荘を見学に義弟の運転するクルマで行ってみる。
8時前だというのにGWゆえか、道路はすでに結構混んでいる。
東照宮前のT字路は渋滞のメッカ。
そこを越えて、いろは坂を昇って、目的地に近い無料駐車場に停める。
開館は9時でそれより30分以上前に着いたので、
湖畔を散策しながら時間を待つ。
ヒメマス狙いの釣り人の姿が多い。
中禅寺湖は標高がさらに上がるので、
(僕の家が標高500m位だが、それより更に700m高い)
風景も空気もまだ冬の名残を見せている。
妹は風が冷たいと襟を立てたが、
僕はアロハで心地よい。

2017050508450000
建物は外国人の設計によるものらしいけれど、
旧い日本家屋の間取りにも似て、
以前に行った森鴎外の旧宅の間取りにも通じる。
外壁は杉の皮を用いつつ市松模様に。
屋内の天井はそれを網代に編んで、茶道の数奇屋建築のよう。2017050509030000
そして縁側のようなテラスからは、
中禅寺湖の水面と男体山に連なる峰々が一望できる。
南を背にして眺めるから、日差しを気にしない最高の避暑別荘だ。
(建物の南も木々の葉が自然のカーテンになる)2017050509050000
この建物は当時の再現を主眼に置いているが、
近隣の旧イギリス大使館別荘は内装を改めて
外国人避暑地としての資料館の装いになっている。
http://www.nikko-nsm.co.jp/building/italia

帰宅時に「日光だいや川公園」の地元産品の直売所へ寄る。
そこで、甘酒ジェラートなど食べつつ食材を物色して、
ワサビの葉や かき菜を買う。
帰宅して昼食と短い昼寝ののちに、また1時間ほど散歩。
昨日や朝とはまた異なる方向へ進む。
散歩には地図など持たないし、僕はガラケーでGPSもないが、
フラリと出かけて知らない道をひたすらに進み、
同じ道をたどらずに勘で帰ってくる。
山並みの形と太陽があれば、方向は自ずと判るものだ。
ちなみに買ったワサビの葉はサラダに。
かき菜はベーコンと炒めて、残り物のウイスキーでフランベして香りをつけた。
そういえば母親に僕が料理を作ったのは初めてだったw
亡父は、男子が厨房に立つのは沽券に関わる重大な恥だと主張する人だったので、
そういう勘違いも甚だしい御仁のいる時にはできなかったのよね。

日光では今までになかったくらい家族と話した。
亡父は善良で真面目なれど、
己より劣っていると認定した長男の僕を恥じて、
嘆き蔑み、叱咤し続けた(激励はない)ゆえ、
子供の頃から僕にとってはとんでもないストレス源であり、
圧力と理不尽を子供に体現する存在だった。
まぁそんなだから、僕は家族や恋人であっても
自分の中の何か大切な部分を預けるような依存や甘えの感覚を持たないし、
家庭に居場所を見つけられなかったりするのだろう。
それはこの度を越した圧力源が招いた僕の心の欠陥でもある。
ただ、もし仲良し親子・友達親子だったら、
引っ込み思案の僕は自立もできなかったし、
ストレス耐性も弱く、外のストレスの逃げ場を家に求めて、
依存心を助長し、外へ向かう心を養えなかったろう。
そんな結論に行き着いた。
父親が生きてる頃の母親は、
険悪な僕と父の間を苦慮しつつも結局は父に従属していて、
父親と同じように好きじゃなかったが、
寡婦になってからの母は本来の自分らしさや人間としての魅力が表に出てきて
好きになったとか、本人にはっきり言ってしまったり。
「女に学問は要らない」と妹の進学希望を否定し、
口論のあげく妹を殴ろうとした父を僕が羽交い絞めにして制したら、
逆切れした父に僕がとばっちりで殴られたっていう家庭内最大の事件の一つを、
当の妹がまったく覚えていないということが判明したり。
妹は父と似た気風で、激昂しようがメンドクサイ事は
いちいちグダグダせず忘れてしまう人だとは思っていたが、
母と僕は唖然としたのちに大笑いした。これは今だから笑い話。

翌朝も散歩。
またそれまでと異なる方角へ向かう。
生まれてこれまで一度も通ったことない道を歩く。
家からたかだか4kmくらいのことだけど、
初めて見る世界がそこにある。
戻って、母と厨房に立って、また朝食の簡単な料理をする。
その日の午後には妹はクルマで僕は電車で日光を離れて自宅へ戻るので、
妹たちと昼に食べる野草摘みに出た。
日光はそこここに美しい小川が流れ出ていて、水音が絶えない。
そうした傍らでセリやフキを採る。
コンフリーや土筆もあったけど今回はなし。
ニラやタンポポは家の庭に自生してるのを摘む。
ヒバリの声を聴きながらの1時間で沢山集まった。

2017050613210000
以前、アシさんの一人に「野草を食べるのは気色悪い」みたいに言われた。
自分は土に近いところで育ったし、
ヨモギやノビル、フキノトウなど学校帰りに摘んで、家で食べるなど当たり前。
スーパーで売っている野菜だって、畑に植わっている姿がイメージできる。
路傍の野草も畑の野菜も違いを感じない。
先人からの豊かで尊い知恵で、季節を味わう楽しみと喜びを知っている。
都会人的な衛生観で、汚いモノ扱いでそうした人の心と営みは途切れてしまうのかな。
畦に残っていた蓮華の花を小さなグラスに生けて眺めながら思った。

そんな日光行だった。

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2017年5月 2日 (火)

まずはお礼から

しばらく日記の更新が滞ってしまいました。
漫画のほうの更新を留め置かれている事情もあって、
イラスト関係の仕事や2202のモニター設定などをしつつ過ごしています。
3月末に新潟で催されたガタケット150に、
あちこちで描いた原稿をかき集めた新刊で臨みました。
http://gataket.com/
わざわざお越しくださいました皆様、ありがとうございました。
一人でいることが多い生活ですので、色々な人とお話する機会を持てて
大変楽しかったです。
新潟はヤマトの原画展をやって以来、親しい人がたくさんできましたので、
これからもちょくちょく行きたいと思っています。
お魚とお酒も美味しいし。

4月は僕の漫画の連載について、
ネットで読者さんや同業の漫画家さんたちの話題になっていた様子。
自分はTwitterやFacebookなどのアカウントを持っていないので、
人伝えにどんな言葉が飛び交っているのかを知らされますゆえ、
遠まわしな言い回しになってしまってすみません。
また、連載のあり方について話し合いの最中に、
自分が表立って発言をしてしまうと、
物事がややこしくなり、交渉にも支障をきたすので、
角川からは発言を控えるようにと言われていました。
自分も話題の詳細を把握しないままで、的確なことは言えないし、
連載を大切に考えてくれている角川をはじめ、
読者の気持ちに応える意味でも、
直接言葉を発することをしませんでした。
ご心配をされた方も、逃げていると憤りをもたれた方もいらっしゃることでしょう。
自分にとっても4月は大切な時期だったのです。
角川書店は担当編集さんは異動になってしまいましたが、
ヤマトという作品の今後を見据えて、
変らず親身に対応をしてくれています。
仕事でお会いすることも多い羽原監督も福井晴敏さんも
漫画の連載へ理解と応援をして下さっているし、ありがたい限りです。
そして何より、連載を読んで楽しみにしてくださっている
読者の方々の声は大変励ましになりました。

僕の漫画や新作アニメ2202について、
どのような動きになっていくかは、大詰めの調整に入っていますので、
近いうちに公式な形で諸々の方向性を示せると思っています。
それまでお待ち下さい。

いくつか聞き及んだネットの話題の中で、
僕が出渕監督とケンカしているのでは?とか
コミックの販売部数が落ち込んでいるのでは?
ということが連載停滞の懸念材料として言われていたようですが、
それは全くの事実誤認ですから、御安心ください。
だって、その話題が聞こえた数日前にも
出渕さんと新宿で朝まで飲んでて、
漫画の内容とか絵についてあっけらかんと意見をいただき、
笑いながら「じゃあこうしましょう。ああしましょう」とやりとりしていたんですから。
だから同席されていたお仲間たちは、
ケンカしてるって話題がネットに上がった時に
そうとう可笑しかったことでしょう。
また、角川書店も巻数を重ねても販売部数が落ちない希有な作品として
漫画もその読者も大切に考えています。
だから、1年近くままならない状況でも、大切にしてくれています。
角川は漫画の掲載もしたいし、コミックスも出したがっているのです。
事実と異なる情報から心配を募らせて
コミックを応援する言葉や販促活動を興してくださった読者の方々には
本当に感謝をしています。
そしてその言葉や行動が、出版社の判断に勇気を与え、
連載を支える力になっていることは間違いありません。

重ねまして、ありがとうございます。

漫画は描かないでいると、描くという生活のリズムとか
絵の描き方まで抜けていってしまうものなので、
身体がなまってしまわない様、
とにかく怠けず絵を描いて、精進し続けてまいります。

ということで、少し前に描いた絵がプラモデルの箱絵になりました。
僕自身は不器用でプラモとか作れないのですが、
珍しいお仕事させていただいて恐縮です。
http://www.goodsmile.info/ja/product/6392/

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2017年3月14日 (火)

「どうなるのかな」だけではだめだ

日記の更新がしばらくあいてしまってスミマセン。

9巻の原稿はもう年初には脱稿している。

内容的にも今後の展開に向けたターニングポイントなのだけど
逆に色々な思惑が交錯する形になって掲載のタイミングを編集部と図っている。
心苦しいのは自分も編集部も同じなので、
協力はしてくれているけれど、
そうした力添えはいつまでいただけるかは、不安でもある。
コミカライズというプロジェクトとの中で、
組織間の交渉が主体になってしまって、
自分の言葉が出る機会は限られるけれど、
座して待つだけではなく、できることを努力していけたらいいなと思っている。

そんな中、時間と予算をなんとかやりくりして、
久々に同人誌の新刊をこしらえた。
それを携えて今月の26日に新潟市で開催される「ガタケット150」に参加する予定。
http://gataket.com/
新刊の誌名は「Kaleido scape」
Gatacket150ad
今回も友人のJAZZミュージシャンのユニット名を拝借。
内容は既発表作が殆どだけれど、
初めて公開する絵もあったりするし、
地方のオンリーイベントの本へ寄稿したものもあるから、多少の新味はあると思う。
コミケでもマイナーサークルだし、ガタケットではそう数は出ないであろうから、
残部は夏コミに持っていこうと思っているので、
遠方で新潟は無理という方は、夏に手にとっていただけたら幸いです。

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2017年1月 1日 (日)

2017年 新春の慶びを申し上げます。

あけましておめでとうございます。
17s

大晦日のコミケット91でお越し下さった皆様。
ありがとうございました。

久しぶりにお会いできる方も多く、 
楽しい時間を過ごすことが出来ました。 
また、新設になった東7ホールが人の波で大混乱だったゆえ、 
思うように御挨拶に伺えなかった方々におかれましては 
非礼をどうぞお赦し下さい。 
この数年はヤマトの連載に追われて、なかなかまとまった同人誌を作ることが叶わず、 
今回も在庫を持参するだけでしたが、 
今年はプライベートな時間を前よりは少しとれそうなので、 
亡くなったイワえもんとの「年1冊は同人誌を作ってコミケに出よう」という約束を 
また果たしていきたいです。 
売り子を手伝っていただいたKIYOさんと話している中で、 
(事実上、お店はKIYOCLUBに占領されていましたがw) 
誌面に参加してくれる描き手さんたちが 
いかにワクワクして、楽しんで、そして挑戦的に絵を描ける場を作るか、 
手にとってくれる読者が受取る 
驚きや懐かしさの中の新しさといったドキドキを 
いかに大切に考えているか語る彼の言葉に触れ、 
改めて同人誌というものと自分の立ち位置を考えさせられました。 
オリジナルの個人誌はさておき、 
もっぱら参加することの多い二次創作的なものは、 
営利を貪欲に追求するスタンスは好まないということ。 
僕にとっては友達を作っていく場であるからであって、 
同人誌で生計を立ててしまうようなまでの利益追求は 
そもそも目的や理念に該当しないからです。 
そして僕は元編集者であったこともあり、誌面企画における 
二番煎じ、二匹目のドジョウ、成功の合成、売れ線のルーチン化 
といったクリエィティブな志向とは程遠い心の甘えが大嫌い。 
編集者時代に年間企画を練る会議では 
読者や関係者に好評な連載企画は2年で打ち切ることを強く主張してきました。 
「ウケているのにその必要はない」と反対する人が殆どでしたが、 
そういう成功の踏襲が、 
結局は読者の心や伝えるべきもの、表現の自由さから乖離して、 
惰性と思考停止したルーチンに支配されやすいこと、 
また編集者が新しい企画を考えるという 
最も大切なことへのノウハウや精神性を養う機会を奪うからです。 
仮に新企画が振るわない結果でも、そこから反省し、失敗を活かして 
新しいものを生み出す糧になります。 
出版不況で組織としてはそうした冒険的な暴挙は好まれない時代でもあります。 
でも個人としてこのマインドは失ってはいけないし、 
ましてや同人誌であれば、なおさらその自由は自分にあります。 
そして二次創作で扱う作品や題材に、編集する立場として 
愛情は持っているか。興味を持って惹かれているか。 
誌面に参加する描き手にその魅力や楽しさを伝え、 
一緒に作っていく心と場を作っていけるか。 
それを本という形にすることに気持ちを注げているか、 
自ら手間をかけているか。 
そういう姿勢やマインドを欠いて創意も愛情も手間もかけないなら、 
原稿を寄せてはしてくれても周囲の心はやがて離れていってしまうでしょう。 
原稿料などが基本的に発生しない同人誌であるがゆえ、 
描き手が参加することで感じる喜び楽しみが大切だということは 
疑いのない現実だと思うのです。 
描き手であり、編集者でもあり、もちろん読者である僕は 
手に取った同人誌に、それを感じるかが、最終的にその本を好きになれるかの 
基準になっている。 
で、同人誌とかで自分が参加してて、 
編集のこととか気になって、 
本のタイトルまであれこれ言いたくなるけれど、 
基本的には相談されるまでは我慢。 
相談されるとヒントとかブレスト的な関わりはするけど、自主性を尊重。 
そして本が発行になると、あとからぶーぶー文句を言う。 
というそこがいけない!でもさぁでもねーだってねぇ。 
ということで、KIYOさんには 
新刊のタイトルが良くないとか、表紙の色やデザインが前回と大差ないとか 
色々あとから難癖つけておりましたです。 
あいすみません。 

コミケ会場からの帰途、 
KIYOさんと夏の次、来冬のテーマをどうしようという話題になって、 
そこでやっぱり、 
描く人も読む人も、驚いてワクワクして、意外性に挑戦し甲斐があって、 
それでいて笑っちゃうような 
そんな題材にしようとあれこれ考えたりしていました。 
そこで僕が提案したのはこんな企画。 
1. キャンディキャンディ 
 作者間のトラブルで和解になるはずもなく、封印された超有名作品。 
 アニメや原作に触れる機会は失われ世の中に既に知らない世代も多い中、 
 知っている人は懐かしく。知らない人は想像の「キャンディ」をイメージする! 
 題して「幻のキャンディを求めて」 
2. ロウきゅ〜ぶ 
 ハードなタッチを得意とするKIYOCLUB参加の描き手の方々が、 
 究極に苦手であろう、この萌え絵の頂点を目指す、過酷なトライアル! 
3. デレマス 
 懐古的なテーマが続く中で、もっとミーハーなものを追求することで、 
 オッサンの描き手を動揺させるべく、アイドル路線をひた走る! 
 KIYOさんがラブライブを渋るので、デレマスに。 
 なんでデレマスかというと、しぶリンが可愛いから! 
 仮題「デレマスdeデレます!」 
4. おねしょた 
 劇場版999で幼い心に刻まれた究極のおねしょたに感動したオッサン。 
 半ズボンの少年の無垢な肢体にときめいたオネエサン。 
 その感動を絵に閉じ込めたい! 
 KIYOさんに最も似あわなそうなネタ狙いで。 
5. 昭和ヌード 
 18禁ではない昭和を冠したヌードというテーマへの試行錯誤を描き手は深めつつ、 
 編集する方は最終的なパッケージでビニール封をするという、 
 ビニ本を知らない世代にその存在を訴えかけるKIYO的オヤジギャグの極地。 
 タイトルは「エロディストピア」 
と、30分くらいの ゆりかもめの中で考えてみたのですが、 
KIYOさんはどれも笑いながら逃げようとするのでありました。 
そしてそのまま、KIYOさん配下の方々とコミケ慰労会の宴席へと雪崩れ込み、 
日本酒をたらふくいただきながら、美味い料理に舌鼓を打つ頃に、 
これら5つを吹き飛ばすような物凄い企画が参加者から出て、僕は脱帽。 
宴席はそのテーマに盛り上がり、凄まじい熱気に包まれました。 
来冬のKIYOCLUBに乞うご期待! 

ということで年が改まりまして、 
特に正月らしい料理を作るわけでもなく、 
買い置きで簡単な食事をしたところです。 
元旦くらいは冷蔵庫の奥にしまってある 
小布施ワイナリーの日本酒「ソガペール エ フィス」でも封切しようかな 
と思っていたのですが、 
昨晩、しこたま飲んでしまって、お酒は今日はパスな感じゆえ、 
このあとは漫画は一休みで企業依頼のイラスト仕事を進めていきます。 
3日はひとりぼっちで正月を過ごすオッサンを集めて新年会を企画しました。 
名づけて「ドキィ!ぼっち男ばかりの胸キュン新年会!!17年は愛の戦士たち?」です。 
そこで日本酒をまた沢山飲むからいいもんね!
そんな感じで、また1年、お付き合いいただける友人に感謝しつつ
頑張ってまいります。
本年もどうぞよろしくお願いします。

1/17のヤマトーク第5週にお越しの方は、そこでお会いしましょう。

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